Publishers Weekly
著者であるアーサー・レビットは米証券取引委員会(SEC)の委員長をもっとも長い期間務めた人物で、1990年代後半のインターネット・ブームの時期に株式市場を監督していた。アメリカの労働者が、株やミューチュアルファンドに数十億ドルをつぎ込んでいたこのころ、ビジネス界は、収益のほとんどをため込むための戦略を編み出し、それはますます不透明になっていった。レビットは平易な言葉でその戦術を明らかにすると同時に、ミューチュアルファンドや株式市場にどうすれば賢く投資できるかについて、詳細に述べている。
彼のアドバイスは、明らかに規模の小さな個人投資家に向けられたもので、年次報告書から不法行為の手がかりを見つける方法、プレスリリースの読み方、信頼できる情報源からより多くの情報を引き出す方法が述べられている。その中に織り込まれているのが、レビットが監督していたSECの会議室で行われた議論の記憶である。エピソードの多くは、マーケットとそのたくらみのポイントを説明するためのものなのだが、その中の一部は、しばしば失敗や挫折について述べていて、妙に弁解がましい。とくに、最近の企業スキャンダル(エンロンやアーサー・アンダーセンなど)が、どこから始まったのかについて述べている部分では、無関心な議員、特別利益団体、貪欲なCEO、そしてなにより怠け者の投資家にすべて等しく責任を負わせようとしており、これら企業経営者の行動を犯罪行為とみなすことを避けようとしていることが明らかに見て取れる(つまるところ、彼らの多くが、レビットの友人や同業者なのだ)。
最終章では、株の注文が出されてから買われるまでの詳細(「配管に注意しよう」)や、年金プランの構成(「あなたの401(k)を好調にする」)といった実践的で役に立つ助言に戻る。その中でもとくに「見せかけの利益に気をつけよう 財務報告書の読み方」は、読む価値がある。レビットによる「ミニMBAコース」は、彼が生涯かけて築いたコネクションについては抜きにするとしても、株式市場にわずかでも投資している人にとって、必読の書である。
Copyright 2002 Reed Business Information, Inc.
--このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
内容(「BOOK」データベースより)
実名をあげて、その闘いを描いた衝撃の内幕!「SEC委員長としての八年間、私は公正な市場を目指し、ひたすら走った。相手が一流企業のトップであれ、政財界の大物であれ、信念を曲げることはなかった」。誰が市場を歪めているか。
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