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魔王〈下〉
 
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魔王〈下〉 (単行本)

ミシェル トゥルニエ (著), Michel Tournier (原著), 植田 祐次 (翻訳)
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商品の説明

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   屈折した性格のため、少年時代から社会にうまく適応できない生活を送ってきた近視の大男アベル・ティフォージュ。ある日、彼は根も葉もない少女暴行の容疑で拘留されてしまう。しかし、幸か不幸か戦争が始まったため釈放。彼の運命は、そのころから急展開を見せる。前線で伝書鳩の飼育係をしていた彼は、ドイツ軍の捕虜となるが、いつしかナチス・国家政治学校の少年戦士のスカウト(少年狩り)役を任されるようになる。

   本書は、名作『ブリキの太鼓』で有名な巨匠シュレンドルフ監督によって映画化されている。主演はジョン・マルコビッチ。著者のミシェル・トゥルニエは1924年パリの生まれで、処女作『フライデーあるいは太平洋の冥界』でアカデミー・フランセーズ賞を受賞。2作目であるこの作品では、1970年度のゴンクール賞を獲得した。

   彼の掲げる大きなテーマの1つは、哲学的な命題をいかにして「文学化」させるかということだが、この作品でも、学友ネストール、盲目の老ヘラジカ、伝書鳩、国家政治学校の少年たち、キリストなどさまざまな「しるし」から現実の中に隠された真実を読み取っていくことができる。最後のシーンは、崇高で神話的でさえある。(石井和人)



内容(「BOOK」データベースより)

ドイツ軍の捕虜となったアベル・ティフォージュ。森と動物になじんだ彼にとって、ロミンテン禁猟区への移動は、さらなる運命の導きとなった。プロイセンの森の奥深く、そこで見たのは帝国狩猟頭ヘルマン・ゲーリングの宮殿。鹿を狩り、ライオンと共に肉を食らうその姿に、人食い鬼たる自らの本質を感じつつ、さらなる太古の世界に向けてティフォージュは旅する…。ついに到達したカルテンボルン城は少年戦士を養成するナポラで、ナチズムの核心を体現する場所であった。ソ連軍の猛攻に崩壊寸前のドイツ第三帝国、その中で死んでいく少年たち、ティフォージュはとうとうしるしの意味を知らされる。20世紀文学において『ブリキの太鼓』とならび不動の位置を占める幻想的戦争文学の傑作。

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5つ星のうち 4.0 読み応えのある本, 2003/10/29
このレビューの引用元: 魔王〈上〉 (単行本)
映画をみて、いまいち主人公の行動が意味不明だったので、原作である本書を読んでみました。

映画でのジョン・マルコビッチの印象が強烈だったのですが、それとはまた違った主人公の底深さや戦争当時の奇妙な雰囲気が面白かったです。ドイツ(ヒトラーユーゲント)への共感など、単純な善悪を越えた話がつづき圧倒されました。また各エピソードの意味や象徴も考えさせるものが多く、豊かな読書体験ができました。

最近うすっぺらい本が多いなぁと思っている人にはぜひオススメです。

特にラストが映画では曖昧だったのですが、原作ではちゃんと解るようにかいてあります。話の最初の部分とつながるようになっていて円環的な神話ともよめました。読了後はため息!
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