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日本の「安心」はなぜ、消えたのか―社会心理学から見た現代日本の問題点
 
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日本の「安心」はなぜ、消えたのか―社会心理学から見た現代日本の問題点 (単行本)

by 山岸 俊男 (著)
4.5 out of 5 stars  See all reviews (21 customer reviews)
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Product Description

出版社/著者からの内容紹介

偽装国家ニッポン!?
いつからこの国は「嘘つき」だらけになってしまったのか?
その驚くべき真相を最新の心理学が鋭く解き明かす!

●構造改革が「安心社会」を崩壊させた
●日本人とは「人を見たら泥棒と思え」と考える人々だった
●「渡る世間に鬼はない」と楽天的に考えるアメリカ人たち
●実は日本人は集団行動よりも一匹狼のほうがずっと好き
●「心の教育」をやればやるほど、利己主義者の天国ができる
●いじめを深刻化させる本当の原因は「傍観者」にあり
●なぜ日本の若者たちは空気を読みたがるのか
●どうして日本の企業は消費者に嘘をついてしまうのか
●武士道精神こそが信頼関係を破壊する
                   ~本書の内容から~



内容(「BOOK」データベースより)

偽装国家ニッポン!?いつからこの国は「嘘つき」だらけになってしまったのか?その驚くべき真相を最新の心理学が鋭く解き明かす。

Product Details

  • 単行本: 261 pages
  • Publisher: 集英社インターナショナル (2008/02)
  • ISBN-10: 4797671726
  • ISBN-13: 978-4797671728
  • Release Date: 2008/02
  • Product Dimensions: 7.4 x 5.2 x 1.1 inches
  • Average Customer Review: 4.5 out of 5 stars  See all reviews (21 customer reviews)
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88 of 96 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 「武士道」「品格」へのアンチテーゼ, 2008/2/26
By bookkeeper (茨城県) - See all my reviews
昔に比べて今の社会が悪くなったのは、人々の心が堕落したからだ。
だから、お説教をして道徳意識を埋め込む・・・。

このような発想の延長線上に、ベストセラー「美しい国」「品格」等があるとすれば、
筆者の主張は、まったく逆の「人の心は環境によって変わる」というアプローチでしょう。

日本人は「集団主義者か個人主義者か」を検討して、
日本人が実は、個人主義者であることを指摘します。
では、なぜ日本は典型的な集団主義社会なのかを明らかにするのです。

次に、社会の仕組みの違いとして著者は「安心社会」・「信頼社会」概念を紹介して、
社会の成員へのコントロールの利く「安心社会」から、個人が積極的にリスクをとっていく
「信頼社会」への社会の仕組みの変化を主張します。

それを踏まえて、社会現象としてのいじめ問題、企業による偽装・隠蔽問題を取り上げます。
これら問題の解決が、心の問題として解決するお説教では、うまくいかないことを指摘して、
この解決の方法を・・・。
具体的な解決策は、著作を読んでみてください。

このような事象の検討の末に、著者の規定する「安心社会」「信頼社会」の対立を、
やがて「統治の倫理」と「商人の倫理」という鋭い価値対立問題として提起します。
グローバル化・格差問題が生じている日本社会で、
これからの時代を担うべき価値観がいずれにあるのか。
筆者の主張は鮮やかです。

これまでの著作と比べて格段に読み易くなり、著者の主張がわかりやすく構成されています。
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30 of 34 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars よくぞ言ってくれました, 2008/4/20
By sparerib "賭夢糸" (大阪府茨木市) - See all my reviews
安心社会⇒統治の論理で閉鎖系社会
信頼社会⇒商人の倫理で開放系社会

本書ではこの2つの対立図式をズバリ指摘しています。
加えて、KYという言葉の流行やいじめの問題、など
社会現象にも踏み込んで言及してあります。

その通りだ! と強く思う反面、これまで自分の周囲
に築いてきた「信頼」のネットワークがどれほどの
ものなのか、心もとなく思える反省にも至りました。

耳が痛いのが、「安心社会と信頼社会のそれぞれの
エッセンスを混在させると社会が腐敗する」という
記述のあたり。恥ずかしながら、仕事場がまさに
それを体現したような場所ですので。。
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15 of 17 people found the following review helpful:
3.0 out of 5 stars 気持ちよく常識を覆してくれるが、違和感も, 2009/3/18
By つぼすけ (静岡県) - See all my reviews
著者の主張は「人の心は環境によって決まる」というもの。
いくら教育で人の心を矯正しようとしてもそれは不可能であり、
人は置かれている環境に最適な振る舞いをするだけなのだ。
そういう著者の主張は常識を気持ちよく論理的に覆すもので、非常に納得できるし面白い。

