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オーケストラの経営学
 
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オーケストラの経営学 (単行本)

大木 裕子 (著)
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商品の説明

内容紹介
大賀典雄氏(ソニー相談役・東京フィルハーモニー交響楽団理事長)推薦!
「ステージ上の華やかなオーケストラには、人に夢を見せ、感動させる力がある。本書では芸大出身の元・楽員という経歴をもつ異色の経営学者が、オーケストラの力の根元を分析することで、組織の『統制』と『創造』を引き出す術を明らかにしている』

オーケストラでは、個性豊かなメンバーたちが指揮者のもと一糸乱れぬ統制をみせ、「至高の芸術」といえる音楽を創造しています。きびしく統制すると創造姓が失われ、創造性を重視するとバラバラになってしまうのは組織のジレンマですが、オーケストラではそれらがあたりまえのように両立されているのです。
本書ではオーケストラを会社と同様の「組織」ととらえ、経営学的に分析することで、オーケストラの「組織としての強さ」の秘密を明らかにしています。タクトをわずかに動かすだけでただの「音」を「音楽」に昇華させる指揮者のリーダーシップの秘密や、フラットな組織でありながら強固な結束を保つ楽員のセルフ・マネジメントの方法などからは、ビジネスパーソンに有益なさまざまなヒントが得られるはずです。
本書の筆者は、東京芸大でヴィオラを専攻し、一時オーケストラ楽員として活動した後にMBA、博士号を取得、大学の准教授になったという経歴をもつ異色の経営学者。自らの経験や多くの取材を通じて得たオーケストラの秘密を、経営学を用いて鮮やかに解き明しています。
もちろん堅苦しい分析だけでなく、オーケストラ楽員の年収や恋愛観、指揮者のギャラ、音大に行くコストなど、意外と知られていないオーケストラの秘密も満載。本書を読めば、オーケストラ通になれることも請け合いです。

内容(「BOOK」データベースより)
オーケストラを経営学の視点から解説。指揮者のリーダーシップの秘訣とは何か。一般の会社員と比べると経営に関する常識があるとは言い難い楽団員のモチベーションを保ち続ける組織構造とはどのようなものか。そして、なぜ人々に感動を与える「至高の芸術」を創り続けられるのか。こういった問題に答えることで、オーケストラに直接携わる人だけではなく、企業で働くすべての人に有益な示唆を与える。

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6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0 演奏家としても中途半端、経営学者としても中途半端, 2009/1/20
By 海太郎 - レビューをすべて見る
(TOP 1000 REVIEWER)   
残念ながら、著者には繊細さがないようだ。

例えば、「のだめ効果」という言葉を使うのであれば、『のだめカンタービレ』が出版時点で映画化されていないにも係わらず「映画化もされた」(p.33)などと大間違いをすべきではない。資料の原典に当たっていないことがすぐに分かってしまう。(ちなみに映画は2010年正月に公開予定)

基本的に2004年の「オーケストラのマネジメント」の焼き直しと思料するが、同著でも感じたが、結論の導出が恣意的なのである。データを挙げてはいるが、それらを適切に分析して合理的に導かれた結論ではないので、かなり乱暴な論旨となっている。

感覚やイマジネーションに重きを置いた音楽演奏家が、データを緻密に分析して論理的な作業が要求される学術の世界に興味を持つとどうなるか。

その答えが本書である。
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6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0 面白いけれども、既存の枠組みを超えない議論, 2009/1/11
徐々に衰退していくクラシック音楽市場を支える一角のオーケストラの経営について、元楽団員で経営学の勉強をされた方が、軽妙なタッチで述べた本。

オーケストラの人材(主に音大生)がどのように供給されるのか、オーケストラの顧客獲得戦略、オーケストラの組織の(楽団員による)マネジメントといった点をうまくまとめておられ、大変読みやすい。音楽マニアには食い足りないところもあるだろうが、それは、オーケストラの「経営学」を語ろうとした本なのだから、これで良いと思う。

