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自閉症―これまでの見解に異議あり! (ちくま新書)
 
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自閉症―これまでの見解に異議あり! (ちくま新書) (新書)

村瀬 学 (著)
5つ星のうち 2.7  レビューをすべて見る (10件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

自閉症児の特徴は、「変化への抵抗」「同一性の保持」という点にみられる。数、暦、地図の発見は人類が作り出した三大叡智であるが、「順序」や「配列」が損なわれるとき、人は誰でもある程度のパニック状態になる。自閉症児の「おそれ」の根には、こうしたメカニズムが働いていることがみて取れる。彼らとわれわれは決して断絶しているのではなく、むしろ同じ地平に立っている。これまでの自閉症=特殊論に異議を唱え、この生のあり方が誰にも共感でき、理解できるものであることを主張する。

内容(「MARC」データベースより)

自閉症児とわれわれは決して断絶しているのではなく、むしろ同じ地平に立っている。これまでの自閉症=特殊論に異議を唱え、この生のあり方が誰にも共感でき、理解できるものであることを主張する。

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5つ星のうち 1.0 著者の見解に異議あり、ですね。, 2007/5/30
自閉症は記憶のやり方に特殊性をもつ知的障害のバリエーションに過ぎない、という説を展開する本。だから、自閉症だからといって特別扱いすべきではない(暗にTEACCHを批判)し、フォーマルなトレーニング=「訓練」もふさわしくない(暗にABAを批判)し、さらには社会は自閉者のありのままを受け入れ、山下清などに代表される彼らの特殊な才能に敬意を払うべきだ、といいます。
第一の問題は、そのような「何もしないで受け入れる」という関わりかたが、真に自閉症者の幸福の最大化につながるのか、ということですが、それはまずはおいておいて、内容について。

論旨がハチャメチャで話題が飛びまくり、内容が薄いのに読むのに非常に難儀しますが、それでも何とか読み進めていくと、著者の主張のベースには、要は非常に古臭い、自閉症への精神分析アプローチへのノスタルジーがあり、そういった古い立場を駆逐しつつある、TEACCHやABAといったより科学的なアプローチへの反感から、「異議あり!」という申し立てをしたいのだ、という構図が浮かび上がってきます。
出たばかりの書き下ろしの本のはずなのに、引用されるのは1960年代、70年代といった信じられないほど古い文献ばかり。この辺りからも、本書の主張が相当に時代錯誤的であることが透けて見えます。

自閉症への効果的なかかわり方がどんどん具体的に実現されつつある現在、かつては成り立っていた、「よくわからないけど何となく受け入れてかかわったつもりになる」という療育のあり方はもはや居場所を失っています。そうやって、何十年か前のかつての居心地のいい?居場所を失った著者の「異議あり!」という声は、もはや現に自閉症児者にかかわり、必死に働きかけを行なっている「現場」の親御さんや療育者に届くことはないでしょう。
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18 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0 期待して読んだだけに残念, 2008/9/8
ここ数年の自閉症関連の出版物は
当事者&家族の書いたものの他では 医学&医療サイドから見たものが多かったけど
この著者は知的障害者の福祉施設に長く居た人なので
この本は福祉寄りの(しかも、かなり古くさい)視点で書かれてる

著者の主張は
・自閉症ったって ただの知的障害なんだから 別枠で考えるなんてナンセンス!
・そもそも昔は『自閉症』なんて云う概念は無かったけど 幸せにやってたじゃん
・治療とか 訓練とか プログラムとか スキルとか 言わなくたって 普通に生活させればいいんでしょ
・世の中が『ありのままの障害者』を受け入れさえすれば おーるおっけーじゃん
ってかんじ
ぇえ〜〜〜?
中世以降の先進国で 障害者をありのままに受け入れていた社会なんて
いつ、どこに有ったって言うの???
それに 障害のある人の人生の質を最大化させるには
医学的な見地(治療や訓練を志向)も 福祉的な見地(援助を受けながら生きることを志向)も
どちらも大切だと思うんだけど
この著者は 治療や訓練に批判的
確かに、素人が医学的な見地に偏ってしまうと
身近な障害者に 人生の大部分を『治療』と『訓練』に費やさせてしまうような過ちも 起こりうるけど
だからって 最新の理論を採用しないのも 当事者の能力の可能性を潰すことにもなるんじゃない?
この人の考え方には現実味を感じられなかった

『世の中』と『障害者』の関係性に関する主張では
・広域に行動範囲を広げる知的障害者も多数居るので その点を考慮した『教育』と『福祉』が必要
・触法者が出ると「障害者を隔離せよ」という世論が起こるけど そんなことでは何の解決にもならない
ってな事を言ってて その点は 納得

ちなみに 著者の『自閉症者』の概念には
『高機能(アスペルがータイプ)』は含まれていません
『高機能自閉症(アスペルガー症候群)』なんてのは 医学界のただの流行り だとでも思っている様子

諸々併せて 星2つ ☆☆

【追記】
若い読者の中には
この著者のスタンスの何が問題なのか
また、それについての議論が これまでにどうなされてきたのか
わからない人もいる事でしょう
その辺りについて分かりやすくまとめた本があります
障害は個性か―新しい障害観と「特別支援教育」をめぐって
第1章だけでも読んでみて!
分かりやすく、また、第2章以降も現実的で実践的で参考になる事でしょう
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57 人中、35人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 1.0 結局、何が言いたいのか, 2006/7/11
 自閉症患者に良く見られる症例として取り上げられる「特定の分野についての異常なまでの記憶力」について、著者は電話番号の記憶術などと対比して人間に普遍的なものであることを説きます。
 しかし、「個人史を把握することなく自閉症患者を症例に当てはめることにこだわる」として学説を批判したり、「そのような学説を援用し既存の『医療・福祉』の枠組で患者を処遇している」と行政を批判し始めるあたりから雲行きが怪しくなっていきます。この後、著者は自身の体験談として遠方へ電車で出かけたがる患児に付き添った例を挙げ、さらにその類例として山下清の放浪談とレッサーパンダ帽を被って女子大生を刺殺した自閉症患者とおぼしき犯人の放浪癖について2章にもわたって触れています。そこで「もし犯人の養護学校時代に周囲が犯人の放浪癖を理解していれば、彼の行動範囲を把握でき別な結果があったかもしれない」と述べているのを見て、ここまで引っ張ってきて言いたかったことはそれだけですか、と思わず突っ込んでしまいました。
 結局、「自閉症患者には、先験的な判断にとらわれることなくただ寄り添いなさい」というメッセージ以外何も受け取ることはありませんでした。もちろん、親御さんや施設職員さんのご苦労を無視するべきではありませんが、それは体験談のような本から得ることができるはずで、本書のようないやしくも研究者が書いた本はそれとは別の役割があるはずです。
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