サッカーは世界中に普及しているのに、なぜ野球は米国と中米諸国、極東のスポーツにとどまっているのか。サッカーは当初、英国人の海外在住者によって、その後は地元のビジネスエリート層によって普及していった。サッカーでの交流は、単にスポーツ面での利益を超えて、商売の円滑な遂行を後押しした。サッカーの普及は、英国の膨大な貿易や投資を通じた結びつきや、それに伴って英国文化を諸外国に広めるという価値観の延長線上にあったのである。
一方、野球はナショナルリーグが構築した組織体制の拡大という形で普及した。閉鎖的に、商業的な成功を目指して発展してきたため、国際的には広がらなかった。その代わり、野球は規制のない独占市場で運営されていることで、儲かる体質となっている。
野球にはファン層の維持・拡大という大きな課題があり、サッカーには切迫した財政危機がある。最終章ではサッカーが野球から、野球がサッカーからそれぞれ学ぶべき教訓を整理する。
(日経ビジネス 2006/04/17 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
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