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新薬誕生―100万分の1に挑む科学者たち
 
 

新薬誕生―100万分の1に挑む科学者たち (単行本)

ロバート・L.シュック (著), 小林 力 (翻訳)
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

100万分の1とも言われる医薬開発の成功確率。この可能性に賭け、見えない航路を目指す医薬品研究者たち。膨大な時間と人と英知をもって生まれる奇跡の薬。知られざる製薬開発の現場を詳細な取材から描き出す、プロジェクトXの製薬版!
世界的に有名なブレークスルー薬、7つの開発物語。


目次
第1章 エイズと闘う――ノービアとカレトラ
アボット
第2章 心の病から人生の再出発――セロクエル
アストラゼネカ
第3章 本物に勝った人工インスリン――ヒューマログ
イーライリリー
第4章 喘息の辛さを救った薬――アドエア
グラクソ・スミスクライン
第5章 奇跡のバイオ医薬品――レミケード
ジョンソン・エンド・ジョンソン
第6章 癌治療の扉を開く――グリベック
ノバルティス
第7章 世界一の薬はこうして生まれた――リピトール
ファイザー


内容(「BOOK」データベースより)

成功確率が限りなくゼロに近い医薬品の開発。この可能性に賭け、見えない航路を目指す研究者たち。膨大な時間と人類の英知から生まれた薬は、多くの人の命を救った。七つの奇跡の薬がいかに開発されたか。知られざる製薬開発の現場を詳細な取材から描き出す。

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8 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 勉強になった, 2008/8/11
本書はプロのノンフィクション作家が、膨大な人にインタビューして書いた点が(回想記のようなものが多い)今までの新薬開発物語と違う。それから、患者が登場しているのもよい。糖尿病患者でヒューマログを注射しながらミスアメリカに輝いた女性、また、承認前の臨床試験に参加できなければ死んでしまうとノバルティスCEOに直訴の手紙を書いた白血病患者、など。また、学会発表のあと死が迫る患者から殺到する電話に対応した製薬会社のオペレーターの話も印象深い。

本書には個性的な人が大勢登場する。経営陣にプロジェクトを認めてもらうために、プレゼンで土下座をした研究者には驚く。今日本の製造現場では、こういう人がいるんだろうか。上司、会社の方針が絶対である管理主義について考えさせる本である。また、開発中の抗体医薬がこけたバイオベンチャーの章もすごかった。株価が10分の1になり、資金繰りが悪化、従業員を5分の1まで減らしていくときCEOが脳腫瘍になるが、彼が進めたものが死後にブロックバスターになる。科学技術以上に、研究者たちの意欲が大切であることがよくわかる。
難を言えば、当たり前だが7章ともインタビュー、エピソード中心の、似た流れ、構成になっている。私は勉強のつもりだったから良いが、小説と違って一度に全部読もうとしたら飽きると思う。
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17 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 内容は良いが、一般向けでないのが残念, 2008/7/8
【要約】新薬の研究から開発までの流れを、(良くも悪くも)プロジェクトX風に書き上げた本。

【読みどころ】世界の名だたるブロックバスターの研究・開発の経緯を浅く知ることが出来る。特に、プロジェクトの困難(毒性・物性・予算・経営陣との交渉)を、苦労しつつも1つずつ乗り越えていく様は非常に痛快である。私は企業の研究者だが、この本からブロックバスターのぶつかった障壁を知り、どんな薬にも障害はつきものであることに勇気づけられた。そして、研究者の熱い思いや研究に対する自信が重要であることを再認識できた。

【問題点】しかしながら、私が星5つをつけなかったのは、この本の難解さが理由である。内容は平易なのだが、製薬業界特有の言葉がちらほら見られるため、高校生などには不向きである(例えば、薬の『研究』と『開発』の違いが分からない人には不向き)。一応用語には説明があるが、2度目以降はほとんど断りがない。またプロジェクトがぶつかった問題について、どういう問題なのか、なぜ問題なのかが理解できないと、この本の面白みが半減してしまう点も残念である。

【その他】
・対象は、製薬企業研究者、国立の薬学部生、製薬企業に勤めたいと思う人などが最適であろう。最も適しているのはおそらく製薬企業研究者。
・日本語訳は良い。原著に忠実でありつつも日本語として読めるレベルであろう。
・日本人はほとんど出てこない(2〜3人に対し、わずかな記述がある程度)。

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7 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 「薬の底力」を確認, 2008/11/7
最近は薬害や副作用、医療費の高騰から来る「薬不信」の風潮があります。
たとえば、過去10年間で高齢者の肺癌治療にタキサンと胸部CTが導入されました。これらは高価なのですが、結果はみえにくいものです。伸びた平均余命は18日にしか達しません。余命1年延ばすのに403,142ドル(約4千4百万円)もかかる計算になります。(Cancer. Published online October 22, 2007)
そういうなか、明らかに人類に貢献した薬があります。こういうブレークスルー薬を7種類あげています(個人的にはリピトールは除外したいですが)。
つまり、アボット社のHIV薬、ノービアとカクテル療法。アストロゼネカ社の統合失調症薬、セロクエル。イーライリリーのインスリン。グラクソ社の喘息薬、アドエア(個人的にお世話になっています)。ジョンソン&Jの抗炎症薬、レミケード。これは効果うんぬんよりも、生物医薬品を世に送り出したことに意味があります。ノバルティス社のグリベック。ファイザーのリピトール。

この本の良いところは、開発者、企業経営者だけでなく、患者や工場の従業員の顔が見えるところです。グリベックの臨床試験に参加するために、スーザン・マクナマラさんと研究者との間でかわされた手紙のくだりは涙がでてしまいました。

また、各会社の歴史もおもしろいです。老舗製薬企業は南北戦争のころからの歴史をもっています。製薬会社は体力勝負ですから、どうやってその体力を手にいれたのかを、知ることができます。

文章も平易で、翻訳も見事です。読み物として、大変おもしろく読ませていただきました。
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