それは、「知的財産法は民法の特別法」だからです。
(1) 知的財産法は、有体物を対象とする民法理論の応用です。
「有体物」を対象とする民法と、「無体物」を対象とする知的財産法。対象が有体物であるか、無体物であるかの差であって、知的財産法は民法の応用としてとらえることができます。民法との関連性を意識して勉強すれば、よりわかりやすく、理解は深まるはずです。
(2) 知的財産法に規定がなければ民法規定に頼らざるを得ません。
知的財産法は民法の特別法なので、知的財産法に規定がない場合、その基本法たる民法に立ち返って考える必要があります。このような思考力は、規定を欠く場面にかぎらず、知的財産法全体を通じて、民法との関連性を理解していなければ不可能です。
(3) 民法を勉強しているのに、モッタイナイ!
財産法だけでも724条まである民法を勉強したのですから、その知識、ぜひ活かしましょう。知的財産法の理解のための「ツール」として使わない手はありません。反対に、関連・対比させるからこそ見えてくる民法の基礎知識もあるはずです。
「そもそも民法の知識があやしいのだけれど...」という方も、各章の冒頭では必ず必要知識を丁寧に復習するので安心してください!
なお、新司法試験の選択科目として知的財産法(特許法と著作権法)を勉強する際には、民法の知識を活かせば、知的財産法を勉強する負担を減らすことができます。また、弁理士試験で選択科目として民法を勉強する際に、知的財産法と関連づければ民法の勉強の負担を減らせます。
本書は、このような理由から執筆されました。
本書を読み終えたとき、読者の皆さんにとって「知的財産法」の世界への見方が変わっっていることを願ってやみません。
●有体物と無体物?●知的財産法での「占有」?●無主物先占と知的財産権の発生?●登録制度と効力発生要件?●権利質権と知的財産権担保?●地上権・賃貸借とライセンス契約?●差止請求権と知的財産権侵害?
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