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ソフィストとは誰か?
 
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ソフィストとは誰か? (単行本)

by 納富 信留 (著)
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Product Description

内容(「BOOK」データベースより)

哲学の側からのソフィスト批判、ソフィスト自身の挑戦と反撃など、古代ギリシア諸家の言説の徹底分析を通してソフィスト存在への認識の射程を示す、注目の研究成果。


内容(「MARC」データベースより)

ソフィストとは哲学者? それともエセ知者か? 哲学の側からのソフィスト批判、ソフィスト自身の挑戦と反撃など、古代ギリシア諸家の言説の徹底分析を通して、ソフィスト存在への認識の射程を示す。

Product Details

  • 単行本: 308 pages
  • Publisher: 人文書院 (2006/09)
  • ISBN-10: 4409040804
  • ISBN-13: 978-4409040805
  • Release Date: 2006/09
  • Product Dimensions: 7.5 x 5.5 x 1 inches
  • Average Customer Review: 4.5 out of 5 stars  See all reviews (2 customer reviews)
  • Amazon.co.jp Sales Rank: #144,725 in 本 (See Bestsellers in 本)

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4.0 out of 5 stars ソフィストに応える、哲学者のパフォーマンス, 2009/3/15
本書は古代ギリシャで活躍した、「ソフィスト」と呼ばれる人たちを巡った本だ。時代は前5世紀頃。ソフィストはギリシャ市民に華やかな言論を演じ、人々に新たな思想と、言論の技術を授けた。ソフィストとは弁論術と思想の教授によって生計を立てていた人たちである。
ところがソフィストは、それ以降の時代において忘却されていく。いまではソフィストといえば、話はうまいが中身は無い、といった風である。ソフィストと呼べるような人たちは、著者が言うように現在でも存在する。例えば政治家、TVのコメンテーター、アメリカの法廷弁護人などである。しかしソフィストは古代ギリシャであれほど活躍したにもかかわらず、それ以降の時代では忘れ去られてきたのである。

ソフィストが忘却された原因とはなにか。それはなによりも、「哲学」の成立である。プラトンはソフィストと対決し、ソフィストとはっきりと区別される「哲学者」の存在を主張したのである。特に、ソフィストであるとして処刑されたソクラテスを救い出そうとした。歴史はプラトンの勝利に終わり、ソフィストは忘却されるに至った。

本書はソフィストとされる人たちから、ゴルギアス、アルキダマスという二人を選ぶ。この二人のテキストの精緻な読解を通して、ソフィストの特徴を明らかにしていくのである。この議論は驚異的なものだ。文献学者たる著者の力の見せ所である。ゴルギアス『ヘレネ頌』の読解では、ゴルギアスの議論がその議論自体の責任を回避することが語られる。ヘレネに責任は無いことを論証することによって、その論証自体の責任も無いことを示す。ソフィストが何よりも演示、パフォーマンスの人たちであったことを明らかにする読解である。また、ゴルギアス『ないについて』の意欲的な読解にも注目すべきだ。ここではこのテキスト全体を、哲学のパロディ、哲学を批判するパフォーマンスと読み解く。これは普通の哲学研究者には不可能な読みだろう。読みの正否はともかく、注目すべき試みである。

こうしてソフィストは、哲学をパロディし、哲学者を笑い飛ばす。哲学だって、真理というお題目でもって相手に自分の意見を押しつけようとする、パフォーマンスの一種だろう。ソフィストは議論の巧妙さによって、哲学は真理によって、相手を信じ込ませるのである。ソフィストからすれば、誠実な顔して象牙の塔に籠もる現代の「哲学者=大学教授」は、まさに笑いの対象である。あいつら、何をお高く止まってるんだ・・・。だとすると、哲学者がソフィストに対してできることは?ここが本書のクライマックスだ。

「哲学の言論を笑いによって打ち倒すソフィスト術を、「不健全」として頭ごなしに否定するだけでは、もはや済まされない。哲学は、ソフィストの挑戦を避ける訳にはいかないのである。また、哲学の側が「笑い」を逆用することで、ソフィストを退けることも許されない。ソフィストの議論に、同じ土俵で、同種の議論で対応すれば、まさに自らがソフィストとなってしまう。/哲学にできることは、おそらく、ソフィストの「笑い」が持つ魅力や魔力、そしてそれが隠蔽する力さえも冷静に分析し、それに対処することであろう。そのために哲学は、まず、自らの内なる対立、混乱、矛盾に向き合い、それらと対決することが必要とする。哲学の言論とは何か、それが追求する「真理」とはいったい何なのかを、改めて根元から問うことが強いられる。」(p.244)

本書自体が、ソフィストの議論についてのこの「冷静な分析」なのである。つまり、ソフィストに対する哲学者のパフォーマンスだ。ソフィスト忘却の状況はいまでも変わっていない。ソフィスト本人の文献は歴史のなかで散逸し、復元すら難しい。またそれゆえ、研究も少ない。いまの日本でソフィストについてまともに語る本は、本書だけとも言える。極めて貴重な研究成果である。
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5 of 11 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 重い課題…, 2006/11/13
By まんぞう - See all my reviews
(TOP 1000 REVIEWER)   
 ソフィストとは、授業料をとって「公的な場で上手に言論(ロゴス)を操る技術」を授ける西洋史上初めての職業的教師のことを指します。

 ピタゴラスやゴルギアスに代表されるギリシャのソフィスト達。若者達は、知識の刺激に熱狂的に反応。それに最も危機感を感じたのがプラトンでした。

 プラトンは、師ソクラテスがソフィストではなく「哲学者」であることを弁証することでソフィスト批判を展開。知識と引き換えに金銭を得ることは、知の自立を否定するものだと。「全知」を標榜するのは傲慢で、「不知」を自覚「知」を愛し求め続けるところに「哲学者」の所以があるそうです。

 プラトンの「若者をたぶらかす不道徳なイカサマ師」というソフィスト像が歴史的に定着していきます。パズルを解くような面白さが、彼の論証にありますが、この本は、「言論の力」と「知への挑戦」を再評価しているところが、最も面白いところだと思います。

 相対主義、個人主義、さらには非宗教的態度など日本社会に蔓延する現象を考えていこうという試みは、私たち読者に回答を委ねた形式になっています。

 読み終えた後、なんとも重たい課題を背負わされた感じがしました。非常に興味深い内容でした…
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