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われ巣鴨に出頭せず―近衛文麿と天皇
 
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われ巣鴨に出頭せず―近衛文麿と天皇 (単行本)

by 工藤 美代子 (著)
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Product Description

内容(「BOOK」データベースより)

新発見の外交文書などを通して、葬り去られた昭和史の棺の重い蓋が、いま開かれる。一挙書き下ろし770枚。敢然と毒をあおぎ「米国の法廷」で裁かれることを拒絶した華族筆頭の矜持。「弱い人」が命を捨てて守ったものとは…僕の志は知る人ぞ知る。

内容(「MARC」データベースより)

敢然と毒をあおぎ巣鴨行きを拒絶した「弱い人」近衛文麿。「米国の法廷」で裁かれることを拒絶した華族筆頭の矜持が、命を捨てて守ったものとは…。新発見の外交文書等から、葬り去られた昭和史の棺の重い蓋がいま開かれる。

Product Details

  • 単行本: 435 pages
  • Publisher: 日本経済新聞社 (2006/07)
  • ISBN-10: 4532165636
  • ISBN-13: 978-4532165635
  • Release Date: 2006/07
  • Product Dimensions: 7.5 x 5.6 x 1.5 inches
  • Average Customer Review: 4.2 out of 5 stars  See all reviews (11 customer reviews)
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23 of 26 people found the following review helpful:
4.0 out of 5 stars もうひとりの天皇としての貴種・近衛を描いた書, 2006/8/20
By 冬野紫 (東京都) - See all my reviews
近衛文麿、名誉回復の評伝。
マッカーサーから憲法草案作成への協力まで要請されていた近衛が
なぜ一転、戦犯になったのか。
著者はその原因をマルクス主義者の都留重人とH・ノーマンが、
木戸幸一の責任を軽くするため近衛を陥れたとする推論を展開する。
近衛が共産勢力の拡大を危惧する上奏文を提出していたことから、
ソ連の標的とされたのか、ここは実におもしろくつながるが、
推測の域を出ない部分も多く、検証不足という点は否めない。
著者はノーマンの評伝も書いているから、
この点をもっと詰めてほしかったと思う。

新発見の戦略爆撃調査団の尋問書も期待したほどの内容ではない。
ただ、近衛の人間性がよく現れている文書ではあり、
他者を貶め自分を優位に置こうとした形跡などないことから、
近衛がいかに戦後の歴史の中で「弱い近衛」として歪められていったかはよくわかる。
その意味で重要な文書であることには相違ない。

尋問書の発見は今年3月ということなので、
そもそも著者が書きたかったのは、天皇と近衛の関係なのだろう。
近衛自殺後、天皇がいった「近衛は弱いね」の言葉の真意を、
天皇と近衛の特殊な関係性から浮き彫りにすることには成功している。
華族の意味を実感できなくなった現代において、
はっとさせられる視点である。
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5 of 6 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 今、見直すべき戦前・戦中史, 2007/6/6
近衛家は藤原鎌足から繋がる天皇家の補佐役である五摂家の筆頭という名門中の名門であり、近衛文麿は公家の弱さを背負いつつ、戦前・戦中の首相を何度も務めた人物というのが、(自分を含めた)一般人の歴史認識ではないかと思われる。
白洲次郎関連の書籍を読み、「歴史は生身の人間が作るもの」と再認識し、本書にも興味を感じた。戦後60余年を経過し、戦前・戦中は遠くなってしまったが、新たな史料の発見もあり、今こそ当時の歴史を再発見・再確認すべき時期に来ているように思われる。

特に本書では、日本の首脳が米国との開戦を避けようとしたにも拘らず、結局避け切れなかったという歴史的疑問に対する答と、支那事変、三国同盟、南進政策に微妙な影響を与えたソ連のコミンテルンの関わり等、日本の外交に比べたソ連外交及びインテリジェンスの巧妙さを改めて知る機会となった。

極めて人間的・心理的な側面としては、昭和天皇を巡る東条英機、木戸幸一と近衛文麿との微妙な距離感が興味深く、それらもまた日本の歴史を大きく変えた一つの要因と考えると、あまりに生々しいドラマである。

最後に、戦犯に対する評価・評定も人間が行うものであり、それに各々の思想・信条が大きく影響し、中でも共産主義者が至る所で重要な役割を果たしていたことは、今となっては隔世の感があるが、それが当時の状況であったということも極めて興味深い。いずれにしても、昭和史を見直してみるには必読の書と思われる。
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24 of 34 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 近衛公擁護論, 2006/8/5
近衛文麿は仮に自ら命を絶たなかったとしたら東京裁判にかけられていただろうし、現在に至っても近衛の責任については評価は確定されていない。
そうした中で本書は、近衛の戦争に至る過程での対応を否定的ではない見方で捉え、戦時中の近衛が如何に終戦に向けて熱心に動いたかを描写している。
日経の人物史に関しては、昨年リリースされた三木武吉の人物史「誠心誠意嘘をつく」で相当がっかりさせられたが、本書は転じておススメである。
公家筆頭の嫡子に生まれ、一般に優柔不断な面が強調されているきらいのある近衛だが、本書ではそうした近衛像とは違った近衛を見て取る事ができると思う。(ただ本書が描写している近衛像の見極めは大切)
最近、東条英機肯定論が出ている。陛下に対して忠臣であった側面は否定しないが、彼が戦前に行なった高圧的な愚策と独り善がりに肯定されるべきものは何らない。
一方、近衛に再評価の余地があるのは確かだ。
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