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実際にあった企業再建の事例をストーリー形式にして、人を動かすリーダーシップとそれを支えるコーチングの真髄を描き出した本書。多くのリーダーを見てきたというプロのコーチである著者が、経験から培ったノウハウを存分に披露している。
ストーリーは、父親の後継として急遽、負債500億を抱える会社の経営者となった元銀行マンが、会社再建に向けて数々の試練を乗り越え、リーダーとして成長していくというもの。主人公は壁にぶつかるたびに、リーダーがとるべき行動や心構えについてのコーチングを著者に仰いでおり、その様子も随時、紹介している。
決意を固め、リーダーシップの型を選び、社員一人ひとりの当事者意識を高め、抵抗勢力と闘い…という主人公の一連の取り組みは、変革のリーダーシップのモデルとして非常に参考になる。とくに「安心感で社員を動かす」「政治を起こさずに一対一で向かい合う」「まっすぐに謝罪する」などの手法を、具体的な行動として見せてくれる点は注目である。
また、コーチングのなかで著者が、「軸」を持つこと、「決断から逃げない」ことなど、精神論に終始しがちなリーダーシップのスキルをわかりやすく理論づけている点も必見である。人が動かないと悩むリーダーは、自らのスキルを省みるヒントになるはずだ。
ストーリーでは最終的に、主人公が身につけたコーチとしてのコミュニケーションスタイルが社員一人ひとりに伝播することで意識改革が成し遂げられている。著者による1対1のコーチングだけでなく、この企業変革の手法としてのコーチングを描いているところが興味深い。(棚上 勉)
出版社/著者からの内容紹介
●あなたなら、どうする?
普通のサラリーマンから一転、負債500億円を抱える企業の経営者となった主人公が、会社建直しプロジェクトを試行錯誤しながら進めていく中で、リーダーとして成長していくという実話を教材にして、リーダーに必要な心の持ち方や行動スキルを学んでいく本。
●若手リーダーから経営者まで
やる気のない社員、頑固な年上の部下、つぎつぎと起こる不測の事態…本書に出てくるエピソードは、プロジェクトリーダーから経営者まで、「リーダー」と言われる立場の人間なら身に覚えがあるものばかり。こうしたマイナス要素を解決し、目標達成にむけて部下やチームのメンバーをまとめていくためのヒントが見つかる。
●コーチングのプロが教えるリーダーシップ
本書でリーダーシップの解説を行うのは、主人公をサポートし続けたプロコーチ。コーチとして多くのリーダーを見てきた立場から、人を動かすためにどんなことを考え、どう行動するべきかを30の法則としてまとめている。