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無名 (幻冬舎文庫)
 
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無名 (幻冬舎文庫) (文庫)

by 沢木 耕太郎 (著)
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Product Description

内容(「BOOK」データベースより)

一合の酒と一冊の本があれば、それが最高の贅沢。そんな父が、ある夏の終わりに脳の出血のため入院した。混濁してゆく意識、肺炎の併発、抗生物質の投与、そして在宅看護。病床の父を見守りながら、息子は無数の記憶を掘り起こし、その無名の人生の軌跡を辿る―。生きて死ぬことの厳粛な営みを、静謐な筆致で描ききった沢木作品の到達点。


著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

沢木 耕太郎
1947年東京都生まれ。横浜国立大学卒。独自の手法と文体で数々の作品を生み出し、ノンフィクションの世界を広げたといわれる。大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した『テロルの決算』などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

Product Details

  • 文庫: 309 pages
  • Publisher: 幻冬舎 (2006/08)
  • ISBN-10: 4344408284
  • ISBN-13: 978-4344408289
  • Release Date: 2006/08
  • Product Dimensions: 5.9 x 3.9 x 0.5 inches
  • Average Customer Review: 4.2 out of 5 stars  See all reviews (12 customer reviews)
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11 of 14 people found the following review helpful:
4.0 out of 5 stars 「無名」の父の生き様を知り、自らを知る, 2006/8/28
By 盥アットマーク - See all my reviews
(TOP 100 REVIEWER)   
 58歳から俳句をはじめた沢木耕太郎の父は、65歳でふっつりと作句をやめてしまった。「なぜやめたのか」と問う沢木に父親はこう答える。「俳句は溢れるものを短い詩形に押し込めるために無理をする。押し潰し、削ぎ落とす。だが、無理をすることで逆に過剰になってしまうものがある」と。これは沢木の作品評のようにも受け取れる。沢木は父が俳句をやめたことに対し、こう思う。「確かに潔い。しかし、創作には、そうした潔さとは別の執着心が必要なはずだった。~続けること、続けられるということ、それがもうすでにひとつの才能なのだ。父にはたぶんそれがなかった」。
 この作品は、父の生き方、考え方を述懐し、父からの影響、父と自分の関係、父と自分の違いに思いを馳せ、結果的に沢木自身の生き方、考え方をも浮かび上がらせている。

 沢木は幼い頃から父親の膨大な知識量に畏怖の念を抱いて育つ。その父親は若い頃の一時期、小説家を目指したこともあったが、自己顕示欲、執着心の無さから「無名」のままの生涯を終えることになる。沢木は「父に有名性への憧れはなかったのだろうか。(あったとしたらそれがなくなったのは)いつのことなのか、私にはわからない」と綴っている。しかし、それは息子がジャーナリストとして名を成した事と無関係ではないはずだ。この親子の関係は一見他人行儀にすら見えるが、文学を、映画を、スポーツを、酒を、さりげなく教えたのは紛う方なく父親であり、また死に際して発見された俳句には常に息子の動向を気にかける父親の眼差しがある。数少ない父親の文章が沢木そっくりであるくだりには読んでいて鳥肌が立つほどで、“親子の不思議”を感じずにはいられない。

 「無名」の父のDNAは確実に息子に受け継がれている。父の死によって、そのことをあらためて知る。うらやましい親子の関係がここにはある。
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7 of 9 people found the following review helpful:
4.0 out of 5 stars ひとつの別れと弔い, 2006/10/6
By シロフォン - See all my reviews
(TOP 500 REVIEWER)   
病床の父を見守りながら記憶を辿る日々、他界後、父の遺した俳句をもとに一冊の句集を編む日々が綴られた作品。

「無名の人生」を送ってきた父とはどんな人だったのだろう? 沢木氏と父の他人行儀ともとれる一風かわった関係は何に端を発しているのだろう?
読者は衰えゆく父に胸を痛めつつも、その謎に迫りたいと心をはやらせる。しかし、謎の解明は、おそらく父の死を意味する。ふと我に返り、そのことに後ろめたさを感じる時があった。

だが沢木氏の文章は、後ろめたさが最小限になるよう配慮しているかのように、静かで、情に流されず、時にユーモラスともとれる表現で重しをとりのぞいてくれている。まるで、彼が父を「守らなくてはならない人」と感じていたのと同様、読者をも守ってくれているかのようだ。だから安心して、無名の父の軌跡を辿り、また寄り添う家族の光景を見つめていただきたいと思う。びっくりするような謎が隠されているわけではないけれど・・・

父の他界後、沢木氏は句集を編集し始める。一句一句丹念に読むことで父と向き合い、句集を編むことで故人を弔うという過程がとても知的だ。知的ではことば足らずか。心が介在する知的な営みとでも言ったらいいか・・・ ともあれ、この父子にとってこれ以上の弔いの形はないだろうと思った。

来るべき日、逝く人と見送る者の両者にとって一番ふさわしい供養を選び、やりとげるなどということが果たして自分にできるだろうか。そんなことを考えた。
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6 of 8 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 格好いいです, 2007/5/22
沢木耕太郎の作品の中でこれが個人的には好きです。

欲を出さず、分相応な生を生きて死んでいった沢木耕太郎の親父さんがすごく格好いいと思います。

すべてを受け入れてしまう、沢木の親父さんの姿が描かれている。そこに、どんな状況になっても、その状況で精一杯生きようとする沢木の親父さんの力強い姿が僕には想像できた。
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4.0 out of 5 stars 『血の味』との併読をすすめます
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Published 5 months ago by るるやま・かおる

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Published 11 months ago by 久保田夏彦

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