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中国 静かなる革命 (ハードカバー)

呉 軍華 (著)
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内容紹介

~官製資本主義の終焉と民主化へのグランドビジョン~
2022年までに中国は、共産党の一党支配体制から離脱する「革命」が起きる!それは民衆の暴動ではなく、共産党自らの手で実現される。民主化は必然なのだ。経済と政治の両側から、中国の胎動を鋭く描く意欲作。


内容(「BOOK」データベースより)

2022年へ準備はすでに始まっている。世界が認める超大国へ、持続的な経済成長を求め、中国共産党が選んだのは、自らの手で一党支配体制を離脱する道だった。

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5つ星のうち 5.0 2012〜2022年は歴史の転換期, 2008/8/9
・読み応えのある中国分析の本。著者は、日本総合研究所の理事で主席研究員の中国人。

・嫌中派なら、チベット問題や台湾問題などで「思い上がり!」と突っ込みを入れたくなる個所もあるでしょうが、それをもしのぐ毒舌?滑舌の良さ?で、見事。国情と筆者の仕事を考えれば、勇気をたたえたい。

・逆に考えれば、これだけのことを書いても、むしろ議論の礎になると歓迎される可能性が十分に高い、というのが昨今の中国事情だ、と受け止めるべきなのかもしれません。著者は、米民主党大統領候補選やブータンの体制以降に関する中国国内向けの報道が微に入り細にうがっていることを紹介しています。

・著者は中国共産党について、「天安門事件と旧ソ連・東欧諸国の激変を受けて、中国共産党が共産主義のイデオロギーを追求する政党から自らの権力維持を至上命題とする開発独裁型の政党に変身した」といいます。

・胡錦濤政権の次の政権メンバーは2012年から2022年の間、共産党関係者など一部関係者だけが富む現在の「官製資本主義」を是正し、報道の自由などに代表される民主化が進展する可能性が高い、と著者は予想しています。専制政治の続いた中国が大きく変わる歴史の転換期とというわけです。

・なぜなら、中国共産党は「本格的な政治改革に踏み切らないかぎり、これまでの経済成長と社会安定に大きく寄与した改革開放路線の維持が困難な状況に直面している」からだそうです。

・著者によると、言論の自由や、自由な情報交換・情報チェックの保障、法整備、政治制度面のフォローなどが今も不十分だから、金融や情報通信などの新興サービス産業が伸びない。経済成長のためには、猛烈に高い貯蓄率は仕方なく、資本集約型の重化学工業に向かい、設備投資は増え、雇用なき成長をもたらし、エネルギー多消費型成長となった…。

・外需依存や設備投資依存型の成長では危なっかしい。政策で設備投資を抑制させれば、膨れあがる貯蓄が経常黒字の拡大を招く。だから、消費主導型に切り替えねばならないが、それには雇用の拡大が必要で、そのために必要なのは…と続いていきます。

・平たく言えば、“昔と同じことをやっていては、はっきり言って、もうだめなんだ!胡錦濤だって十分分かっているはず”という本です。「現行の共産党政権も実質的には王朝交替の延長線上にできあがった政権であり、農民革命によって作られた政権である」。しかも「中央集権型の専制的な政治システムは、すでに2000年以上の歴史を有している」から、民主化の過程はかなりの苦労を伴うだろうが、欧米型とは違った中国風の民主主義が根付く、というのが著者の見方です。

・著者によると、胡錦濤政権の次のメンバーたちは、欧米で学んでいる世代だし、イデオロギー闘争の一環だった文革の悲劇も身を以て知っているから、時代の趨勢を理解しているはずだ、というと言い切るなど、1人当たり国民所得の大幅増加も今後も期待できるため、2020年が1つのヤマ場、という見方です。
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1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 中国の自律的な政治改革を予測, 2009/9/23
■ケ小平が掲げた改革解放、社会主義市場経済の方針に沿って経済成長を実現してきた中国が、この先どうなっていくのかというテーマについて、日本をベースとして活躍する中国人経済学者である著者が分析・予測を試みている。

■結論としては、第5世代のリーダーに代替わりする2012年に政治改革が始動し、政府と公務員が利益を最も享受している現在の「官製資本主義」から、民需主導で、表現の自由がより保証される方向への政治改革が2022年に向けて実現するという見方を示している。経済学者らしい定量的な分析に加え、日中を行き来する中で実際に著者が感じている第5世代リーダーの特徴なども加えた分析で大胆に中国共産党の自律的な政治改革を予想するシナリオには説得力がある。ターニングポイントは胡錦濤が国民取得3000ドル達成の目標としている2020年になるだろうとのこと。

■将来予測にいたるまでに、何故天安門事件の後に中国の政治経済が安定を保っているのかにつき分析している部分も興味深い。ソ連、東欧が急激な民主化で混乱に陥ったのを見て、中国の知識層は共産党一党支配による「安定」を望んだというのが著者の分析。

■リーマンショク以前に書かれているが、著者の予想よりも恐らく一足早く、中国は第二次産業中心、外需依存から、第三次産業を伸ばしいかに内需主導経済に切り替えるかを迫られている。中国の政治経済を見る際にどこに注目すべきかを教えてくれる良書。


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17 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 1.0 中国への「愛」ゆえか、議論は粗雑, 2008/10/6
共産党の一党独裁体制が保たれたまま社会主義計画経済が「自由化」された結果、「官僚金儲け主義」が形成されたという議論はいまや常識に属する。その分析は本書より何清漣『中国現代化の落とし穴』の方がはるかに優れている。そのゆえ、持続的な経済発展が達成可能になるためにも、中国の未来は「民主化」にかかっているといい、それが数ある「中国経済論」の中でも本書を特異な位置においている所以だが、一体「民主化」とは何か。共産党指導部は「民主化」の必要性を分かっており、中国で「静かなる革命」が始まっているというのであれば、この「民主化とは何か」の定義問題をまず明確にすべきではないか。この最も肝心な点を欠落させたまま「革命が始まっている」と言われても全く腑に落ちない。「中国への愛」は随所にうかがわれるが、感情で本を書くべきではない。
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