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問屋と商社が復活する日
 
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問屋と商社が復活する日 (単行本)

松岡 真宏 (著)
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   この本は、1999年日経アナリスト・ランキング小売部門1位、エコノミスト誌アナリスト・ランキング小売部門1位の著者による、日本の流通構造についての私論である。過去40年間、中間流通を排除する「流通革命」の考え方に支配されてきた流通業関係者に対して、あらためて流通マーケットを眺めるための情報を提供している点が特徴的である。

   本書は、全部で5章からなる。まず第1章では、従来の「流通革命」がなぜ誤っているのかについて、「言葉のあいまいな共通認識」「日本の流通業の生産性が低くないこと」などを理由として挙げながら、流通の常識のウソを鋭く指摘している。第2章では問屋の重要な機能として、品ぞろえの豊富さや小売業の健全競争の維持についての議論を展開し、問屋制度があるおかげで、日本の消費者は、欧米に比べて非常に幅広い品ぞろえと安い値段を享受できるのだと指摘する。また、第3章では、メーカーマージンが内外価格差の商品別格差を決定することなどを例示しながら、物価論の常識のウソを暴く。第4章では、日本の商社のもつ社会的機能に触れながら、「川中機能」(中間流通)の重要性について述べ、第5章では、流通業関係者の意見をオムニバス形式で紹介している。流通業界についての状況把握と認識に役立つ1冊だ。(増渕正明)



日経BP企画

問屋と商社が復活する日
 著者はUBSウォーバーグ証券株式調査部長の松岡真宏氏。1999年の日経アナリスト・ランキングで小売り部門の1位に選ばれるなど、日本屈指の流通アナリストとして知られる。本書は日本の流通ジャーナリズムのみならず、一般の定説にもなりつつある「問屋・商社無用論」を真っ向から否定すべく書かれたもの。

 流通業界は「流通革命」という言葉の呪縛にとらわれ続けてきたという。問屋を外してメーカーと直接取引することで中間マージンをカットする試みは「善」であり、何より消費者のためだと信じられてきた。

 松岡氏は「1960年代に生まれた流通革命的な考え方は、100%間違っている」と断言する。「流通業界に携わる人間は、過去40年にわたって『流通革命』という荒唐無稽なプロパガンダに自らが毒されてきたことに気づくべきである」とまで言い切る。

 「川中」と呼ばれてきた問屋・商社の存在が、小売りの品揃えを豊かにし、健全な競争を促進してきた事例を具体的に検証していく。また、日本の商社が有する金融機能に着目し、「商社は世界最大のベンチャーキャピタル」と、有用論を展開。

 食品問屋業の経営者らが自ら語った「中間流通論」も併せて掲載している。


(日経ビジネス 2002/01/14 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)


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5つ星のうち 2.0 それほどでも・・・, 2002/5/12
私は酒の卸問屋に勤めています。

タイトルを見て思わず手が出てしまいましたが、今となっては少なからず買ったことを後悔し始めています。この著者は相当「流通革命」という言葉に嫌悪感を持っているようですが、終始槍玉にあげてしつこいぐらいに攻撃を加えているのに辟易しました。中には納得できる部分もあることはあるのですが、強引な物言いばかりが続いたと思えば論拠のあやふやな結論が導き出されたり、どうにも読んでいる自分が恥ずかしくなることが多々あります。
著者の主張することに反対するつもりは立場上全く無いのですが、この程度なら別にお金を出して買うことも無かったかな・・・、というのが正直なところです。

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11 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 1.0 一般論的で浅薄, 2002/5/13
問屋の役割は、小売における品揃えの充実と、小売業の健全な競争維持といった論旨は間違ってはいないが、広く認知されている一般常識的な話でもある。「流通革命」という言葉を使っている人などへの、感情的な批判にページの多くが割かれている。「流通革命」という言葉を使っている人々の多くは単純な中抜き論を行っているのではなく、実際に厄介な流通や商慣習の壁にぶつかって悩む中、その壁をなんとか打破したいという気持ちを「流通革命」という言葉に託しているに過ぎないのであって、だれも、問屋の役割はない、などと思っていはいない。リスクをとって事業をしたことのないアナリストの限界を感じる。「正しい」問屋論、「正しい」物価論といった自説の展開をしているが、数字の分析は甘いし不充分!!。紙一枚にしかならないことを本一冊にしようとして、批判に終始してしまった感じ。ただ、問屋と商社は役割が完全になくなる、と盲信している人は読んでもよいと思います。
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13 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0 消費者のために流通業従事者の待遇は後送りされるのか?, 2002/5/24
著者の前作「百貨店が復活する日」を発売当時、半分眉唾気分で読んでみて、期待以上の強い印象を得ていた・・・。あれから一年以上がたち、実際に百貨店の回復もだいぶ進んでいるようなこの頃、改めて著者の「目利き」さ加減に敬服しながら読んでみた本書だったが。

流行の「グローバリズム(あるいは「ナントカ革命」など)に押し流されずに、よく実情を見て、考えてみよう」という姿勢(呼びかけ)自体は共感できるものがあった。また所謂「川中」の企業群が、「小売での豊富な品揃え」「参入障壁低下による小売業での健全な促進」を可能とするとの不可欠な役割を担っていることもわかった。

但し、五年半ほど百貨店で働いた経験を持つ者としては、小売業での激しい競争が、その従事者(従業員)の待遇等を圧迫してはいないだろうか、との思いを抱かざるを得なかった。「ほかの経営資源を活用するより、ひとを使ったほうが安上がり」との状態をあたかも自然な事柄として受け入れてしまうのは、やはりいただけない。なぜなら、そんな「安く」使われるような仕事には、優秀といわれる人材はなかなか集まらず、ひいてはそれが経営の停滞・質の低下の大きな要因となっていたと認識しているからだ。また、このことは長い目で見て、小売業をいっそう魅力のない仕事としてしまうのではないだろうか。前作で「日本の百貨店が大好きで」と胸を張っていた著者だが、実際はコンサルタント→外資系証券アナリストという高給取りであり、所詮は利用者としてその競争の恩恵を蒙ってきているだけだ。また企業経営の面からも考え、何かを助言するとしても、その視点はなべて経営陣層という大所高所にあり、現場にあるとは思えない。私見を述べれば、他の産業の場合と同様、小売を始めとする流通業を活性化させ将来につなげていくのは、当然のことだが、現場の実行者たちの努力や創意工夫に負うところが大きいはず。その点を考慮すれば、著者には流通業界の現状に過度に肩入れするよりも、むしろどうすれば現場のモチベーションが向上し、ひいてはそれが企業としての生き残りや反映に結びつくのか、そういった事柄にもっと分量を割いてほしかった。

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