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スロー・ラーナー (ちくま文庫)
 
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スロー・ラーナー (ちくま文庫) (文庫)

トマス ピンチョン (著), Thomas Pynchon (原著), 志村 正雄 (翻訳)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

『重力の虹』など、現代アメリカ文学史上に聳える三つの傑作長篇を発表後、十余年の沈黙ののちに作家自身がまとめた初期短篇集。「謎の巨匠」と呼ばれてきたピンチョンが自らの作家修業時代を回顧する序文を付した話題作。ポップ・カルチャーと熱力学、情報理論とスパイ小説が交錯する、楽しく驚異にみちた世界。新装版刊行にあたり解説二本を収録した。


著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

ピンチョン,トマス
1937年5月8日ニューヨーク州ロング・アイランド生まれ。主な著書に『重力の虹』(73年、全米図書賞受賞)などがある

志村 正雄
1929年東京生まれ。東京外国語大学および鶴見大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 317ページ
  • 出版社: 筑摩書房; 新装版版 (2008/7/9)
  • ISBN-10: 4480424563
  • ISBN-13: 978-4480424563
  • 発売日: 2008/7/9
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 1 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (1 カスタマーレビュー)
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5つ星のうち 5.0 「線形性問題」停滞中「情報エントロピー」増大中レヴュー, 2008/12/17
物理学専攻者のピンチョンの作品は難解と、良く言われるが
物理学を基礎から学び直して、読んで見ればそれ程でも無かろう。
大体、大学の一般教養課程レヴェルで良いだろうし、高校物理程度でも
割かし、読めるもんだ。

取り合えず、『エントロピー』について。

閉鎖系と開放系の話。上の階のカリストの部屋が前者、下の階のマリガンが
引越退去祝いの馬鹿騒ぎを遣っている部屋が後者。時代設定は1957年2月。
場所はワシントンDC。「情報エントロピー」が最も小さくなっている部分は
カリストが一緒に暮らしている女の子オーバードに、「熱力学」を口述筆記させている
部分、と言うよりも、その内容の部分。

例えば

「マキアヴェリのように彼は『ヴィルトウ・能力』と『フォルトウナ・運命』の
支配力は、まず五分五分であるとした。しかし、この均衡状態が今、出鱈目な要因を
導入した為に、確率は押されて、何か、言いようも無い、不定の比率となり、
彼はそれを計算するのが怖いのである。」

システム・トレーダーは怖くはないし、どんどん計算しちゃう。
「机上の計算」等と呼ぶカツオドリ阿呆船長もいるが、そんな奴なんぞ
御構い無しに「検証」を続行。randomness の導入の御蔭で儲けられる事が
判っているので、確率が50%に為らない事は「実に喜ばしき事」である。
参考文献としてはNNタレブのFBR日本語版『まぐれ』を参照。

また、トレーダーにとっての「均衡状態」と言うのは「相場の死」を
意味する。「マーケットの熱死状態」。マーケットが均衡に向かうか
と思うと、突然07年夏のような「大馬鹿騒ぎ」が
始まる。で、大儲け。また、ノイズが減少して均衡に向かうかと思っていると
08年夏にまた、突然「大馬鹿祭後夜祭」。で、また、大儲け。
その繰り返し。

『ロケット工学投資法』等が、典型的だが、経済現象を「工学メタファ」で
語ってみても、理科系インテリの戯言。物理現象としての「ノイズ・雑音騒音」と
言った音響工学的な概念と「マーケットの『ノイズ』」と言うメタファの混同。
売買「シグナル」についても

「信号」対「ノイズ」

と言う「通信工学」的なコンテクストの中での理解。場合によっては「誤解」だが、
「誤解」でも『まぐれ』で儲けられる。マーケットは別に、マーケットの外部の
人間に対して「トン・ツー」のモールス信号を打っている訳じゃない。

ピンチョンの本作と逸れまくりだが、情報エントロピー増大中。
例えば、今私の書いた事の80%以上はノイズ。詰まり「戯言」である。
もう、お気づきの通り、情報理論的な意味での「ノイズ」と言う
概念を、敢えて、取っ払って書いてみました。
バロック・クラシック・ジャズと言った音楽部分の理解には
楽理論の知識が必要。しかし、「おれ理論は、全くダメだから。」
と言うデュークと同様、私に「理論」を語らせても「長嶋茂雄が
野球を語る」のと似たり寄ったりになる。だから、全部「戯言」の
様に「聞こえる」。

村上春樹的な「静けさ」と言うのは、カリストの部屋の中の「人工生態系」の
ようなもの。レイモンド・カーヴァのようなミニマム文学の「景気の悪い」日常的な
暴力性が提示されて、本作は終わる。

・・・最後にあらゆる動きがなくなるだろう。

続きはまた書く。
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