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いじめの社会理論―その生態学的秩序の生成と解体
 
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いじめの社会理論―その生態学的秩序の生成と解体 (単行本)

by 内藤 朝雄 (著)
4.6 out of 5 stars  See all reviews (10 customer reviews)
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Product Description

内容(「BOOK」データベースより)

“世界のとらえどころ無き欠如”に始まる“全能感のもて遊び”と“集団の祝祭”の追求、“倒錯するタフネス”の変容の果てに具現するいじめ秩序を、心理的構造モデルと社会秩序の循環においてダイナミックに掌握。学校共同体主義の危険を指摘し、いじめ秩序を無化する自由な学校‐社会を原理と政策において探求する。


内容(「MARC」データベースより)

いじめと学校トラウマから自分を解放する初めてのいじめ学誕生。「世界のとらえどころなき欠如」「全能感希求」「集団の祝祭秩序」によるいじめの生態学的秩序生成を示す。

Product Details

  • 単行本: 302 pages
  • Publisher: 柏書房 (2001/07)
  • ISBN-10: 4760120882
  • ISBN-13: 978-4760120888
  • Release Date: 2001/07
  • Product Dimensions: 7.6 x 5.4 x 1 inches
  • Average Customer Review: 4.6 out of 5 stars  See all reviews (10 customer reviews)
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25 of 27 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 良書です!, 2006/11/30
今風の「集団によるいじめ」が起こるメカニズムとその対策が、論理的かつ明確に説明されている。

本書では、いじめという現象が、学校だけでなく、集団内ではどこでも見られる現象であることを示した上で、学校では、本来一人一人が柔軟に調整すべき他人との関わり方が、クラスという密着した仲間関係に強制されることと、市民社会の規範(法律)が学校内には及ばないことで、いじめや暴力が、他の集団では見られないほどエスカレートすることを明示している。

著者は、いじめの加害者達の大半が、損得に敏感であることも考慮に入れ、いじめの応急処置として、
1.暴力系のいじめに対しては(教育機関内部のルールではなく)法システムにゆだねる。
2.コミュニケーション操作系(無視、悪口など)に対しては、学級制度の廃止で対応する。
を提言しているが、これは充分現実的な対策である。

その後に続く、長期的な社会制度改革の提言については、やや観念的過ぎる印象があり、前半の現状分析ほどの鋭さは見られないが、「普遍的に正しい生き方や人間関係のあり方は存在しない」という著者の認識そのものは極めて現実的であり、本書の後半で述べられているドメスティック・バイオレンスへの考察を見ても、著者の提示したモデルが、現実を良く説明できていることが分る。

学校という制度(特に学級制)そのものがいじめの原因になっているとする著者の指摘は合理的で説得力に富むが、残念なことに現在審議されている教育基本法の改定の条文は、教育機関による生徒(だけでなく保護者)の管理を強化するばかりで、基本法改定の狙いが、子供を取り巻く環境の改善とは、別の部分にある様子が伺える。
しかしながら教育の改善を阻んでいる、より根本的な問題は、読み書きそろばんのみならず、子供の心の成長まで、学校に責任を負わせようとる大人達の姿勢にあるのではないかと思う。
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39 of 43 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 自由な社会を構想する希望の書  英訳と海外での出版を希望します, 2006/1/23
By demian (富山県) - See all my reviews
著者はまず国家レベルでの全体主義ではなく、学校や企業、戦前の隣組のような中間集団における全体主義の危険性を指摘します。学校のように個人が自由に離脱参入することが困難な中間集団において全体主義に巻き込まれ、こころをその場の「ノリ」に合わせてゆかざるを得ない状況で何が起こるのかをいじめを題材に取り上げます。この過程でそれまでのいじめに関する議論のあらゆるパターンとその問題点が提示されて行く様は圧巻です。

そして著者は精神科医・中井久雄さんを幼いころいじめていた子供たちが戦争が終わったとたんに別人のように卑屈な人間に生まれ変わったことを希望の論理として受け止め、制度・環境を変更することでいじめを抑止できるのではないかと論を進めて行きます。そこで行われるいじめの状況分析では著者の複眼的な思考が冴え渡ります。人は常に同じ秩序を生きるのではなく、複数の秩序がせめぎ合った状況を生きており、その中でも中間集団全体主義を蔓延させる秩序を破壊することで人々は他の秩序が優位になった中で平和に生きることが可能になること、さまざまないじめのパターンを呼び出す加害者の内面構成と利害関係の結びつきなどが指摘されます。ここで様々な図式が提示されますが、これらの理論モデルはいずれも有効に思えるので、これを元にして日本だけに限らず世界中で事例の分析やいじめ対策、実証研究が行われることを希望します。

また、著者の指摘どおりこれは学校や職場のいじめだけではなくDVや民族紛争にも適用し得る理論と思われるので今後の研究の発展が大いに期待されます。

ところで本の終盤では人が中間集団全体主義に捕われない、自由な社会と教育のモデルが構想されます。これがなんともグッと来る内容で、この本で本当に伝えたかったのはこの部分ではないかと勝手に思っているのでした。
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26 of 29 people found the following review helpful:
4.0 out of 5 stars 学校の暗部を暴きだす重大な論。一般層にわかりやすい描写を!, 2006/1/14
 堅苦しいサブタイトルから想像されるように、この本(に収録された論文)は「学会向け」に書かれている。
 その内容はわざとわかりにくくしているのではないかと思うような特殊用語が頻繁にでてきたり、わかり易くしてるのかわかり難くしているのかわからない図が用いられるなど一般人が読んで内容がすっと理解できるようなものでは決してない。

 そのようなわかりにくさを押しても、この書が明確に暴き出している戦後日本における「学校」というシステムが生み出す不毛で爛れた実態はあまりに重大なものだ。

 この本で最も印象的な一節に
「ムカツクとかキレルといった表現には、子宮の中で胎児がただれてしまってどうしようもないといったニュアンスがある。こういった気分の者たちの未分化な憎悪は、通常の欲求不満やストレスとは質的に異なる。人間が最も残酷なことをしつこくできるのは、こういうただれた胎児の気分を生きる者たちが群れたときだ。」
というものがある。
 わたし自身、学校に通うことによって生まれる「ただれ」にウンザリしてきた。「学校」というものに疑問を持っていた人は、なぜそのようなことになるのか、この書の中に多くの衝撃的発見をするはずである。

 著者の内藤朝雄氏は学生時代そのような「学校」に憤慨して闘った闘士である。学会論文を発表して地位を得ることに汲々とする人物とは到底思えない。
 ぜがひでもこの書は一般向けにわかりやすい言葉を使って書き直してもらいたい。学校の暗部は多かれ少なかれ誰もが体験しているはずである、この書はそれを明確に認識し解決していく為の最初の警発になりうる。ただ表現のわかりにくさの為に内容を汲み取ることが困難なのが残念だ。
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