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現実の向こう
 
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現実の向こう (単行本)

by 大澤 真幸 (著)
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Product Description

出版社/著者からの内容紹介

9.11以降新時代に入った世界、オウム事件以降新たな段階に突入した日本――ふたつの劇的な変化が交差する地点にわれわれはいる。テロリスト、テロ国家、オウム。共通項は、理解できない不気味な他者。

共通の土俵をまったく持たない他者との相互理解は不可能に見える。しかし、他者の脅威を武力で殲滅しようとしても終わりなき戦争を招来するだけだ――ブッシュ政権のように。だが、共生の道はあるのか。

ローティ、ハーバーマス、デリダなど現代思想のアイディアを批判的に検討しつつ、現代にこそ要請される平和憲法の意義を抽出。北朝鮮問題の処方箋から、「民主主義を超える民主主義」の着想と国連改革の指針まで、綿密な論理的演繹に基づきつつ、わかりやすい口調で行われる数々の提案が、理解不能な他者とのかそけき共生の可能性をひらき、われわれが直面する困難を克服する方途を示す。



内容(「BOOK」データベースより)

ブッシュ・ドクトリンやネオコンの論理、リメイクされた松本清張原作のドラマ『砂の器』の詳細な解析を通じて炙りだされる国際社会と戦後日本の隠されたメカニズム。平和憲法の現代性、あっと驚く北朝鮮問題の処方箋、「おたく」の定義、「他者」と「未来」の共通性、偽記憶を生みだす心の仕組みなど、手品のようにくりだされる意表を突く分析と提言の彼方に、現在の大沢社会学の到達点が啓示される。

Product Details

  • 単行本: 227 pages
  • Publisher: 春秋社 (2005/01)
  • ISBN-10: 4393332288
  • ISBN-13: 978-4393332283
  • Release Date: 2005/01
  • Product Dimensions: 7.5 x 5.4 x 0.7 inches
  • Average Customer Review: 3.0 out of 5 stars  See all reviews (2 customer reviews)
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5 of 9 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 星一つの内容ではない, 2005/9/18
By daepodong - See all my reviews
(TOP 100 REVIEWER)   
 内容の要約についてはすでに書かれている通りですので、ここでは大澤氏の意表を突く提案について、さらにわたくしなりに改良した意見を呈示します。
 民主主義は、実は二つの相反する理念によって構成されています。一つは、「少数意見の尊重」です。少数意見を理想的な討議(ハーバーマス)によって十分に検討することが民主主義を支える理念です。もう一つは、最終的な結論を出すための「多数決」です。しかし、よく考えてみれば、この「少数意見の尊重」と「多数決」は明らかに矛盾します。つまり、現行の議会制度の元では、少数意見は最終的に多数決というかたちで潰され、実現されることはあり得ません。臓器移植法案など政治性の薄い議題以外には、表決に党議拘束がかかっている(しかも、造反議員には処分さえ予定されているという!)現状では、討議によって少数意見が取り上げられる可能性はゼロです。
 そこで著者は、柄谷行人の「くじ引き」に替えて、「第三者を説得し、その第三者同士で討議させる」という方法を呈示します。つまり、大澤氏は多数決は民主主義の本質的な部分ではないと見なしているのです。しかしさすがにわたくしはこれは現実的ではないと考えます。その替わり、「オブザーバー制」、つまり裁判における陪審制と同じく、国会の議論をモニターする「他者」を導入するという方法で、少数意見を生かすことはできないだろうか、と考えます。
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16 of 38 people found the following review helpful:
1.0 out of 5 stars う~ん、冴えない, 2005/2/14
By モワノンプリュ (Japan) - See all my reviews
(TOP 100 REVIEWER)   
 帯(裏表紙側)に「手品のようにくりだされる意表を突く分析と提言」とあるけど、オイオイ、「手品」ってどうよ。しかも「・・・の彼方に、現在の大澤社会学の到達点が啓示される」と続く。「彼方」の「啓示revelation」って、いわゆる「黙示」のことでしょ。大丈夫か、編集者?
 で、内容。第1章「平和憲法の倫理」では、「終わりなき戦争(非日常)」の時代における日本の役割を論じ、3つの提言がなされる。詳細は省くが、率直に言ってSF的。・・・大澤先生は同時代人には絶望されたのかもしれない。
 第2章「ポスト虚構の時代」は旧著「虚構の時代の果て」への追補とも言うべき内容。ここで著者は「理想の時代」「虚構の時代」に続くのは「不可能性の時代」だと論じる。それを彼は平成版「砂の器」と多重人格の分析から導き出すのだが、要は第三者の審級の不在を隠蔽するために暴力的な「現実」という虚構によって埋め合わせる時代、という図式。
 余談だが、p167で著者は「(主人公・和賀英良の)名前に隠されている決定的に重大な秘密を、ついに発見したのです」と舞い上がっている。しかし仮に先生のデリダの亜流じみた解釈が正しいとしても、単に清張の駄洒落が理解できたという程度の話で、まったくオタク的なネタでしかない。
 最終章は、オウム真理教団(現・アレフ)への提言。「私は、この文章を、オウム信者に直接に送付するのではなく、あえて、一般の読者に向けて書いた」(p224)とあるが、どう考えたって信者に送るべき文章。特に最後のくだりは教祖に直接言うべきこと。だがそもそも信者でなく、おそらくは無神論者で、単なる知的傍観者に過ぎない著者は、いったい自分にどんな権利があると考えてこんな助言をするのか? 最悪の意味での知識人性が出てしまった例だと思う。
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