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機甲戦の理論と歴史 (ストラテジー選書)
 
 

機甲戦の理論と歴史 (ストラテジー選書) (単行本)

葛原 和三 (著), 戦略研究学会 (編集), 川村 康之
5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 1,995 国内配送料無料 詳細
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

そのルーツとなった陸戦史を概観し、ドイツ・ソ連・イギリス・フランス・アメリカ・日本の機甲戦理論の形成を詳述し、さらに現代の機甲戦までとりあげる。


著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

葛原 和三
1950年生まれ、陸上自衛隊幹部学校戦史専門教官、一等陸佐、機甲科。1965年陸上自衛隊少年工科学校入校、1974年北海学園大学卒業、機甲科部隊では、戦車教導隊(小隊長)、第7師団(師団長副官)、第73戦車連隊(中隊長)、第11戦車大隊(大隊長)などで勤務する傍ら、幹部学校指揮幕僚課程、筑波大学史学研修後、幹部学校(戦史教官)、防衛大学校(助教授・教授)、防衛研究所戦史部(所員)及び現職において戦史教育を担任

川村 康之
前・防衛大学校教授、戦略研究学会常任理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 178ページ
  • 出版社: 芙蓉書房出版 (2009/06)
  • ISBN-10: 4829504501
  • ISBN-13: 978-4829504505
  • 発売日: 2009/06
  • 商品の寸法: 21 x 15 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
  • Amazon.co.jp ランキング: 本 - 5,190位 (本のベストセラーを見る)

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5つ星のうち 5.0 機甲の将来, 2009/7/1
機甲の成立から発展までを、初心者にも判り易く解説している。また、これまであまり取り上げられなかった用兵思想・ドクトリンの側面から機甲の発展について解説し興味深い。これまで機甲といえば、第2次世界大戦かヨム・キプルなどをとりあげた書物が多かったが、エアランド・バトルなどの最近の流れにも触れ、RMAの影響を受け米国などがトランスフォーメーションやフルスペクトラム・オペレーションなどを進めていく中、機甲の進むべき方向について情報に注目しているなど現職自衛官の鋭い視線も感じる。極めてバラエティに富んだ幅広い内容であり、是非一読を勧めたい作品である。
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11 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 用兵理論は不滅です, 2009/6/20
第1章で著者は古代の戦史から機甲戦にいたる戦史を紐解く中で、その根底に
流れている「機動戦の思想」をくみ上げ、「優勝劣敗の定理」からみて「勝者
の何が敵に優越したか?」を解説しています。古代ギリシャから現在にいたる
までの機甲戦史を概観し、軍事専門家としての評価と批判を行っています。

読み進める中で感じた利点は、戦史で読むべきポイントを抽出してまとめて
くれていることです。把握するべきポイントを絞りぬき、その本質、理由が
丁寧に記されています。非常に分かりやすいです。

「機動戦序説」では、「用兵思想」「ドクトリン」「機動」「機動戦の戦い
方」等に関する詳細な解説がなされています。

ここまで陸戦用語を本格的に分かりやすく解説したものはないと思います。
この部分を読むだけでも、求める価値はあると考えます。

陸戦の本質は機動である。
ということが良く分かります。

第2章は、第二次大戦で機甲理論の対決を行なったドイツとソ連をはじめ
とする、近現代の各国機甲戦史です。ちなみに、第二次大戦で機動
戦を復活させ、勝敗を決したのは独自の機甲戦理論をもったドイツとソ連でした。

各国がどういう経緯を経てどういう戦訓を抽出し、それを次の時代にどう
活かしたか? がコンパクトではあるが要領よくまとめられています。

個人的に興味深かったのはソ連赤軍の「縦深戦略理論」形成の過程です。
1918年に諸国の包囲下で誕生した赤軍が内戦を通じて学んだのが
「内線作戦における機動の価値」でした。これが縦深戦略理論にまとまって
ゆく過程は非常に興味深いです。

「5 ドイツ軍と赤軍の機甲戦理論の相違」
では、「力学的な原理による相違」「作戦における指揮の相違」「機動の方式
による相違」という3つの側面から両軍の理論を評価・批判しています。

イギリスとフランスも取り上げられています。
英仏機甲戦史で欠かせない軍人であるイギリスのフラーとリデルハート、
フランスのド・ゴールがいずれも、自国の国防政策に焦燥の念を持っていた
というのも、なんとも奇妙な一致です。ドイツ軍近代化の本質が「新たな機甲戦理論」にあることを彼らが見抜いていたためでしょうか。

近代化にのり遅れていた米軍は第一次大戦に参戦し、貴重な教訓を得ます。
それをきっかけに騎兵部隊から機械化部隊への近代化に着手しますが、
その後20年ほど経った1938年時点でも馬は残ってたそうです。

