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「おろかもの」の正義論
 
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「おろかもの」の正義論 (新書)

by 小林 和之 (著)
4.4 out of 5 stars  See all reviews (12 customer reviews)
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Product Description

出版社/著者からの内容紹介

 本書は、「正しさ」について考える・初級編です。脳死・臓器移植、死刑、南北格差、環境危機などの現実の問題を題材として、絶対的な権威に頼ることも、開き直って力に訴えることもなく、価値観の異なる他者とよりよく生きていくには、具体的にどうするのが「正しい」のかを述べています。初級編ではありますが、刺激的であると感じる人も多いようです。「脳死が医学的に人の死であろうとなかろうと、法律で人の死とすることもしないこともできる」「われわれの社会は、自動車の利便性と引き替えに、人がひき殺されることを容認している」などの認識は、残念ながらまだ常識的な見方になっているとは言えないでしょう。前者は規範の性質についての初歩的知識、後者は問題のシステム的把握の基本から簡単に導かれることなのですが。本書をお読みになれば、合理的な判断ができる人ならそれらのことに納得していただけると思います。
 なお、本書の公式ページを設けました。手始めに、「正しさ」について考える能力を'市民としての教養'として論じた拙稿「哲学はオタクのご託か」を掲載しました。これは、筑摩書房のPR誌『ちくま』2005年1月号に掲載されたものです。掲載を快諾いただいた筑摩書房に感謝いたします。
 今後は、本書にいただいた感想へのコメントを掲載することも計画しています。ご興味がおありでしたら検索してみてください。


内容(「BOOK」データベースより)

あらゆる権威は失墜し、そして誰も「絶対の正義」など信じなくなった。「正義」の名の下、憎悪が戦火を拡大する時代だ。だがそれでも、人は「正しさ」なしでは生きてゆけない社会的存在である。では、聖人には程遠い「凡愚」たる私たちは、「正しさ」について何を語りうるのか。本書では、脳死・臓器移植、死刑、愛国心、民主制、環境破壊と南北格差など具体的問題を素材に、価値観が鋭く対立する他者との間に「約束事としての正義」を築きあげる道筋を示す。現代の突きつける倫理問題をみずから考え抜く力を養うための必読書。

Product Details

  • 新書: 253 pages
  • Publisher: 筑摩書房 (2004/12/7)
  • ISBN-10: 4480062092
  • ISBN-13: 978-4480062093
  • Release Date: 2004/12/7
  • Product Dimensions: 6.8 x 4.2 x 0.6 inches
  • Average Customer Review: 4.4 out of 5 stars  See all reviews (12 customer reviews)
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5 of 5 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 「正義」についての本, 2004/12/16
「正義」って何なのだろうかという事が書いてあります。
でも、これが「正義」だ!とか、これが「正しい」事だとかいうような、
いわゆる「解答」は書いてないです。
この本は「正義」について考えるきっかけを与えてくれます。
色々の具体的な例も挙げて、「正義」について考えることをこの本は試みています。
近頃、「正義」について考えさせられる事件もたくさん起きていることも手伝
って、私には大変参考になりました。
引力の法則を人々が知らなくても、人は窓から飛び出せば落ちます。
しかし、「正しさ」は人々が考え、議論してはじめて効力を持ちます。
というところから著者は出発しています。
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8 of 9 people found the following review helpful:
4.0 out of 5 stars 「正しさ」の考え方, 2004/12/18
著者は冒頭で、「悪」を滅ぼすものとしての「正義」を『暗黒的正義観』と呼んでいます。
このような消極的な「正義」は、「悪」を滅ぼすことによってしか存在することができない虚しいものでしょう。
それに対して、積極的に「正義(正しさ)」を基礎付けることは困難です。

本書で著者は、前半で著者の考える「正しさ」の考え方を説明し、後半では死の定義(脳死)、選択の自由
死刑などいくつかのテーマを、編集者が惚れ込んだという著者の<肉声>で論じ、問題点を浮き彫りにしています。
「子供を作るという選択に対する課税」という一風変わった考え方も。

なお、著者のWebサイトで著者のいくつかの論文がpdfで閲覧できるので
興味のある方はまずそちらを覗いてみるとよいかもしれません。

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3 of 3 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 詭弁を看破する本, 2008/6/1
By goge (山口) - See all my reviews
 思考停止の対極にある内容の本です。
 利害の衝突、価値観の衝突があるときに、どうすれば良いのか。
 その様な場合は、とりあえず自分の主張を通す事に最善を尽くし、相手の利益の実現の程度は、相手の力量次第で自分には責任は無い、と相手の立場に目を向けないのが世間一般の対応だと思うのですが、どうしてそんな態度は不味いのか、この本はクリアに説明しています。

 互いの生命が掛かった様な対立の場合は、どうするのか。綺麗ごとなど言っていられないだろう、命は何よりも尊いんだから、と考える場合も、命の価値の源泉について、クリアに説明しています。

 「思想」が書いてあるわけでは無く「思考法」についての本なので、本の中で取り上げられている問題について信念が固まっていると、読みにくいかもしれません。

 正直、自然科学系の本以外で、これ程面白い本を読んだ事がありませんでした。(自分の読書量なんてたかが知れてますが。)
 あたりまえの事を平易な文章で分かりやすく示せるというのは、本当に凄いです。著者の方は本当に頭が良いですね。
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