日経ビジネス
日本経済の「弱点」を再認識 本書の提言は、日本経済が持っていると思われていた「優位性」を根本から問い直すことから始まる。成功産業については、成功要因よりむしろ「なぜ今伸び悩んでいるのか」に焦点を当て、実証研究する。また、多くの研究者が見落としていたという「失敗産業の事例」についてのケーススタディーを子細に行った点も大きな特徴だ。
『競争優位の戦略』などの著書があり、戦略論研究者として名高いハーバード・ビジネススクール教授マイケル・E・ポーター氏を中心としたチームが8年を費やしてまとめ上げた。研究チームは、例えば「強大な輸出国とあがめられてきた日本において、新たな輸出産業がほとんど育っていない」状況を危険な兆候と見なす。1980年代以降、印刷機械や印刷用インクといった産業以外、主要輸出産業において世界輸出シェアを獲得した例がないことを統計で示している。その上で、日本型経済を理想として発展を目指した国々の競争力の読み方にも、同様の視点があてはまると指摘している。
「政府への課題提言」の章では、貿易の自由化促進、大学制度再構築などに加え、非生産的な内需型産業の淘汰など厳しい施策を示している。
(日経ビジネス2000/5/8号 Copyright©日経BP社.All rights reserved.)
出版社/著者からの内容紹介
およそ10年にわたる克明な調査を基に、競争戦略論の大家が、通説を覆す日本と日本企業のための競争戦略論を提示する。