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カラヤン帝国興亡史―史上最高の指揮者の栄光と挫折 (幻冬舎新書)
 
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カラヤン帝国興亡史―史上最高の指揮者の栄光と挫折 (幻冬舎新書) (新書)

by 中川 右介 (著)
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Product Description

内容(「BOOK」データベースより)

巨匠フルトヴェングラー亡き後、音楽界の頂点、ベルリン・フィル首席指揮者の四代目の座を掴んだ男、ヘルベルト・フォン・カラヤン。彼は類い稀なる才能と権謀術数を駆使し、ザルツブルク音楽祭、ウィーン国立歌劇場他、名オーケストラの実権を次々掌握、前代未聞の世界制覇を成し遂げる。何が彼をかくも壮大な争覇の駆け引きに向かわせたのか?盤石だったはずの帝国に迫る脅威とは?二十世紀音楽界ですべてを手にした最高権力者の栄華と喪失の物語。


著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

中川 右介
1960年生まれ。早稲田大学第二文学部卒。カメラ雑誌編集長等を経て、現在「クラシックジャーナル」編集長。出版社「アルファベータ」代表取締役。海外の出版社と共同・提携し、二十世紀に偉大な足跡を残した芸術家や文学者の評伝の翻訳書を出版する傍ら、自らもクラシック関係の著書を執筆。70年、80年代の歌謡界にも精通する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

Product Details

  • 新書: 302 pages
  • Publisher: 幻冬舎 (2008/03)
  • ISBN-10: 4344980743
  • ISBN-13: 978-4344980747
  • Release Date: 2008/03
  • Product Dimensions: 6.8 x 4.2 x 0.7 inches
  • Average Customer Review: 3.8 out of 5 stars  See all reviews (8 customer reviews)
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21 of 27 people found the following review helpful:
2.0 out of 5 stars 初心者にとっては面白いかもしれないが, 2008/5/7
東フィルの会報に、カラヤンに師事した大町陽一郎がアーヘン時代のひとこまを語っている。音楽監督とはいえ歌劇場の楽団員たった30人。話をつけて周辺のアマチュア合唱団をバスでアーヘンまで運んだ。若いカラヤンはブラームスのドイツ・レクイエムなどの大曲もそうやって勉強した。「今の日本でそういう苦労をしてきた指揮者はいないでしょう」。貴賓席のヒトラーの前でミスをして屈辱を味わったことも紹介している。

確かに、カラヤンの時代はレコード産業が勃興し、オーディオヴィジュアルという技術革新とともにクラシック音楽のあり方が大きく変わった。彼は寵児としてその波に乗った。だからといって生前からカラヤンにまとわりついた「帝王」「帝国」「権力」「覇権」といったレッテルを羅列して決めつけるのは、ある種の初心者にとっては面白いかもしれないが、薄っぺらなゴシップものと変わらない。

大町氏の話はほんの断片に過ぎないが、こうした証言や事実を丁寧に積み上げ、芸術論や産業論、あるいは人間論としての本質を解明していく作業と、本書とは全く別のものだ。大衆芸能スターの成り上がりと没落を楽しむのは大衆の権利で「そんなの関係ねぇ」かもしれないが、見識のある読者であればそこのところは先にわきまえておくべきだろう。
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18 of 24 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 事実の整理には絶好の書, 2008/4/2
By kewpie - See all my reviews
(TOP 500 REVIEWER)   
カラヤンの音楽界における権力拡張と縮小とを描いた作品。著者自身が編集長を務める「クラシックジャーナル」に連載された原稿を加筆修正してまとめられた。前著「カラヤンとフルトヴェングラー」の続編に位置する。

前著に比べ、記述がこなれている。簡潔明瞭に整理された記述は、独自資料に基づくものではないにせよ、読者の頭を整理する上で大変好都合である。前著よりも客観性を増しているのに無味乾燥な文体ではない点も好もしい。ある程度基礎知識があって読むと、本書の良さがわかると思う。

しかし、概ね公平とはいえ、おそらく著者はカラヤンを嫌いなのであろう、その内心を慮る記述では、カラヤンへの悪意または嫌悪がにじみ出ている部分が多いように思われる。また、権力奪取への手練手管を悪いことのように書いているのは、私としては解せない。第一に著者は「すごい名演を聴かせてくれるならどんな悪人でも構わない」という意味のことを何度か活字にしているから、カラヤンの動きは容易に容認されるはずだ、ということ、第二に、この程度の動きは、自身にとって最良の行動を選択できる人間なら誰しも行うであろう動きだからである。それを批判するのは、現状把握力に乏しい人の僻みであろうと私は思うのである。現にカラヤンは権力(富)のための権力(富)を欲するような俗物ではなかった。彼の私生活は実に質素なものであったという記述は本書の参考文献にも書かれているはずであるが、そうした重要なポイントが本書で述べられていないのはおかしい。いかにもジャーナリスティックな表題であるが、そもそも「帝国」の形成など、カラヤンは意図していなかったはずである。

彼のすべては仕事の達成という目的に捧げられたのだと私は考える。私の傍にカラヤンが居たらきっともの凄く迷惑だろうけれど、英雄とは本来そのようなものである。
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11 of 16 people found the following review helpful:
4.0 out of 5 stars ちょっと露悪的過ぎるかな・・・, 2008/4/7
By チャックモール (神奈川県) - See all my reviews
(TOP 500 REVIEWER)   
かつてクラシック界の頂点に君臨したヘルベルト・フォン・カラヤン。
確かに彼の帝王っぷり(法外なお金を要求する、絶対服従を求める、写真は同じ角度から撮らせるなど)は有名だ。

そんな彼がいかに音楽界の頂点に上り詰めたのか、そしてその「帝国」がいかに崩壊していったのかを追っていくのが本書。
国取り物語的な面白さで、厚さの割には一気に読むことができる。

というわけで、読み物としては面白いのだが、正直ちょっと脚色が過ぎる気がして仕方がない。
「帝国が」「覇権が」などという表現がしょっちゅう出てくるが、カラヤンが常にそんなことを考えていたはずがないのは、どちらかというと「反カラヤン」の私にだってわかる。
彼の中心はあくまで音楽で、人より少々、権力的なものに対する意識が高かった、ということに過ぎないだろう。

著者もそのあたりは認めていて、「あえて音楽的な側面を取り上げなかった」と書いてある。だが、それはつまり、俳優や歌手のゴシップばかりを取り上げるワイドショーと一緒だと宣言しているようなものである。

前作『カラヤンとフルトヴェングラー』は文句なしに面白かったが、本作はちょっと露悪的に過ぎる気がする。
もっとも、あくまで単なる人間ドラマとして捉えるなら、十分面白い一冊。
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