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ハイエク 知識社会の自由主義 (PHP新書)
 
 

ハイエク 知識社会の自由主義 (PHP新書) (新書)

by 池田 信夫 (著)
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Product Description

内容紹介

世界は不平等と不正と混沌に満ちているが、「賢明な政府」が指導すれば、世界は今よりもよくなるのだろうか?
ハイエクが半世紀以上前に論破していた。「不完全な知識にもとづいて生まれ、つねに進化を続ける秩序が、あらゆる合理的な計画をしのぐ」のである。
本書では、市場経済を全面的に信頼したハイエクの思想の今日的意義を明らかにする。
一九三〇年代、ほとんど一人で社会主義・ケインズ主義に挑戦したハイエクは、
サッチャー、レーガン政権が成功したことで、経済学だけではなく、世界のあり方をも変えた。
また彼の思想は、現在の脳科学、法体系、知的財産権、インターネットを理解する鍵を、私たちに与えてくれるのだ。
現実がハイエクに追いつくには二〇世紀末までかかった。
半世紀を経て、彼の思想は、新しい社会秩序のあり方を考える羅針盤として、いま不動の位置を占める。


内容(「BOOK」データベースより)

一九三〇年代、ほとんど一人で社会主義・ケインズ主義と対決したハイエクは、サッチャー、レーガン政権が成功したことで、経済学だけではなく、世界のあり方をも変えた。本書では、市場経済を全面的に信頼したハイエクの思想の今日的意義を明らかにする。彼の思想は、現在の脳科学、法体系、知的財産権、インターネットを理解する鍵を、私たちに与えてくれるのだ。現実がハイエクに追いつくには二〇世紀末までかかったが、彼の思想は、新しい社会秩序のあり方を考える羅針盤として、いま不動の位置を占める。

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63 of 93 people found the following review helpful:
4.0 out of 5 stars 情報ネットワーク時代におけるハイエク再考論―適切な入門書の登場!, 2008/9/7
By TKMT (東京都) - See all my reviews
(TOP 1000 REVIEWER)   
 経済学部で経済学を学んだ学生のうちのどれだけがハイエクの名を知っているのだろうか。たとえば世界的ベストセラーの経済学教科書であるスティグリッツの『マクロ経済学』における第16章「経済体制」が論じられた箇所で、社会主義の実際的不可能論を強調したオーストリア学派の経済学者としてハイエクは紹介されている。体制としての社会主義に内在する問題として「情報収集・処理」の困難を指摘したハイエクの議論は、現存した社会主義諸国の崩壊を鑑みても重要な洞察であり、スティグリッツは実際のところ、ハイエクを「情報の経済学」の先駆者として評価しているわけである(こうしたスティグリッツによる評価は間違いではないが一面的である)。

 本書は、グローバル資本主義やインターネット社会といわれる昨今において、かつては傍流の学者として軽視されてきたハイエクの思想と理論を平易に解説した良書である。学説史的な流れでハイエク論の変遷を位置づけているのも好印象だ(著者自身はハイエク研究者のあいだで議論が尽きない「ハイエクの転換問題」を意識しているのだろうか)。読み進めてみると実は単なるハイエク解説本ではなく、ハイエク周辺に関する該博な(著者の)知識に基づく現代社会との関係性についての示唆に富む諸考察も数多く盛り込まれ、新古典派経済学や社会主義に対する深い批判的論拠を提起したハイエクの意義にも積極的な再評価が与えられている。一読した限りではあるが、本書によってハイエクへの関心が高まる一契機になるのではなかろうか。

 第4章「自律分散の思想」や第5章「合理主義への反逆」などは、後半のハイエク自由主義・自生的秩序論への架橋となる章であり、特に興味深かった。著者は、「価格メカニズムの優位性をもたらしているのは、新古典派的な資源配分の効率性ではなく、知識のコーディネーションの効率性なのである」(74頁)と述べて、ハイエクの「分知」論をいわば「人間知性の構造的限界=根源的無知」とあわせて、全知全能の合理的個人を想定する主流派経済学批判として援用しているが、「資源配分=情報伝達」と捉える新古典派の側からみれば、こうしたハイエクの主張を取り上げるのみでは不十分だろう。彼の「発見的手続きとしての競争」という論文にも言及がほしかった。「計画主義」よりは従来の「集産主義」という概念のほうが、ハイエクの真意をより的確に表明していると思われる。

