本書の特徴は、リスク許容度や資産配分を決める簡単な考え方と計算方法を具体的に提示している点にある。取れるリスクの上限を決めて資産配分をしましょう、ということは理解できても、具体策まで考えるのが面倒で、資産運用や投資そのものを見送っている人も多いはずである。本書では、その具体的な方法を明らかにしているので、面倒が大嫌いな人にもおすすめだ。また、たとえ面倒でも、理論的な説明がないと信じられないという人のためには、巻末に補足解説が載っている。
本書で書かれている「運用について知るべき考え方のエッセンス」は、そう難しいものではない。また、本書は個別の金融商品に関する解説書ではなく、投資に対する普遍的な考え方をまとめた本なので、一度理解すれば、それぞれが応用して、自分のスタイルを確立させていくことも可能である。
著者は、国内外のさまざまな金融機関を経て、現在、三和総合研究所金融本部主任研究員と企業年金研究所顧問を兼務している人物。ごまかしをせず、断言するところはきっぱりと断言しながらも、ユニークな表現を兼ね備えた文章は非常に読みやすい。
「商品選択は、1にリスク、2にコスト、3、4がなくて、5に好き嫌い」。こんな調子のアドバイスは、楽しく頭に入ってくるに違いない。(朝倉真弓)
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