でも、欠陥が1つ。普段あまり聞くことがないオーケストラの舞台裏に触れたという意味で、内容は面白いけれども、今あるオーケストラという枠組みを超えない議論であることである。つまり、クラシックという音楽文化の裾野を拡充するためのマーケットサイドの色々な取り組みを明示的に議論しているわけではない。トライアル層、リピーター層などと分けているが、消費のパッケージがサプライサイドに偏っている。だから結局、実際のところ、だれがコンサートに来て聞いているのか、だれがその楽団のCDを買っているのかのここ数年の変化はよく分からない(実際、コンサートには行かずとも、CDだけはわんさと買う人々もいるし、そういう人もある特定のオーケストラだけをご愛顧しているわけでもない)。

こうした変化を踏まえなければ、つまり、市場の性格が変わっていることを踏まえなければ、あまり有意義な議論はできないように思える。

もちろん、ホールで音楽を聞かせるのが理想だが、売り込むメディアは数多ある。タイトルが経営学とはいえ、市場についての考察は、この本で議論されている範囲でいいのだろうか。i-pod全盛で音楽のバラ売りが主体の時代に、顧客をつきなみな音楽愛好家だけと考えたり、競合を他のオーケストラとするだけのマーケティング戦略の考え方で解決の糸口は見えるのだろうか。ふつふつと疑問がわいてきた。

そして、オーケストラ側のマネジメントに対する筆者の提案も同様である。プロの楽団員の持つ知識の共有化をどう図り、個人の枠を超えたよりダイナミックなイノベーションを生み出せるかがカギだといっておられるようだが、オーケストラのメンバーはこれまでも色々と取り組んできたのではないか。楽団員と指揮者の間で色々なプログラム(演目)を考え、オーケストラの能力を少しずつ拡大してきたはずである。楽団員の技術は暗黙知が多いと片付けるのは早いような気がする。例えば、色々なオケの演目を時系列で見るだけでも、各オーケストラの取り組みの跡が見られるような気がする。こうした努力がなされても、なぜまだ問題が解消されずにいるのか、もっと突っ込んで書いて欲しいと思った。

いずれにしても、筆者のオーケストラへの愛情は伝わってくるが、残念ながら、この本を読んで一般のビジネスでの創造性について大きな示唆を得られるわけではない。筆者には申し訳ないが、逆に既存の枠組みを超えられない難しさがひしひしと伝わってきてしまった。アップルのi-podにmp.3プレーヤー市場を席巻されてしまったソニーの元トップが、同書について「組織の『統制』と『創造』を引き出す術を明らかにしている」と推薦文を書いているのが最大の皮肉でもある(この元トップは個人的に好きだし、すばらしい方だと思うけれども)。

最後に、それなりの伝統を持つ東洋経済という出版社が、こうした経済学や経営学で読み解くという柔らかなシリーズを出す時代である(個人的には新書向きの企画だと思うが)。だから、筆者の言う「知の転換」をもっと別の次元で問い直される必要性を感じた。つまり、組織内の知だけではなく、外部市場における知の転換、さらに、その両者の知のインタラクションによる変化を問うことが大事なのだと思う。音楽マーケットは大きく変わってきていると思われるからである。
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18 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0 タイトルに偽りあり, 2008/10/31
By hiroshi (千葉県浦安市) - レビューをすべて見る
長くクラシック音楽を聴いてきたので、オーケストラの経営はどうなってるのだろうかと本書を手に取ったが、期待外れだった。前半はオーケストラをめぐるよもやま話ではあるが目新しくはない。また、コストはかかるが経済的には報われないことを数字をあげて説明しているがこれも周知の事実だろう。クラシックファンなら誰もが知ってるトスカニーニ、フルトヴェングラー、カラヤン、小澤征爾のプロフィル紹介は紙面の無駄だ。第4章と第6章でようやく経営戦略らしきことが述べられるが大学の先生が書いたとは思えない分析の浅さと大雑把な論旨に驚いた。オーケストラ経営のゴール(目標、成功)とは何か、という基本命題を定義しなければこの議論を進められないと私は考える。オーケストラ経営のフレームを提示し、事実とデータの丹念な蓄積と分析を通して、あるべきオーケストラ経営を提唱していただきたかった。
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