本書の1ページ目には、「Webの世界を覗いて『どうやって?』ではなく『なぜ?』と考えたすべての人に、この本を捧げる」と書かれている。めまぐるしく変化するWebの世界のなかで、新しい技術を目にするとすぐに「どうやって?」と考えがちな読者たちに、まずここで喝を入れている。
8章に分かれた本文では、Webデザインという考え方が生まれた背景を最初に解説した後、インタフェース、サイトの構造、ユーザーのシステム環境への対応などの各要素を視野に入れたWebデザインについて論じている。有名なポータルサイトなどを細かく検証しながら、親しみやすい口調で理論を展開している。
ヤコブ・ニールセンの『ウェブ・ユーザビリティ』が「理想論」だとするなら、本書は「現実論」といえるかもしれない。「すべてのユーザーがサイトを見られるようにすべき」と論じるのではなく、「なぜすべてのユーザーに見せる必要があるのかを考えてからデザインすべき」と論じているのである。
オールカラーのカラフルな構成だが、仕事としてWebデザインを手がけている上級者向けの本といえるので、初心者には何が書かれているのかわからないかもしれない。多少読み進めるのが難しい部分もあるが、本書から新しい何かを発見できるだろう。(上野祥子)
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