【本文より】
わたしは、努力できる能力のことを"心の才能"と言っています。
才能は才能でも、いろんな才能がある。脚が長いとか、やわらかいとか、音感がいいとか、いろいろあるけれど、一番大切なのは心の才能です。
何かをやろうとして、うまくいかないときがある。そんなとき、才能がないとか、向いていないとか、嘆く選手がいる。それはちがう。努力が足りないんだから、もっと努力しよう、と単純に考えて行動に移さなくてはならない。それが心の才能です。だから心の才能が一番大切だって言うんです。
【本文より2】
情熱だけで物事を解決できるのならいいけれど、そううまくはいかない。そこに論理や分析がなかったら、物事はいいようには向かない。傾向と対策があって、分析ができたら、次に初めてハートの出番です。譲らない、引かないというハートの出番です。最初から感情ばかりでは何もうまくいきません。
最後にハートが----執着心とか執念とか負けたくない気持ちとか譲らない気持ちとかが----
生きてくる。最初からハートだけでは無理、無理、無理です。
【目次】
1章 絶対、今よりよくなる
2章 努力する心の才能を育てる
3章 教育は一回一回が勝負だから楽しい
4章 迷ったら、初心に戻りなさい
5章 大きな願いの前には大きな砦がある
6章 わたしが中国に行った理由
7章 異国でのコーチング
8章 言いたいことは我慢しない
9章 二晩の勝負
10章 本気で叱る
11章 コーチを育てる
12章 子供に損をさせてませんか?
【著者紹介】
井村雅代(いむらまさよ)
1950年大阪府生まれ。中学生からシンクロナイズドスイミングを始め、選手としてチームで日本選手権に二度優勝。公開競技として行われたミュンヘンオリンピックに出場。天理大学卒業後、中学校の保健体育科の教諭を務めた後、シンクロ指導者となる。78年から日本代表コーチに就任。85年に「井村シンクロクラブ」を創設。2004年のアテネオリンピック終了後、日本代表コーチを退任。その後08年の北京オリンピックに向け、中国代表チームのヘッドコーチに就任。本番ではチームで銅メダルを獲得。同年9月、中国代表チームのヘッドコーチを退任。現在は、井村シンクロクラブで指導しつつ講演活動も行う。コーチとして出場したすべてのオリンピックでメダルを獲得。奥野史子、立花美哉、武田美保など、世界的な選手を数多く育てる。
松瀬学(まつせまなぶ)
1960年長崎県生まれ。早稲田大学卒業後、共同通信社入社。共同通信では一貫してスポーツ畑を歩み、プロ野球、大相撲などの担当を経てJOC、IOCなどをカバー。2002年1月に同社を退社、ノンフィクションライターに。著書に『汚れた金メダル』(文藝春秋。96年度ミズノスポーツライター賞受賞)、『スクラム』(光文社新書)、『五輪ボイコット』(新潮社)、『サムライ・ハート 上野由岐子』(集英社)などがある。
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