2006年6月、古書店チェーン最大手ブックオフの社長にパー
ト出身社員の(しかもタレント清水國明の姉!)、橋本真由美さんが就任する、
というニュースが、メディア中を駆け巡りました。覚えていらっしゃる方も多い
でしょう。
東証一部上場企業のトップに、創業者一族でもないパート出身のしかももとも
と専業主婦という人が就任するのは、おそらく前例がない。ゆえに、マスコミの
中ではこの就任にさまざまな憶測が飛び交いました。話題づくり? お飾り?
それとも弟の清水國明がらみ? いえいえ、違います。
彼女が社長に就任した理由。それは、学生、フリーター、元ニート、パート
主婦から、一流大学卒まで、さまざまなタイプの働き手たちを率い、どんな会社
にも負けない「仕事の現場」をゼロから創り、そして大きく育ててきた「現場の
お母さん」だったからです。橋本さんは、ブックオフで数え切れないほどの元
ニートや元フリーターと仕事をしてきました。その経験から彼女は言います。
「今も昔もダメな子なんていません」。本書は、そんな橋本真由美さんが自らの
ライフストーリーを振り返りながら、現場のチームワークの創り方、さまざまな
タイプの社員の育て方などなど、「最強の現場組織の創り方、そして育て方」
を、具体的に語りおろした一冊です。
また、本書は経営書であると同時に、夫と2人の娘と暮らす、一見平凡な専業
主婦が40歳をすぎてパートの仕事に就き、そこで「仕事の喜び」に遭遇し、仲間
をつくり、若手を育て、時に挫折し、時に危機に陥りながら、会社を大きくし、
そして社長に上り詰めていった、そんな1人の女性の物語でもあります。
俗流格差社会論が横行し、若者に明日がないかのような報道が目立つ今だから
こそ、なんの後ろ盾もない専業主婦がパートの立場からできたばかりの古書店を
一部上場企業にまで成長させていくまでを描いた本書は、さまざまな人々に大き
な勇気とそして仕事に役立つ知恵を与えてくれるはずです。