どの国の軍でも、新しい動きの歯車が動き出すには長時間かかるという教訓
ですね。

第3章はわが陸軍の機甲史です。
わが国でも米同様第一次大戦の分析結果を通じ、大正八年に騎兵廃止論がで
ました。しかしこの論議は、騎兵局長の抗議の割腹で幕を下ろしてしまいます。

しかしその後も調査研究は続き、宇垣軍縮によってはじめて帝国陸軍は近代化
をスタートさせたと著者は言います。軍からひどく憎まれた宇垣軍縮の目的が、
第一次大戦で明らかになった軍事近代化にわが軍が対応するためのもので
あったことが理解できます。

著者は、教義の硬直化、教条化についてこう述べています。

<本来保守的である軍人の教範に対する批判を将来にわたり戒めたことは、
じ後の改善の芽を摘み、制定した条文を無誤謬化することになった。このよう
にして既成の条文に依拠し、戦闘者としての現実感を失っていったといえる。
これは第一次大戦における機械化や機動力についての現実認識が希薄であった
ことに要因があったものと考えられる。>

帝国陸軍が主敵として認識していた赤軍の近代化の実態をうまく認識できなかっ
た理由について著者は、3点にまとめて整理しています。

帝国陸軍では機械化への動きが続きますが、けっきょく各兵科の機械化装備
奪い合いという結果に終わり、装甲兵団創設にはつながりませんでした。

その後、満州事変をきっかけに陸軍は軍備近代化に本格的にかかります。
それなのに、日支事変を契機に機械化は遅延してしまいます。
陸軍が大陸での戦を「長期消耗戦になるのは必至」と当初から反対して
いたのはこのためなんですね。

そして起こったのがノモンハン事変です。
国家指導部の誤りにより、シナでの戦争に足をとられてしまった陸軍は、
大陸でシナ軍を相手にするレベルの装備でよしとし、もはや改革への
切迫感を失っていました。

その後は、昭和15年に行なわれた騎兵トップ吉田中将の意見具申、
昭和16年の機甲本部設立、戦車連隊編成など、読み応えある歴史描写
が続きます。

著者は帝国陸軍の機械化が遅れた要因として
3つのポイントを示しています。

第4章は現代の機甲戦について記された章です。

ソ連赤軍(ロシアも引き継いでいると見られる)、米陸軍、西ドイツ陸軍、
イスラエル陸軍、わが陸自のそれが紹介されています。

著者は現代の戦争を、情報が決定的役割を果たす「情報戦」と捉えます。
平時有事問わない「情報の確度の優越」をめぐる戦いが続いているということ
です。

ここでキモとなるのが「情報通信能力」で、機動戦では、あらゆる部隊レベル
で情報通信能力の進化が求められている、と著者は主張します。

本章で取り上げられているのは最近の歴史なので、現在が軍事の世界にとって
歴史的転換点の真っ只中だということが、頭に入りやすいと思います。

時代に伴う任務の多様化と、軍事力構成・軍事戦略と
の間には基本的に関係はないと感じます。
古来から続く伝統的な武装と用兵理論は今後も永遠に
進化を続け、なくなることはないでしょう。
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9 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 機甲戦の理論と歴史, 2009/6/29
By 維新研究家 (東京都練馬区) - レビューをすべて見る
 機甲戦の理論をこれほどまでに詳細、かつ懇切丁寧にまとめて書籍がかつてあっただろうか。
 機甲戦と言えば直ちに我々は、電撃戦を思い出す。しかし、その本質とするところはあまりよく知らない。なぜ、そのような理論が生まれたのか、その背景、狙いは何か、そしてそれはどのように整備され運用されたのか。機甲戦のDNAはどこにあるのか?このDNAはどのように分派していったのか?これらの疑問に直ちに回答をくれるのが本書である。
 著者は、現在も陸上自衛隊の現役と聞く。実践と理論を現実に体験して本書に投影したのだ。今までわれわれの知るこれら書籍は、責任なく理論を一方的に言い放しているのが多い、それもわれわれの国土・風土とは異なるヨーロッパを前提としたものだ。しかし、本書は、これらヨーロッパを主体に発展した理論をわれわれの国土、つまり四面環海の歴史・文化豊かな我国に適応させいる。そして機甲戦が我が国に占める役割にまで踏み込んでいる。その論理的な文章はすんなりと脳裏に浸み込むとともに著者の機甲に対する熱意、責任感もあって説得力がる。
 陸戦に興味のあるもの、一般の社会人にとっても十分価値のある一冊と考える。
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