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ローマ帽子の謎 (創元推理文庫 104-5)
 
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ローマ帽子の謎 (創元推理文庫 104-5) (文庫)

エラリー・クイーン (著), 井上 勇 (翻訳)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介
衆人環視の劇場の中で、突然、死体となって発見された、正装の弁護士。シルクハットが紛失していることを唯一の手掛りに、苦心惨憺たるエラリーの活躍がはじまる。その名前を一躍、推理小説界のスターダムに押しあげて、ヴァン・ダインと名声をきそわせるにいたった処女作。さすがエラリーの推理は、後日あるを思わせる本格推理の名編。


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5つ星のうち 3.0 モダンクラシックの粋は楽しめるかもだ, 2006/9/19
エラリー・クイーンの処女長編にして、名探偵エラリー・クイーンの登場編でもある本作。発表年が1929年である。まだまだ禁酒法下にあったN.Y.。カポネが悪名を轟かす、St.バレンタインデーの虐殺が行われ、10月には、大恐慌の引き金となる株価大暴落が発生するなど、時代背景をちょっと抑えておくと、情景をイメージしやすいかも。

ミステリ界において「読者への挑戦」というスタイルが初めてとられた作品と記憶してる。が、提示されている情報は、必ずしもフェアではないようなものがチラホラとあるが、「雰囲気を楽しむ」というところで割り切ってしまって良いかもしれない。

なんてったって、劇場に赴く正装にシルクハットが必須の時代なのだ。
劇的に生活様式が変化した時代。科学も大発展を遂げている最中であり、が故に、ミステリ的にはある種の「なんでもアリ」感に満ちた時代である。黎明を過ぎた直後、まさにさんさんと朝日が輝く時代の本格推理の躍動感は十分に味わえると思う。
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0 ローマならぬ「エラリー」は1日にして成らず。, 2009/5/15
記念すべきエラリー・クイーンのデビュー作にして国名シリーズの第1作、そして誰もが知ってる「読者への挑戦状」も本書で初めて挿入されている。

ローマ劇場である夜、芝居の上演中に客席で正装の紳士が殺された。被害者は警察に以前から目をつけられていた悪徳弁護士で、奇妙にも被害者が被っていたはずのシルクハットが紛失していた。一体犯人はなぜシルクハットを持ち去らねばならなかったのか...というのが本書の内容で、そのシルクハットが紛失した謎や犯人が劇場を犯行現場に選んだ謎に解答を与えることで犯人を絞り込む論理は見事の一語に尽きる。

ただ、この殺人1件だけで物語を最後まで引っ張るには冗長すぎる。退屈といってもよい。それと、本書ではクイーン警視の方が主人公のようで、エラリーはそれを助ける脇役のような印象を与える。本書ではまだ、その後のシリーズ展開を見据えたキャラクターづくりや役割づくりがキチンと確立されていなかったのかも知れない。そこが初作の難しさというところだろうか。

とはいえ本書のヒットが後の傑作群を生む原動力になった訳で、そういう意味で本書は極めて重要な作品だと思う。
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5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0 最初の「読者への挑戦」, 2009/3/17
《ピストル騒動》を上演中のローマ劇場の観客席で、悪徳弁護士が毒殺された。
彼は、複数の人間をゆすっていたらしく、その口封じが犯行動機と考えられる。

当時劇場には、観客、俳優、舞台スタッフ合わせて五十人以上の
人間がおり、誰もが犯行を行うことが可能、という状況だった。

エラリーは、被害者のシルクハットが紛失している
ことを唯一の手がかりに、推理を構築していく……。



クイーンの記念すべき処女作にして、《国名》シリーズの一作目。

さすがに一作目なので、のちのシリーズ作品と
比べると、論理構築に切れがないのは否めません。

また、実質、シルクハットの謎だけで長篇を
牽引しているので、冗長のようにも感じます。

枝葉を刈り込み、短篇とは言いませんが、中篇の分量にまで
ブラッシュアップすると、スッキリすると思うのですが……、

ただ逆に、一見過剰にみえる部分にこそ、その
作家の本質が宿っているのかもしれません。


さて、本作がデビューとなるシリーズ探偵のエラリーですが、事件の解明を済ますと、
犯人逮捕と《解決篇》はクイーン警視に委ね、メーン州へと旅行に行ってしまいます。

随分素っ気ないようにも感じますが、作者は当初、エラリーとクイーン警視を役割分担
させていく《バディもの》として、《国名》シリーズを構想していたのかもしれません。


また、個人的に印象深かったのは、犯人を特定したにもかかわらず、決定的な
証拠がないため、逮捕に踏み切れないという場面でのエラリーの大胆な提案。


本作より後に発表された作品で、物語の時系列的には本作より過去にあたる
『ギリシア棺の謎』を読んでいると、その提案には感慨深いものがあります。
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