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国際報道の場で事実主義を貫いてきたジャーナリスト(古森)、江戸川乱歩賞受賞作家であるとともに左翼知識人の責任を問い続ける歴史家(井沢)、外部から朝日新聞の権威主義的体質を批判している元朝日人(稲垣)の3人が、「朝日新聞」の「自らを絶対正義とする報道体質」を多角的に検証した本である。
「いまなぜ朝日新聞の検証が必要か」。朝日新聞は、これまで戦後民主主義を後生大事に守り、観念的な平和論、言い換えれば「空念仏平和主義」を唱えてきた。そうした巨大メディアの存在が、日本国民の現実認識を妨げる結果を招いた。具体的には、憲法問題の論議を神学論争化し、健全な世論の醸成をむずかしくしている。だから朝日新聞は検証されなければならない、と稲垣は言う。
経済的視点、社会制度的観点から見れば「一私企業の商品」にすぎない「朝日新聞」になぜ目くじらを立てるのか。古森は「朝日新聞はただの一報道機関とか一企業という次元にとどまらず、日本の国のあり方、世界を映し出すカガミとしての機能を果たしてきた」とし、戦後一貫して「日本とか日本人という概念が嫌いだ」という姿勢で、日本のオピニオンをリードしてきた「朝日」の観念的平和主義を、具体的な記事から抽出して批判する。
井沢は、有事法制のような安全保障問題となると日本が「思考停止」状態に陥ってしまうのは、朝日新聞と左翼知識人が唱える現実無視の平和論と護憲論を信奉させられてきた結果であるという。
古森が産経新聞紙上などで中国批判を展開していること、井沢が戦後の歴史教科書を「自虐史観」として批判していること、出版社が『新しい歴史教科書』の扶桑社であることなどから、本書は読まれる前に「右翼」とか「危険なナショナリズム」とかのレッテルを貼られる危険性はある。
しかし、そういう短絡的な決めつけこそが、憲法論議を不毛にし、瀋陽の日本総領事館事件ではからずも露呈されたように、日本人の国家意識を希薄にしてきたのではないか。そんなことを考えさせられる本である。(伊藤延司)
出版社/著者からの内容紹介
この新聞は、日本を一体どうしたいのか!
その報道と論評の実態を、徹底検証する
朝日新聞は日本を代表する有力紙の一つといわれていますが、記事の中身は一体どうでしょうか。共産主義国家を礼賛し、国際協力をしようとする自衛隊の海外派遣に反対し、歴史教科書問題では、中国や韓国にご注進におよび、冷静な議論をさまたげています。朝日の報道は、どこまで偏向しているのでしょうか。本書では、国際ジャーナリストの古森氏、作家の井沢氏、そして朝日新聞OBの稲垣氏が、朝日新聞を徹底検証しています。
内容は以下の通りです。
第1部<朝日新聞の戦後責任>
「親共産主義と反米体質」「憲法と安全保障」
第2部<朝日新聞の巧みな報道手段>
「独特な用語の使い方」「朝日の投稿欄に掲載される方法」
第3部<朝日新聞が描く日本に未来はあるか>
「教科書報道に見るご注進体質」 など