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言葉の箱―小説を書くということ
 
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言葉の箱―小説を書くということ (単行本)

by 辻 邦生 (著)
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内容(「MARC」データベースより)

物語を創り読むという快楽は永久に不滅だという信念と、担い続けた使命や文学の未来を、次世代に託したい…。そんな思いがこもった小説論。小説の魅力、小説における言葉、小説とは何かの3部構成の、愛に満ちた「遺言」。

Product Details

  • 単行本: 178 pages
  • Publisher: メタローグ (2000/05)
  • ISBN-10: 4839820236
  • ISBN-13: 978-4839820237
  • Release Date: 2000/05
  • Average Customer Review: 5.0 out of 5 stars  See all reviews (4 customer reviews)
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6 of 7 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 読めば喜びを感じる, 2004/10/2
森有正が亡くなってから何年になるのだろう。調べてみたら1976年だった。30年近くになる。
森有正は一世を風靡した思索家だったのに、亡くなってしまったら急速に評価がしぼんでしまった。
今では彼の著書はほとんどが絶版、私と同世代でも森を覚えている人はほとんどいないだろう。

辻邦生は、森有正を支持し続けた作家である。
美しく平易な日本語で書かれ、フランス文化とフランス語が基盤になっている辻の文章は、森によく似ていたが森よりはずっと理解しやすいような気がした。
 「廻廊にて」だけは繰り返し読んで身についたような気がしていが、他の作品は平易な表現でいながら難解で、そこが森有正によく似ていた。
 きちんとは読んでいないくせに、いつも気になる作家だった。

 前置きが異様に長くなってしまったが、「言葉の箱」は講演集である。講演のスタイルのままで編集されているから、とてもわかりやすい。
この本を読み始めて以来、私はずっと歓喜にあふれて仕合わせな気分が続いていた。喜びで溶けてしまいそうだというのが一番近い表現だと思う。

 内容的には解説にもあるとおりだ。
『小説を書く根拠、目的、方法について、様々な例を挙げながら、生き生きした口調でわかりやすく語りかける・・・中条昌平』

 小説やエッセイを書いている人、書きたい人への提言という形をとっているが、実は辻邦生自身の人生論(ある意味では遺言)なのである。
少なくともあと10年も前にこの本を読んでいたら、私もまともな文章が書けるようになっていたのではないかと、もう少しで錯覚しそうになった。

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2 of 3 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars この本を読んでから、ベストセラー作品を読むと面白い, 2002/8/3
By tomo1943 (茨城県つくば市) - See all my reviews
(TOP 1000 REVIEWER)   
 小説を読む人にも書こうとする人にも、とても大事なことを、辻さんは遺してくれた。読者である僕の言葉に(僭越ながら)直して三つの章に題を付ければ、「矛盾論」「言葉論(言語論ではない)」「創造論」。辻さんが電車の中でも出来る"遊び"と言う乗客の物語をつくることに例えれば、それぞれ、この客の欲望とその障碍はどこにあるか、客の葛藤にフィーリングをどう付与するか、それを詩と根本観念と言葉の総合としてフィクションにどう作り上げ物語とするか。この本は、講演の記録であるので、それらのことを辻さんの人柄を思わせる調子で柔らかに語りかけてくれる。この本を読んでから、ベストセラー作品を読むととても面白い。
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2 of 4 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 辻邦生の豊饒な文学方法論, 2002/6/30
By tomo1943 (茨城県つくば市) - See all my reviews
(TOP 1000 REVIEWER)   
 辻邦生の文学作品は、どんな方法論のもとで出来上がっているか、を明かしてくれる。それは、読みようによっては、小説の書き方かも知れない。いや、まさに氏は、後に続く者に対し、自分が人生を賭して開拓してきた文学の広野を道しるべ付きで、あるいは地図として残してくれたという方が適切であろう。それは、要約すれば、「詩」と「根本的な観念」と「言葉」を以て「葛藤」を創造するとでもなろうか。でも、本当は、そんなに単純なことではなくて、生き生きして豊饒な文学方法論、哲学である。何はともあれ、氏の作品をより深く理解するためにも、氏に続く文学(者)を生み出すためにも、この本を読むことは意義のあることだと思います。
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Published on 2006/10/24 by 司馬遷太郎

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