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1996年の誕生から始まるポケモンの驚異的なブームは、依然として衰えを見せず、日本、北米、アジアを中心に世界的規模で広がり続けている。このままポケモンはディズニーを凌駕し、「ピカチュウ」はミッキーマウスに取って代わるのか…。こんな推測が飛び出すほどのブームである。
本書は、任天堂の携帯用ゲーム機ゲームボーイのソフトから生まれたポケットモンスター(通称ポケモン)が、コミック、カードゲーム、テレビアニメ、映画、キャラクター商品の各分野で大ブレイクしていくストーリーと、わずか数年で全世界を市場とした「キャラクタービジネス」を確立する背景を、デザイナーやプロデューサーなど当事者への取材によって明らかにしたものである。
そのビジネスの成功ぶりはすさまじい。2000年6月末時点の国内外を合わせた累計販売本数は、ゲームソフトが6435万本、カードが42億枚。映画は、国内での配給収入が77億円(第1、2作の合計)、海外での興行収入が1億7600万ドル。テレビアニメは51の国や地域に販売、放送され、キャラクター商品の市場規模も国内だけで数千億円に上る。この商業的成功とキャラクターの世界的な伝播について、著者は「宗教や言語や人種や価値観や文化的背景などの違いを超越」した、「人類にとって未曾有の体験だった」と言う。
その魅力については、次の2つのキーワードが印象深い。友達同士でキャラクターを交換できる「価値あるデータの交換」、プレイし終わった後でも楽しさを足していける「閉じられていないこと」。ポケモン成功の秘密は、制作初期のこうした着想や指向性を、どんなにビジネスが拡大しても貫いたところにある。そして、21世紀のポケモン・ビジネスが明快に語られている。「ドラえもんは、テレビ朝日のアニメ番組の中で生きている。ミッキーは、ディズニーランドにいくと、一緒に写真が撮れる。(中略)じゃあ、ポケモンはどこにいるんだ?その問いに答えられる世界を築き上げることが、僕たちの仕事だと思っています」。こうしたビッグビジネスの奥義が随所に読み取れるのも、本書の特徴である。(棚上 勉)
出版社/著者からの内容紹介
ポケットモンスター――通称ポケモン。任天堂のゲームソフトから発したこの小さな怪物は、わずか数年でテレビアニメ、映画、キャラクター商品へと「増殖」し、昨年は全米公開された映画が邦画としては史上初のナンバーワンになるなど、ディズニーに匹敵する世界屈指のキャラクターとなった。
日本はもちろん、アジア、アメリカそしてヨーロッパの子供たちの心と財布を、ポケモンはいかにしてつかんでいったのか?
本書は、過去10年世界でもっとも成功した「キャラクタービジネス」の、当事者たち (ゲームフリーク、クリ-チャ-ズ、任天堂、小学館、テレビ東京・・・・・)の貴重な証言による「歴史書」であり、「ケーススタディ」である。
執筆者のひとり、久保雅一は、一貫してポケモンというキャラクターを育て、コミックに映画にと昇華させた小学館「ころころコミック」のプロデューサーである。 また、今までメディアにほとんど登場することのなかったポケモン生みの親であるゲ ームデザイナー田尻智のロングインタビューも掲載されている。
なお、本書には可能な限り、ルビが振ってある。いわば、日本初、「親子で読めるビジネス書」である。
さらに、ポケモンのビジネスの歴史が一目で分かるポケモン略年表と、ポケモン図鑑も付録として掲載。