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生き延びるためのラカン (木星叢書)
 
 

生き延びるためのラカン (木星叢書) (単行本)

by 斎藤 環 (著)
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Product Description

内容(「BOOK」データベースより)

ストーカー、リストカット、ひきこもり、PTSD、おたくと腐女子、フェティシズム…「僕の見たところ、現代の社会は、なんだかラカンの言ったことが、それこそベタな感じで現実になってきている気がする」。電車内の携帯電話の不快なわけは?精神病とはどういう事態か?…こうした問いにもラカンは切れ味鋭く答えてくれる。「心の闇」を詮索するヒマがあったらラカンを読め!そうすれば世界の見方が変わってくる!世界で初めての使えるラカン解説書にして精神分析入門。


内容(「MARC」データベースより)

「心の闇」を詮索するヒマがあったらラカンを読め! そうすれば世界の見方が変わってくる。幻想と現実が紙一重のこの世界で、できるだけリアルに生き延びるための、ラカン解説書にして精神分析入門。

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45 of 53 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 最もとっつきやすいラカン理論解説書, 2007/4/17
私の専門は消費者行動論ですが、ふとした研究上の成り行きでラカン理論に辿り着きました。
ラカン本人の著書は非常に難解だと聞いていたため、
まずはラカンの解説書から入ることにしたのですが、
ラカンの場合そうした解説書すらも難解なものが多いというのが実状ではないでしょうか。
そんな中で知ったのが本書の存在でした。
あの非常に難解なラカン理論がよくもまぁここまで簡潔になったものだと、
ただただ感嘆させられるばかりの平易な解説。
すでに他の解説書から掴んでいた、ラカン理論に対する自分なりの何となくなイメージが
本書によって非常に具体的になり、また本書を読んでからは、
難解だと思われた他の解説書の記述もかなり明確に理解できるようになりました。
著者・斎藤氏の「日本一わかりやすいラカン入門」という目論見は
十分に果たされているのではないでしょうか。
下のレビュアーの方々も書いておられますが、「ラカン解説書を読むための」入門書として
最初に読まれるべきラカン本と言えるでしょう。

本書の次には、本書の最後でも紹介されている福原氏の『ラカン−鏡像段階』と、
新宮氏の『ラカンの精神分析』を読まれると良いと思います。
数あるラカン本の中でも、私の知る限りこの2冊が
ラカン理論のイメージを掴むうえで非常に優れたものであると思います
(個人的には、福原氏の本のほうがより包括的で、また読みやすかったです)。
2冊とも、素人がいきなり読む場合にはやや難解かもしれませんが、
斎藤氏による本書を読んだ後なら、より理解が容易くなるはずです。
それと最近邦訳されたフィリップ・ヒル氏の『ラカン』(ちくま学芸文庫)も
手軽な解説書としてお勧めです。
本書からいきなりラカン本人の著書に進むのはキツイと思いますので、
できれば間にこれらの解説書をはさむことが望ましいでしょう。

正直言って、ラカン理論が実際の臨床・診断・治療において有効たりえるのか否かは、
精神医学に関して門外漢である私には分かりません。
しかしラカン理論は、そうした精神分析だけに限らず広く社会や文化に関する様々な問題について、
そしてさらには「人間とは何か」といった、ある種最も根本的な事柄について考える際の
ひとつの思想的枠組みとして、人々が参照するに充分値する知的遺産なのではないでしょうか。
こうした方面からラカンに関心を持つならば、ソシュールから始まる構造主義、
およびポスト構造主義と呼ばれるところの思想も併せて学ばれると、
「思想」としてのラカン理論と、「思想家」としてのラカンの位置づけとが
より明確に理解できると思います。

ともあれ、斎藤氏による本書がラカン理論を学ぶための敷居をグッと引き下げてくれ、
ラカンがこれまで以上に一般の人々にとって身近になったことは確実です。
これを機に、より多くの人々がラカン理論さらには精神分析に関心を持たれることを願ってやみません。
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30 of 45 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars ラカン超入門, 2006/12/18
By ソコツ - See all my reviews
(TOP 50 REVIEWER)   
ラカン入門書であり、精神分析的な人間理解の入門書である。入門書だからといって、無論あなどってはいけない。まず入門書であれば必ずクリアーしなければならない「かみくだく」という作業を、ちょっと粗野な感じがするけれどやさしいお兄さん、的な語りの文体を通して完璧にこなし(時に読者の顔色をうかがうような態度をみせるのが、謙遜さへの好感とへりくだりへのイライラの両方をもたらすのは微妙だが)、あの複雑怪奇で難解きわまりないラカンの思考をおそろしく簡潔かつ明確に提示している。「おそろしい」という畏怖の念の吐露は、本書のラカン本としての画期的なまでのわかりやすさを前にしては決しておおげさな形容ではない。明らかに前人未到の仕事である。もちろんその「わかりやすさ」がディープなラカン読者をいらだたせるのであろうと推測されるのだが、とりあえず「中学生」あたりを想定しているらしい本書の趣旨を理解するべきだろう。
そして、人間がわかる。この点について評価をする際には、それが「ラカン」に独自の見解であるか「斉藤環」によるラカン曲解の上での意見であるかはどうでもよい。とりあえす自分の意志とは別のところから生かされやがて死に、言葉をあやつり言葉にしがみつき言葉に絶望し、ときどき異性を愛したり憎んだり親を愛したり憎んだり、男でも女でもそれぞれの面倒くささを抱えながらまれに狂気に陥る私達の本性の一部を理解するのに、本書は必ず役に立つ。
思想的な著作では本年度ベスト、と個人的にはいいたい所だが、そういう私的な絶賛はともかく、中学生から業界人まで一読してみる価値は十分にある本だと確信しています。


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15 of 24 people found the following review helpful:
3.0 out of 5 stars 読みやすいのは確か。でも、書名の真意がよく分からないです、ハイ…, 2007/9/30
By モワノンプリュ (Japan) - See all my reviews
(TOP 100 REVIEWER)   
 読み終えて確かに分かりやすいラカン入門書だと納得しつつも、後味は良くない。それは著者の姿勢に、微妙ないい加減さと開き直りを感じるからだ。
 まず著者は「日本一わかりやすいラカン入門」をめざすと宣言するのだが、その理由が「いままでなかったからさ」(p7)。これはちょっと読者をバカにしてないか?
 しかも、著者の考える「わかりやすさ」の基準は「知的に早熟な中学生ならすいすい読める」だと言うのだが(p7)、どの程度「知的に早熟」なのか限定していないところがズルイ。実際問題、本書を「すいすい読める」中学生は極々少数だろうし、そもそも著者は本気で中学生を読者として見込んでいるのだろうか。単に、読者の知性を厨房レベルと見なすという話ではないのか?
 また精神分析と読心術を混同するごとき素朴な批判は論外としても、精神分析に対する説得的な批判がいくつも存在している中で、「でも、だからといって、なにもかも失敗だったと片づけるにはあまりにも惜しい人類の知恵だ」(p8)という著者の弁明はあまりに「ベタ」(p8)で、お座なりな印象。精神医学の現在の主流はイメージ重視で、トラウマ治療ではその方が効果的なのも事実だが、自分の「分析」の立場は「治療よりも理解と解釈に力点がおかれている」(p37)というのも開き直りっぽい。少なくともラカン的ではないと思う。
 しかし最大の疑問は書名。「生き延びるため」にラカンがどう役立つのか、最後まで理解できなかった。それともラカンに寄生した入門書を書くことで著者が書き手として「生き延びる」という話なのか、なんて…これは下司の勘ぐりが過ぎるでしょうか?
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