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「人口減少経済」の新しい公式―「縮む世界」の発想とシステム
 
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「人口減少経済」の新しい公式―「縮む世界」の発想とシステム (単行本)

松谷 明彦 (著)
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日経BP企画

「人口減少経済」の新しい公式
 「人口減少社会」のあり方を研究する著者は、今後仮に出生率がかなり向上したとしても、人口の減少、特に労働力人口の大幅な減少は避けられないと指摘する。しかしこの傾向は、「経済規模のわりには貧しい国民生活」という日本が抱えてきた根本問題を解決する好機であると言う。

 人口減少社会の下では、生活者は自分自身で生涯を設計し、それに基づいて消費と貯蓄、労働と余暇の計画的配分を心がけるという新たなライフスタイルへ移行すると指摘。そのために我々は何をなすべきかを論じていく。

 まずは冷静に現状を分析する。これから半世紀で日本人の人口は4000万人減少するという予測や、労働人口の構成比の推移などを示し、経済成長率が最低となる時代を具体的に描く。しかし、これらを見越したうえで「人口減少経済」のメカニズムを理解すれば、企業や地域社会が生き残る方策は必ずあるというのが著者の主張である。キーワードは「スリム化」と「多様化」だ。生産の機械化などによる省力化は根本解決にはならないとし、必要なのは売上高の拡大ではなく、多様な付加価値を、多様な個人に提供できる「付加価値率の向上」であるとする。政府や地方自治体に対しても、早急なスリム化の必要性を訴えている。


(日経ビジネス 2004/07/12 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)



出版社/著者からの内容紹介

戦後日本が初めて経験する人口減少は、経済社会に規模縮小にとどまらない多様な変化をもたらす。人口増加のエネルギーを失った日本が向う先は? 個人の生活から企業経営、政策まで、縮む世界の発想と行動様式を示す。

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5つ星のうち 4.0 政策担当者必読の書, 2004/8/19
 今後の人口減少社会での経済・社会の動向を、豊富なデータを用いて解説している。深く味わうには、若干のマクロ経済の知識が必要だが、とにかくお勧めである。巷にあふれるエコノミストの安っぽい未来予測本や、学者の現実から遊離した議論とはクオリティーが全く違う。なんといっても一番の長所は、著者自らがシミュレーションを行い、将来の人口、所得、投資等を推計した上で議論を組み立てているところ。おかげで、地に足の着いた議論となっている。
 もはや将来の人口減少を織り込まずに政策を立案してはいけない。政策担当者は襟を正して読むべき。

 あえて注文をつけるならば、付録という形ででも、シミュレーションを裏付ける経済モデルやバックデータを提示して欲しかった。そうすれば、自分で様々な角度から追加的な分析を行い、人口減少社会に関する理解を深めることができたと思う。

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5つ星のうち 5.0 大づかみにものを考えるために, 2004/8/15
最近でこそみんな気づいてきたが、つい4~5年前まで、例えば不動産の購入にしても「もうじき日本の人口は減り始めるんだよ」という事実を考えにいれず話を進めてしまう人が結構いた。不動産の購入のような直接的なことでさえそうなのに、まして人口が減り始めて一体何が起こるのか。その問いに対し「少子化対策やっとくれ、年金は厳しいかなぁ、まぁ日々の生活とはそれくらいしか関係ないし考えるのが面倒だからやめとくか」という思考停止を起こしてしまう人は私も含めて結構多いのだと思う。

本書は、そんな「人口が減る社会」である21世紀の日本経済について、企業経営、地域経済、マクロ経済の動向、財政政策への示唆などについて、1980年代からの日本の足取りを踏まえてシミュレーションし、その中でありうべき人々の生活について論じた書である。

本書の現状分析に関しては、特に企業経営の評価(資本装備や人件費の分析)などにおいて「えっ?」と思う人も多いと思うし、そのように直感的な理解とは相当食い違いがあることも書いてあり、また将来の想定については、無論一定の仮定を置いているので、どこまでこれが正確で、どこまで自分の持っている経済社会観と整合的であると評価するかどうかについては、読者ごとにかなりのずれがありうると思う。多分20年後に読んだら、やっぱり違ったじゃないか、と思う部分も相当あるのではないか。しかしながら、人口動態という相当の確度で予測可能な事実を元に、これだけ自分の人生にかかわる幅広い事柄に関し将来のシミュレーションができること自体は、上記の「思考停止」を打ち破り、自分なりの将来観を形成し、これに基づき生活や投資などの個別行動戦略を策定するという、マクロ的な思考の糸口になりうるもので、その意味で非常に知的に刺激的な書であると思う。

まさに人口減少時代に突入するこのタイミングにおいて、ぜひお勧めの書である。

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5つ星のうち 5.0 すがすがしい切れ味, 2005/4/22
人口が減少する減少すると大騒ぎしているが、人口が減少すると何が問題になるのか?それに対してどのような対処を行うべきなのか?をすがすがしいほどに徹底的に数字で語る本。

最大のポイントは人口減少をポジティブに捉えよう、という態度にある。

巷間では人口の減少についての悲観論が垂れ流されている状況だが、筆者は丁寧に、かつ分かり易く、心配することないし、むしろ本質的な意味での豊かな生活を実現するチャンスなのだよ諸君、としている。

著者は語る。国の豊かさとは何だろうか?一人当りのGDP?一人当りGDPで見ると日本はフランスやドイツの2~3倍だ。しかし日本人がフランスやドイツに比較して2~3倍豊かな生活を送っていると言われれば多くの人は違和感を感じるはずだ。つまり、一人当りGDPを高めても豊かな生活は送れない。豊かさを求めるときにGDPを高める政策は根本的に間違っている・・・。

そしてその豊かな社会を実現するための最大のポイントは、計画的な生産規模の縮小だとして、ここに生産量の拡大を戦後推し進めてきた日本企業に本質的な戦略転換が求めらる難しさがあるとする。

つまり、人口が減る→市場が縮小する→生産稼働率が落ちて不況になる→だから生産規模を減らせばよい→余暇時間が増える→ラッシュや自然破壊も減る→豊かな社会が実現する、とまあこういうロジックなのだが、うーん、ちょっとあまりにマクロ経済学的な数字での切れ味に頼りすぎている気もするが・・・。

とはいえ、やっぱり本て勉強になるんだな、と久しぶりに感じた本であることは間違いない。オススメです。

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