いじめは人間社会のルールを子供たち自身が学ぶためのものでもあり、
正しい「いじめ」のやり方を学ぶことは必要という考察、
アメリカ人よりも日本人の方が実は個人主義的に行動するなど、目からウロコである。
以前「日本人の自尊心は言われているほど低くない」というような実験がニュースになっていたが、
この人の仕事だったようだ。

だが、「人の心は環境によって決まる」という主張には納得できるものの、
そこから導き出している結論
1)安心社会VS信頼社会という構図
2)農村社会=安心社会=武士道という位置づけ
には違和感を感じた。


1)については、グローバル型の信頼社会に適応するため〜〜とあるが、
そもそもそのグローバル化、構造改革路線が今は否定されてきているという問題がある。
本当に信頼社会が目指すべきものなのだろうか。
安心社会を取っておくべき領域と、信頼社会に転換すべき領域があると私は思う。

信頼社会/安心社会というのは、対立して両者が同時に成り立たないわけではなく、
それぞれの問題や社会ごとに、安心社会と信頼社会の倫理を使い分けていけばいいのではないか。
あるひとつの問題なり社会の中で安心社会と信頼社会の倫理を混同することが問題なのであって、
後戻りできない以上、すべてが信頼社会に転換すべき、という主張には納得できない。

例えば、インターネットオークションのしくみを信頼社会として紹介しているが、
評価システムが自動的に悪人を排除する点で、これは安心社会における悪人排除のしくみそのものではないだろうか。
悪人も名前を変えて再参入できるので、信頼の積み重ねが大切になる、という点が信頼社会であるとしているが、
再参入しても結局は不誠実な取引をしていれば弾き出されるのだから、悪人が自動的に排除される点では同じことである。

2)については、著者は安心社会の一例として江戸時代の農村社会をあげている。
また、武士道が安心社会の倫理観であるともしている。
しかし、そもそも農村社会と武士道は全く異なるもので、
そのふたつが結果的に安心社会の例として持ち出されている点に非常に違和感・無理を感じる。

また、武士道の精神を重んじる人間になりたいと考えて努力している人を否定するような帯文など、
一部の書き方、見出しにも問題がある。
本の売り上げアップを強く意識している為か、武士道や品格という単語を必要以上に悪く書いている。
そういった言葉が持て囃される風潮を苦々しく思っていた方々の注目を集めるという
ビジネス戦略としては正しいのかもしれないが、
商人道であろうと武士道であろうと人の心を操作・教育しようとするやり方がダメなのだ、
という主張なのだから、帯文の『武士道が日本をダメにする』という書き方では誤解が生じる。

武士道精神で商売したらとんでもないことになる、という例もあった。
武士道とは無私の精神であり、大儀のためには全てが犠牲になってもよい、
というような信念で商売をされても困る、という例だったが、それは極端すぎると感じた。
正々堂々という言葉もあるように、
たとえ敵(身内ではない相手)でも背後から切りつけないという考え方も武士道にはあるはずだ。

農村社会が安心社会である点に異論はない。
しかし、武士道を持ち出したのは無理がある気がした。


1)や2)のような違和感を感じたのは、個人を扱う心理実験の結果を社会全体に無理に当てはめようとしたことに原因があるような気がする。
また、著者個人の価値観として、日本の伝統的なものが嫌いだというような意味のことを話している対談を読んだことがあるが、それも影響しているのかもしれない。
逆に私はそういうものが好きなので、特に違和感を感じたのかもしれない。

全体として、個人の考え方についての考察には賛同できるのだが、それを社会全体に広げて当てはめている部分に納得がいかない所が多い。
他人と信頼関係を結ぶべるようになるためにはトライアンドエラーが必要という主張には大いに納得するし、個人としてこれからも実践していきたいと思うのだが。

色々書いたが一読の価値はある。
常識が覆されていく快感を味わってほしい。
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