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巨大銀行の消滅―長銀「最後の頭取」10年目の証言
 
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巨大銀行の消滅―長銀「最後の頭取」10年目の証言 (単行本)

鈴木 恒男 (著)
5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

無罪を勝ち得た今こそ語る破錠の真相。世界金融危機を生き抜く教訓がここにある。


著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

鈴木 恒男
1942年宮城県生まれ。65年東北大学経済学部卒業。同年日本長期信用銀行入行。大阪支店営業第三部長、企画部企画室長、審査部長を経て、92年取締役事業推進部長(新設された不良債権処理専担本部の初代部長)。その後、営業企画部長(国内融資業務の統括)。95年常務取締役(営業部店担当)。98年8月副頭取・頭取代行。同年9月頭取。長銀の国有化(特別公的管理)に伴い、同年11月解任。現在、会社顧問(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 343ページ
  • 出版社: 東洋経済新報社 (2009/1/16)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4492395083
  • ISBN-13: 978-4492395080
  • 発売日: 2009/1/16
  • 商品の寸法: 19 x 12.8 x 2.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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5つ星のうち 5.0 金融危機の実像が見える, 2009/2/2
By mor (東京都文京区) - レビューをすべて見る
 息を呑む迫力である。大企業の破綻過程を当のトップ自らの筆でこれほど克明に分析し公開した書は他に例を見ないだろう。破綻原因の究明や処理の適否などを感情を抑えた筆で冷静に記述しており事実の重みを感じさせる。分かりにくい金融問題の実態を局外者にも理解できるよう明快に整理した手腕も見事だ。
 長銀の破綻は長銀自身に原因があることは本書の記述からも明らかである。が、同時に本書を通じて行政や政治の姿や銀行事業の特質などが自ずと見えて来る。護送船団行政から自己責任制へ急転換し銀行を追い込む行政。参院選の敗退で浮き足立ち、選挙区民への説明しやすさだけで巨額の国民負担を伴う銀行破綻の道を選ぶ政権党。無責任な雑誌の一片の広告文だけで追い詰められる、市民からの信用に存立を依存する、銀行という事業の脆さなど。
 長銀の破綻は長銀だけの問題ではない。金融危機の具体的実像がここに示されている。
 時あたかも世界的金融危機である。この一書は現在金融界で起きている事態の本質を把握する上で必読と云って過言ではなかろう。
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3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 政局が第1の民主党とマスコミに踊らされた長銀の苦悩, 2009/8/1
 1995年に破綻して国有化された日本長期信用銀行「長銀」の最後の頭取による貴重な回顧録。頭取になって3ヶ月で、前頭取らは逮捕、自らは民事訴訟の被告になるも、9年の裁判を経て全員無罪を勝ち取っている。

 バブル以前は金融行政の監督により新しい取り組みができなかったのに対し、バブル崩壊後はすべてが変わった。自己保身に走る大蔵省、政治家、民主党による金融行政の政局化、グローバル化による貸し渋りと貸し剥がし、検察・司法の無知、崩壊を喜ぶかのように書き立てるマスコミ、踊らされる国民。

 結果として長銀は生け贄にされ、国策として潰された。バブル以前の経営を事後法で裁くような裁判は、ひっそりと無罪で収束した。

 10年前の日本は狂ったように金融の自由化を叫び、問題はすべて裁判で片付ける自由競争社会を目指して突っ走った。この新自由主義をもう一度問い直し、長期的な信頼と安定を求める日本型経営を見直すべきとする著者の意見は真摯に受け止める必要があろう。
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6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 戦後日本ターニングポイントの重要な証言, 2009/5/5
圧倒的な著作である。

高度成長期以降、プラザ合意、バブルとその崩壊から長銀破綻までのプロセスが、
まさに、その流れの中にいた人の視点で克明、詳細に描かれる。
強く印象に残った点を2点述べたい。

まず1点目として、
長銀破綻が、個人の力ではどうしようもない、大きな流れであったということだ。
長銀は、高度成長期以降、日本の産業構造の転換によって変革を迫られ、
プラザ合意がそれに追い打ちをかけ、他の金融機関と同様、不動産投資に邁進していく。
大蔵省・日銀の危機対応策の欠如もあり、最終的には世論、政治により、長銀は破綻する。
マスコミが述べるように、不良債権を隠蔽、処理の先送りをしていたわけではなく、
当事者たちは、その時々に、真摯に最良と思われる行動をとっていた。
しかし、高度成長期終了後に迫られた収益減の開拓、
市場自由化、官僚主義、政局、世論という非常に大きな流れ・構造の前に、
なすすべもなく、崩れ去った。
それぞれの主体がそれぞれの(組織の)利益に従って行動する。
また、マスコミが無責任にあおり、政治が世論に動かされる。結果、破綻する。
ここに、ギリシア悲劇のような運命を感じざるを得ない。

2点目は、著者が非常に中立的かつ真摯に本書を執筆している、という点である。
著者は、雑誌に事実無根の記事や、唐突なビッグバンや様々なミスといった行政の不手際など、
当事者として様々な感情をもつだろう出来事に対して、
私憤に陥ることなく、保身のための記述をすることなく、徹底的に個人的な感情を排除し、淡々と描ききっている。
このことが、本書の凄味を増すとともに、価値を高めている。

本書は、戦後日本のターニングポイントを、冷静な視点で鮮明に描ききっている。
今直面している経済危機について考える上でも、有益な示唆を与えると思う。
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