本書はいまや全国に約1万7300店、売上高5700億円ほどの一大外食産業に成長した焼き肉店と焼き肉料理の歴史を振り返ったノンフィクションだ。
著者は多くの関係者への取材を通じて、焼き肉店の誕生に「朝鮮半島における南北のイデオロギーの対立」が微妙な影響を与えたことや、在日韓国・朝鮮人が工夫を重ねながら、食べるときにタレをつけたりする日本独自の焼き肉文化を創り出してきたことなどを明らかにした。また、店の中の煙を抑える無煙ロースターの改良・改善も焼き肉店の発展に欠かせなかったという。
いわゆるグルメ本とは異なるが、読後に焼き肉を食べたい気分にさせる一冊だ。
(東洋信託銀行顧問 神崎 倫一)
(日経ビジネス1999/4/19号 Copyright©日経BP社.All rights reserved.)
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