アカウンティングは「会計」と呼ばれ、会計士や企業の経理部門の人などが学ぶ専門知識といったイメージが強いのですが、本来は企業の経営状況を数値で表す手段で、経営者が自分の企業の状況を正しく把握するための基礎知識として欠かせないものです。特に米国企業では、投資家重視の姿勢が徹底しており、投資家への経営報告手段であるアカウンティングは、より重視されて、経営者の意識も非常に高いものがあります。 本書は経営に必要な知識としてアカウンティングを、MBAのビジネススクールに行かなくても習得することができる内容となっています。
MBAでは、アカウンティングの2つの大きな柱である「財務会計」と「管理会計」の基本を必修科目として、さらに専攻科目の中で、実際のビジネスにおける応用や、より高度なアカウンティング技術を学ぶことになります。特に「財務会計」は、ビジネスのあらゆる場面で必要とされることから、MBAの他の科目でも学びます。MBAプログラムの基礎として、最初にしっかりとマスターすることが求められます。本書でも、まず財務会計に重点を置きます。管理会計については最終章でひととおりの基本を説明しています。 本書では実質的グローバルスタンダードとして、米国のアカウンティングルールを中心に説明します。そして、日本の会計ルールと違いがある項目については、そのつど説明するようにしています。
企業の海外での資金調達や国内証券市場における外国人投資家の影響力の増大に伴って、日本企業も国際的な会計水準を意識しなければならなくなっています。また、「会計ビッグバン」と呼ばれる会計ルールの大改革によって、日本の会計ルールも国際水準に近づいてきており、今後も、米国の会計ルールや国際会計基準などの影響を受けるものと見られていることから、国際的なアカウンティングルールをベースに、日本の会計ルールとの共通点や相違点を把握しておくことは、ビジネス知識としても有用だからです。重要なアカウンティング用語は日本語と英語を併記しています。
なお、本書は、実際の企業をモデルに取り上げたケーススタディを織り込んで、内容をビジネスに結び付けて理解できるよう、また、本文を読んで理解した事項について、実際に仕訳や計算の練習を行うことで、実践で利用できることを目的としています。会計に馴染みのない人でも無理なく読みこなせるように、アカウンティングのABCから始め、仕訳や計算式よりも図版を多用した平易な説明によって、MBAレベルにまで到達するよう構成しています。
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