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高学歴ワーキングプア  「フリーター生産工場」としての大学院 (光文社新書)
 
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高学歴ワーキングプア 「フリーター生産工場」としての大学院 (光文社新書) (新書)

by 水月 昭道 (著)
3.5 out of 5 stars  See all reviews (75 customer reviews)
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高学歴ワーキングプア  「フリーター生産工場」としての大学院 (光文社新書) + 最高学府はバカだらけ―全入時代の大学「崖っぷち」事情 (光文社新書)
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Product Description

出版社/著者からの内容紹介

大学院重点化というのは、文科省と東大法学部が知恵を出し合って練りに練った、成長後退期においてなおパイを失わん都執念を燃やす"既得権維持"のための秘策だったのである。
折しも、九〇年代半ばからの若年労働市場の縮小と重なるという運もあった。就職難で行き場を失った若者を、大学院につりあげることなどたやすいことであった。若者への逆風も、ここでは追い風として吹くこととなった。
成長後退期に入った社会が、我が身を守るために斬り捨てた若者たちを、これ幸いとすくい上げ、今度はその背中に「よっこらしょ」とおぶさったのが、大学市場を支配する者たちだった。(本文より)


内容(「BOOK」データベースより)

非常勤講師とコンビニのバイトで月収15万円。正規雇用の可能性ほぼゼロ。

Product Details

  • 新書: 217 pages
  • Publisher: 光文社 (2007/10/16)
  • ISBN-10: 4334034233
  • ISBN-13: 978-4334034238
  • Release Date: 2007/10/16
  • Product Dimensions: 6.7 x 4.2 x 0.6 inches
  • Average Customer Review: 3.5 out of 5 stars  See all reviews (75 customer reviews)
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19 of 20 people found the following review helpful:
3.0 out of 5 stars マクロ的視点に立った、建設的な提言を増やすべき, 2008/12/29
By FreshAir - See all my reviews
(TOP 500 REVIEWER)   
大学院、そして博士号というものについての従来の幻想を打ち砕き、フリーター生産工場になっている悲惨な現状を告発しています。

しかし、理工系大学院については、あまり深くは書かれていません。産業空洞化が進んで、単なるもの作りだけなら中国をはじめとして賃金の安い国に対抗するのが難しい今の日本では、基礎研究の充実や産学協同なども含めて最先端の研究開発に力を入れていかざるをえません。このような分野では、大学院も博士も重要な存在です。アメリカのGoogle社のように博士号を持った人たちがたくさんいる会社だってあります。

他の方々が指摘しているように、取り上げ方やデータの裏づけや用い方という点で批判が出るのは一理あるなと思いました。ただ、個人的に一番気になったのは、本書の論点が内向き過ぎるのではないかということです。「需要と供給」という社会的な視点で考えれば、大学教員のような従来の博士向きのポストが相対的に少なくなってしまうのは当然のこと。一方、大学院の新設が続いたことで多くの学生が研究の道に進めるようになったことは、日本国憲法第23条が保障する学問の自由という視点では歓迎すべきことだといえます。つまり、じゃあどうすればいいのだろうかという視点で本書を読めば、ある意味で無いものねだりの批判を展開しているように読めます。

現状を踏まえ、このように増えた大学院を、社会や世界の活力源としてどのように有効に生かしてゆくかということについても、もっと広い視点から前向きに論じるべきだったのではないかと思います。どうしてそれが重要かというと、結局は、そのようにしていかないと、博士号を取得した人達の社会での新たな進路や活躍の場が増えていくことにはつながらないからです。

