技術の発展に伴ない,この産業機器にも大きな技術変化の波が押し寄せてきた。旧時代の産業機器は一定速度で回転するモーターから動力を得てギアなどにより特定の運動を周期的に得る機械であった。
だが,先端的なメカトロニクス時代の産業機器は運動体の1自由度の運動を直接モーターで駆動制御しながら,これを組み合せ多自由度の複雑な運動と位置を得ている。このメカトロニクス時代,新しい運動系について機械を基礎から理解する事が重要である。
本書はこの分野を学ぶ学生やこの分野の仕事に携わる技術者に対し,動作原理から理論面も含めて基礎から学ぶ事ができる教科書である。内容は4章にわたって理論的な考察を含めながら記載されている。
I編 機械力学の基礎では,質点の力学,剛体の運動の性質と力学。
II編 運動機構の構成法,力学解析および制御では,理想的な1自由度運動機構と力学解析,多体運動機構の動力学解析,アクチュエーターの特性と運動体の駆動法,サーボ機構による精密な運動と位置決めの実現。
III編 1自由度振動系とその応答では,1自由度振動系と自由振動,1自由度振動系の調和,励振応答と機械の設計法,各種の励振入力に対する振動系の応答。
IV編 多自由度振動系では,2自由度系モデルによる1方向運動体の運動と振動,2自由度振動系とその特性。
メカトロニクス時代,ロボットや各種の精密機械が次々に登場している。本書はこうした展開に対応した新しい内容の機械工学を記述しており,この分野で勉強しようとしている学生や技術者には非常によい教科書となるであろう。
(テクロノジ・アナリスト 相良 岩男)
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