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著者は前作の『営業マンは断ることを覚えなさい』と同様に、本書でも従来から信じられてきたセールスの「常識」に鋭いメスを入れている。それは「お客さま第一」といって、だれにでも、どんな労力をかけてでも売ろうという考えの誤りを突くものである。
顧客を選別し、囲い込み、上得意客をねらう戦略についてはこれまでにも随分と唱えられてきたが、「イヤな客」(「値切り屋やクレーム魔」など)には売るべきではないと言い切る著者の主張は新鮮で、売ればむしろ企業を弱くするというその論理には目を開かされる。これを、あらゆる営業担当者の原則として提示しているのも注目である。
著者が目指すべきとするのは、「イヤな客」は切り捨て、「顧客」(「あなたの会社の商品やサービスをいつも喜んで買ってくれる人、新しい商品が出たらそれも喜んで買ってくれる人、そればかりか、あなたの会社や商品を他の人に紹介してくれる人」)をつくりあげることである。本書ではそれを、「集客」「見込み客」「購入客」「顧客」の4ステップからなる「顧客化のしくみ」にまとめている。
全体には営業の費用対効果の厳しい視点が貫かれており、コスト感覚が磨かれるのは必至である。営業マンの最大の役割を販売ではなく「情報提供」とした点には、意識改革も迫られるはずだ。具体的な面では、ニュースレターやEメールなどを使った「顧客化」のノウハウや、それを組織全体でフォローする方法も興味深い。売り上げの多寡にかかわらず勝ち残る強い企業の謎が、本書で見えてくる。(棚上 勉)
日経BP企画
イヤな客には売るな!
「売ってはいけないお客」に売っている会社は決して儲からないと著者は説く。相性が合わないお客、商品やサービスを気に入っていないお客に無理矢理売っても、クレームや難しい注文が増え、経費がかさむ。商品やサービスを喜んで繰り返し買ってくれ、ほかの人に紹介してくれるようなお客こそ真の「顧客」。お客を選別し、「顧客化」することが収益向上のポイントだとして、顧客化への道筋を示す。
顧客を増やすには、集客、見込み客のフォロー、販売、顧客化という4ステップから成る「顧客化の仕組み」を構築することが必要という。顧客化したら、記憶から消えないよう、直接顔を合わせる「ハードタッチのコミュニケーション」やダイレクトメール、電子メールなどを使った「ソフトタッチのコミュニケーション」を組み合わせて、定期的に情報を発信する。
顧客はリピート率や新しいお客の紹介数に応じて区分する。リピート率が高く、新しいお客の紹介が多い「上得意客」には、1カ月に1度以上のハードタッチ営業を行うが、「得意客」へのハードタッチ営業は2カ月に1度程度、「一般顧客」は3カ月~半年に1度程度とする。顧客化率は75%程度にとどめ、残りは必ず新規で集客することを忘れてはならないとも説く。
(日経ビジネス 2004/02/02 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
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