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「戦略論」「論理的思考」「21世紀のリーダー」「企業戦略」の4大テーマの下、大前を囲む多数の受講者が繰り広げたディスカッションを収録した1冊。ディスカッションはそれぞれ、講義やテキストの内容を受ける形で行われている。
「戦略論」では、「ハーバード・ビジネス・レビュー」の掲載論文「戦略論の進化」(一條和生 一橋大学教授)などをテキストにして、マイケル・ポーターの産業構造分析(IBV)とジェイ・バーニーの経営資源分析(RBV)の比較を行っている。主な論点は、2つの戦略論が大前の言う「見えない大陸」の時代にどのような有効性をもつかや、それらの手法の強みや弱みは何かなど。受講者それぞれが実務のバックグラウンドに照らし合わせて発言しているため、「戦略論」に対する現実的なスタンスのとり方を探れるのが興味深い。
「論理的思考」では、大前の『企業参謀』をテキストにしている。次の「企業家」と「起業家」、成功する経営者と失敗する経営者の違いなどを論じたリーダー論とともに、大前が長年にわたって唱えてきた「戦略的自由度」や「構想力」などのコンセプトの読解を助けてくれる。
最後の企業戦略では、大前の『新・資本論』をテキストに、「アービトラージの例を挙げよ」「ゴジラ企業はなぜ出現したのか」などの問いに答えている。再販制度に守られた出版業界のビジネスチャンスなど、ビジネスモデルの鋭い分析を展開しており、ここにビジネスのヒントを読み取ることもできる。
多彩な業種・業界の受講者が繰り広げるディスカッションは、質が高く充実している。大前のビジョンやコンセプトをいかに体現できるかを知る格好の1冊である。(棚上 勉)
出版社/著者からの内容紹介
いま、MBA思考が求められている。本書は、大前研一氏と学生との討論から、戦略思考やイノベーション理論など実践的なノウハウを学ぶ。
MBA(経営学修士)に必要なものは何か。ケーススタディを通した財務分析やマーケティング理論なども、もちろん重要なスキルだろう。しかし、時代の転換期にある現在、使い古された事例を研究するよりも、独自のビジネスプランを構築することのほうが求められるはずだ。本書は、オーストラリアのボンド大学のMBAプログラムと大前理論のエッセンスを元に、これからのビジネスに必要な「構想力」をいかに磨くかという観点からまとめられている。
構成は、大前ファンなら誰もが知っている「見えない大陸」や「企業参謀」「アービトラージ」といったキーワードについて学んだのち(本文中「ダイジェスト」)、受講生たちの実践的な解釈や思考法について、読者側も考察を試みられるような流れになっている。MBAの勉強とは、机上の空論に終始するのではなく、自身の起業家への可能性や自社のビジネスモデルについて、建設的な意見を培うものであろう。