第1章「なるほどそうかの心理学」、第2章「わかれば深い心理学」で、心理学的コミュニケーションの妙を紹介し、第3章「攻めと守りの心理学」、第4章「知恵ある会議の心理学」、第5章「上司たるものは、の心理学」で職場や政治家の例を取り上げ、対人関係のコントロール術を解説している。
非言語コミュニケーションの代表とされる「目線」、「あいづち」、「人間(じんかん)距離」など自分の行動が相手にどんな印象を与えるかを明快に説明し、その巧みな活用法を読者に教えてくれる。何といっても、行動レベルのテクニックなので説得力があり、しかも即実行可能なところが魅力だ。
たとえば「“ちょっと”の効用」。簡単には承諾されそうもないことを相手に承諾させるには「気軽な頼みごとをした後、本命の要請をするとよい」のだそうだ。また、進行しづらい会議を抱えているビジネスパーソンには「正面に座る人の言うことを意識すれば会議がリードしやすい」といったように、席順とその裏に隠された人間心理を意識することをすすめ、討論の流れをコントロールできる心理学的裏技を伝授する。
タイトルにあるように「心理学が使える人が成功する」かどうかは疑問だが、職場での「上司」「部下」の関係に悩む人や仕事上でのスムーズな人間関係を築きたい人には必読の書。(青山浩子)
たとえば、相手を説得しようとするとき、いちばん効果的な距離(これを人間[じんかん]距離という)は50センチであるという。また、親しくリラックスして話したいときは、テーブルの角を挟んで、お互いの体が90度になるように座るとよい。逆に人とかかわりたくないときは、テーブルを挟んで対角線上に座るとよいなど、知っているだけでも楽しい心理学の法則が、実際に起こりそうなビジネスシーンにからめて紹介されている。
著者の渋谷昌三氏は、ベストセラーになった文庫『外見だけで人を判断する技術』(PHP文庫)の著者でもある。心理学を面白く読ませる視点と発想は折り紙つきだ。
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