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「経済人」の終わり―全体主義はなぜ生まれたか
 
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「経済人」の終わり―全体主義はなぜ生まれたか (単行本)

by P.F. ドラッカー (著), Peter F. Drucker (原著), 上田 惇生 (翻訳)
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   経営学の「神さま」として知られるP.F.ドラッカーの実質的な処女作で、初版は1939年。「本書は政治の書である」とはじまる初版本への前書きは鬼気迫るものがある。
 「ファシズムとナチズムがヨーロッパの基本原則を脅かす存在であることを知るがゆえに、私は全体主義についての通常の解釈や説明を受け入れるわけにはいかない」「したがって私は、全体主義について、意味のある的確な解釈と説明が必要であると考えた」と、本論ではファシズム台頭の背景を分析。そして宗教が、知識人が、政治家が、これにどうかかわり、何をして何をしてこなかったかを、知識と理論を武器に正面から斬り込んでいく。
   一方で全体主義国家での産業、食糧、所得などの変化を克明につづっている。
   これが著者20代の思索と知ると驚くばかり。読むものに緊張を強いるほどの真摯な筆致で、学問の神髄を感じさせてくれる1冊だ。
   ドラッカーが本書で浮き彫りにした問題の多くは、世紀をまたいでなお持ち越されている。全体主義の指導者原理(225ページ)と、それに熱狂する民衆の分析は、そのまま現代のカルト教団やテロ組織にあてはまるし、「大衆の絶望」「虚無主義への逃避」といった危うい状況を安易に払拭するためのカリスマ待望論も聞こえはじめている。
   密度が濃く、読み解くのは骨だし、重い荷物を負わされた気分になる本でもあるが、「われわれ全員の人生が、あの時代の影響を受けた。われわれはいまだに『何が起こったのか』ではなく、『どうすればあの事態を防ぐことができたか』を考えている。過去を説明することよりも、過去を再現させないことに心を奪われている」から始まる1969年版序文を読むだけでも、この本の価値は十分にある。そしてこの本は「あの事態を防ぐこと」のできる読者に育つように強烈なメッセージを放っている。(松浦恭子)


内容(「BOOK」データベースより)

全体主義の問題は、依然として解決してはいない。第一次世界大戦後、ファシズムが台頭した原因と、その経済社会的背景を鋭く描いたドラッカーの処女作。

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10 of 12 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 魂をゆさぶる書, 2005/11/30
By marumasa (東京都) - See all my reviews
ドラッッカーが前世紀最大の経営学者だということはよく知っていたが、その処女作が経営学の本でないということは、ちょっとした驚きだった。しかしなによりも驚かされたことは、この処女作の完成度の高さだ。私はこの本を読んで、ドラッカーは経営学者として一流だが、政治学者としては、さらに上なのではなかろうかと思ったのだった。これほど素晴らしい政治学の本を私は読んだことがない。資本主義と共産主義の対立の中での全体主義の起源について書いた本だが、現代社会においても古びることが全くないことに驚愕せざるをえない。
魂を揺さぶる本である。この書に出会えて、本当に良かった。
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5 of 6 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 1939年出版のピーター・ドラッカー処女作, 2008/3/27
By tomomori - See all my reviews
(TOP 500 REVIEWER)   
内容については「商品の説明」の通り。ファシズム・ナチズムのメタナラティブ的分析としては最初の本だそうです。「20世紀初頭のウィーン生まれ」と知ってドラッカーにぬるい興味を持っていたのですが、二十代でこんな本を上梓する一種天才肌の若者だったとは驚きです。
ファシズム・ナチズムは現在「産業」化していますから、バッタもん本もずいぶん出回っています。マルクス主義史観のファシズム論は読んでも時間の無駄ですし、「民族性」に言及する歴史語りは三流と相場が決っています。各国の思惑が絡んだきな臭さを感じることもしばしば。Goldhagenの『Hitler's Willing Executioners』を英米メディアが持ち上げたのは、EUの盟主たる統一ドイツへのアングロサクソンの嫌がらせじゃないのかとか。しかしバッタもんに神経質になるあまり名高い著者の本を手に取ると今度はやたらハードな読書体験になったり。アーレントの『The Origins of Totalitarianism 』など一般人が読めば「こんな長くて難しい本を読むつもりでは…」と泣くことになります。
本書は大変に読みやすい一冊。マックス・ウェーバー、ヴィルフレード・パレートといった学際主義的社会生態学を手本にしたと言うとおり、著者の複眼的視点が大変に有難い(政治経済、社会思想、宗教といった大テーマから同時代の体験談も交え)。著者の宗教に対する視点は殊に痛切です。社会主義も資本主義もあの状況ではナチズムに対抗する力は持ち得なかった。何故ならそれらこそが絶望の根源だったのだから。本来的には、ナチズムに対抗する力を有していたのは宗教だけだったのだと。同時に、著者は近現代社会における宗教の限界を認識してもいます(宗教は個人を救済しても集団は救済出来ない)。コンセンサス不在の混沌とした分野ですし、一般読者が一冊だけ選ぶのならば本書が最適ではないかと思いました。
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5 of 6 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 価値観の崩壊, 2003/3/17
By A Customer
人間の普遍的なものとされている価値観の崩壊の隙間に
魔物が忍び込むという意味において、例えば紛争、戦争、
止めがたい強い民衆の流れが発生してしまう。
そしてそれは民主主義の中から起こる。
大変興味深いお薦めの一冊です。
第一次大戦から第二次大戦にかけての分析は
現在の状況へのヒントになるのではないでしょうか。
古さを感じない作品です。
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5.0 out of 5 stars すばらしい本です
すばらしい本です。第一次世界大戦後の欧州で、全体主義が
興隆していく様を、見事に書いてあります。同時代人としての
著作であることにも、驚かされます。... 続きを読む
Published on 2005/3/13 by t-kudo5

5.0 out of 5 stars すばらしい本です
すばらしい本です。第一次世界大戦後の欧州で、全体主義が
興隆していく様を、ものの見事に書いています。同時代人として
この書がかかれた事にも、重ねて驚... 続きを読む
Published on 2005/3/13 by t-kudo5

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