 とはいえ、第9章「21世紀のハイエク」の最後で述べられている、「情報ネットワークが社会のインフラになる知識社会のあり方を考えるうえでも、情報コストをゼロと仮定する新古典派経済学は何の役にも立たないが、ハイエクは多くの示唆を与えてくれる」(188頁)という著者自身の結論的総括には大筋において賛同したい。冷戦崩壊後、ハイエクを含むオーストリア学派の学説が注目を浴びるようになったが、彼らの議論の意義と問題点を体系的に研究する作業は始まったばかりといえるかもしれない。「好き嫌い」という次元を超えて真摯にハイエクを読み直すことも大切だろう。本書がそのための格好の手引きになることを切に願うとともに、池田氏による本格的なハイエク研究を待ちたい。
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9 of 14 people found the following review helpful:
4.0 out of 5 stars ハイエクって誰?, 2009/5/10
By けるよ (鹿児島県) - See all my reviews
最近ハイエクという名前をよく耳にしますが、自由主義経済を主張した経済学者と
いうことぐらいしか知らず、どういう人なのかよくわかりません。
そこで、とりあえずどんな人かを知ろうと思ってこの本を読んでみました。

読んでみて思ったのはやっぱりよくわからないということでした。
どうもその人となりというか、具体的なイメージが浮かんできません。
とりあえず一般的なハイエクのイメージとしては、
強力な市場主義者で反社会主義者であり、
ケインズと論争を繰り広げ、当時は敗北してしまったが、
後にイギリスのサッチャー首相が彼の本を重用したり、
ノーベル経済学賞を受賞したりとハイエクは時代の主流となり、
その後のグローバル資本主義への流れに先鞭をつけた人という感じです。

ハイエクの思想の根底には不確実性というものがあり、将来の市場の
動向は予想できないため、政府が余計な介入をして市場を混乱させる
ことはやめて、市場の調整機能に任せるべきだと主張しているようです。
完全な知識に基づく完全な市場などありえないと説き、計画経済を否定し、
全てをコントロールできるという官僚の思い上がりを徹底的に批判します。
各個人が断片的な知識を持って行動すると、あたかも社会が一つの計画に
従うような現象を「社会的な心」として市場のメカニズムを捉えるのは
アダム・スミスと同様の考えのようです。
ハイエクはこのような知識の分業という、今日のネットワーク社会を予見
したような考えを提示しており、現代における知的所有権の問題などに
対しても参考になる部分が多いようです。
私の印象としては、ハイエクの思想はアダム・スミスの思想の現代的展開
という感じに思えますが、どうなのでしょうか。

この本では多数の学者や思想家の名前が出てき、多種多様な概念にも触れて
いますが、知らない人にはちょっとついていけないのではないかと思います。
文体は平易ですが内容はそんなにすんなりとは理解できませんでした。
たぶんこの本はハイエクについての入門書というよりは、ある程度の知識の
ある人が全体の中でのハイエクの位置づけを認識するための手がかりとなる
ような類の本ではないかと思いました。
元々この本はハイエクの本を紹介する目的で書き始めたものがどんどん内容
が膨らんでいったということのようですが、ハイエクの実像を掴むには紹介
されているハイエクの著書を読むか、他のハイエク解説本などを読むなり
する必要があるように思います。
著者の言うように、ハイエクの現代的意味を考えるための一助となる本なの
ではないかと思います。
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56 of 94 people found the following review helpful:
3.0 out of 5 stars 格差社会にハイエクは無力, 2008/10/14
ハイエクの生涯、その徹底した自由主義的主張、現在でも語り草となっている経済学の重鎮、ケインズとの論争まで詳細に記しているのは非常によい。全体としては非常に良書だと思うのだが、これほどまでに現代日本社会で『格差の拡大』が騒がれているときに、あろうことか池田氏は本書の中で『もし格差が広がっているのだとしても、一体どうしろというのだろうか』とまさかのブン投げ宣言をしている。これは非常によろしくない、と一個人の視点から思う。知識のある人間が困っている人間に対して『どうしようも出来ない』と言うのでは、一体なんのために学者になったのかわからないではないか。自ら得た知識で貧困にあえぐ人々を何とかしようと思わないのか? というわけで星は三つとしておく。現在日本で進行する新自由主義を批判的に見るための視点を養うもよし、単にハイエクに対しての理解を深めるために読むのもよし、と言う風に突き放して読めるならいいが、池田氏の主張が出すぎているのはやはりマイナスポイントであろう。
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