もちろん、著者も、これからの大学院の役割や進学する者が考えるべき点について後半で自説を述べていますが、前半の舌鋒鋭い批判部分と比較すると十分な出来だとは思えません。意外な進路や従来とは違う視点で成功した人を多数取りあげたり、社会の中での接点や存在感を示すことに成功した研究所の例を紹介したり、早い段階からのキャリアプランの例を示したり、海外の大学でポストを得た人を追うなど、もっと読者の視野を広げるように、建設的な意見や調査結果に基づく記述の量を増やせば、さらに意味のある一冊になっていたように思われます。
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83 of 92 people found the following review helpful:
3.0 out of 5 stars 読むべき内容だが…。, 2007/12/2
賛否のレビューが殺到しているが、‘院’や博士学位に関係のある人なら共感する部分もあり、いっぽう‘近親憎悪’の露骨な批難も読める。私は、正直に言って‘社会適応逃れ’で院進学し、博士学位もないので、本書の著者から見てさえワーキングプアは自己責任ということになろう。だから同じ視点でもなく、外部者でもなく、というスタンスで読んだが、深刻な話だ。本書の主たる指摘は、大学院重点化政策の欺瞞ということになるだろう。それ以外に、ポスドクを含む院進学者の日常やアカハラにまつわる体験談が、少し雑然と詰め込まれているが、これらにいちいち‘そうでないケースもある’と難じても意味はないし、本書のデータ不足を難じる評も、新書の本質を理解していない。
けれども、他のレビュアーの指摘にもあったが、博士号を持たない専任教員に論文を査読されて掲載を拒まれたことの屈辱を訴える人の例(91〜95頁)では、査読する側の世代にとっての博士学位は、体験談のひとつ(74〜78頁)が示すように“特筆すべき業績”と―実質上も―されて取得者は少なく、それが「平成一八年以降…授与する方向へ」(76頁)転換したのであって、その辺の論理にやや違和感がある。査読側の資質―業績など―そのものを論じるべきだ。既に指摘のある「パイを失わんと執念を燃やす」は第2刷では「…失うまいと」(70頁)となっているが、初刷がそうだったなら―この辺をあげつらうことは浅薄だが―やはりよくないし、専任編集者の恥でもあろう。本書を読んだ感触は、強烈な忿怒と、意外に穏和な認識・希望とが同居しているというものだった。「仕事ではなく、人生のキャリアパスに」(187頁)あたりの博士学位への肯定的言説は、ヘタをすると、就職できない院生にかける教授の、あるいは大学院の募集パンフレットに書かれる法人側の言葉になりかねない物言いだ。文学系専攻では、実際に定年退職して院に入る人が増えたり、就職に関係のない進学者は増えている―つまり院側は就職の面倒を見なくてよい。著者の希望的なことばに不快は覚えないが、現状は変わるまいし、むしろ著者の言うとおり、大学院重点化政策は大成功したのである。企図し、実行し、成果が上がった政策の何を反省する必要があろう、と企図した側は大自慢だろう。
「教育は国家百年の計」ということばは、教育というものの真の成果(惨状も)が出るのは、百年ほど経った後であり、その時には教えた側も教え子も、政策や学校経営の責任者も皆死んでこの世にいないゆえ、何をやっても一切責任を取らなくてよい、という意味ではないかと最近思っている。
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31 of 34 people found the following review helpful:
3.0 out of 5 stars 少々客観性に欠けるきらい, 2008/3/7
By cupiemayo (桃源郷) - See all my reviews
学問を究めた「博士」たちのおよそ半数にしか、安定した就職先が無いという悲しい日本の現実。余剰博士問題の煽りをまともにうけた博士たちの実状、問題にある背景や、将来における展望などを、関係者のインタビューや、著者なりの解釈とそれをサポートする統計をもって伝える、基本的にルポ的な力作。

著者自身が、余剰博士問題の被害を正面から受けていることもあり、典型的な余剰博士たちの現実などは、十分に説得力をもって伝えられる。学歴社会の日本において、あらゆる学問を最高のレベルで究めた博士の能力が、正当に評価されないのは皮肉以外の何物でもない。現在でも日本の教育は、官僚や大企業を中心とするエリート社会で、「個」を殺しながらも、国家という経済マシンを運営する上で、有用で従順な「駒」を生産する事が、最終的な目的なのである。独特の考えを持ち自ら発展させていけるような、博士のような人材は、結局目障りなだけなのだろう。はっきり言って、博士達を有効に使えない日本の現状は、つまるところ日本の社会全体が「適材適所」を実行できていない、ということに尽きる。

この作品のジャーナリズム的な問題点としては、全体のバランスとして客観性に欠けることが挙げられる。著者自身が被害者なせいで、それほどひどくはないものの、いたるところに、客観性よりも、著者自身の当事者としての恨みつらみが感じられてしまうのが、残念。著者が痛烈に批判する、大学を運営する法人や、この基本的な「失政」を(意図的に)招いた側の主張に、公平な取材が行き届いていないので、この著書をもって余剰博士問題を概観することはできない。被害者にとっては本当に真剣な問題なので、単なる「余剰博士の悲痛な叫び」以上のモノを期待していたのだが、その点は少々期待外れだった。

また、余剰博士問題では先を行く米国の現状をもって、日本の大学院の目指すべきひとつの方向を提起しているが、米国で博士号を取得した自分としては、賛成しかねる。現状は、米国の大学の方が、著者が批判する、まったくシビアな「教育ビジネス」になり下がっているのだ。日本と米国の余剰博士をめぐる環境の一番大きな違いは、博士の受入先が、アカデミア以外にも多少なりとも開かれている点である。アカデミアにポストが少ないのは、結局どこの国でも同じである。本質的に問題にすべきは、博士の受入先がない、日本社会の閉鎖性なのである。

大学院に進もうか悩んでいる人達への個人的なアドバイスは、アカデミアに残るのが目的ならば、先輩がよりよりアカポスに就けている研究室に入るのが絶対条件。それが出来なければ、無駄な努力はしないこと。勉強というのするほど、新しい世界を知るきっかけを与えてくれる。でも、それは象牙の塔の住人でなければ出来ないという程の特別な事ではない、と外に出れば思うこともあるはず。心と頭を豊かにすることに惜しみない投資をした博士たちが、豊かな日本をより豊かに彩ることに貢献することができるよう、期待して止まない。
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