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日本とフランス  二つの民主主義 (光文社新書)
 
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日本とフランス 二つの民主主義 (光文社新書) (新書)

薬師院 仁志 (著)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

自由を求めて不平等になる国と、平等を求めて不自由になる国。


内容(「MARC」データベースより)

日本のアメリカ型自由民主主義と、フランスの社会民主主義。その違いを比較し、21世紀初頭以降における日本社会の在り方、今後どのような選択肢を持ち得るのかについて、政治的、経済的な事柄を中心に考える。

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5つ星のうち 4.0 政治思想を知る良い教科書, 2006/10/9
冷戦終了後、我が国の左派政党の凋落は著しい。ところがフランスをはじめとするヨーロッパでは左翼は今も健在であり、著者はまず詳細にこれを検証する。そもそも「右」/「左」とはなにか? 著者による欧米諸国における左右の定義は明解である。すなわち、右に自由方向、左に平等方向を示す直線を引くと、右側にいくほど右派で右端に米共和党があり、左が左派で左端に共産主義政党がくる。ここでいう「自由」とは規制緩和・自由競争による「小さな政府」を「平等」とは高負担・高福祉を目指す「大きな政府」の主張を意味する。各政党は線上のどこかに位置づけられるが、左派・右派は相対的なものである。米国の左派である民主党は共和党より左にあるが、フランスの右派のほうが平等主義的である。(尚、米国の民主党がリベラル=自由主義と言われるのは、「宗教的にリベラル」の意味である。)
そして現在ヨーロッパ左派の社会民主主義の淵源は、1848年のフランス二月革命にあり、国家主義・中央集権的である。ソ連崩壊後、我が国の左派のみの凋落の著しい理由がこの辺で理解できる。

著者は我が国で民主主義というと、米国型の「小さな政府・自由」とされるが、フランス型の「大きな政府・平等」という選択肢もあることを強調する。しかし、著者の期待するような我が国の左派政党の出現は期待できないのではないか?
また、「判断材料を提供するためにフランス社会の肯定的な側面を多く取り入れた」と著者はいうが、選択肢として考えるならば負の側面についてももっと知る必要があろう。この中にはフランス建国の理念からくる「普遍主義」といった重い課題もある。ともかく本書は政治思想を整理・理解する出発点として良い教科書である。
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5つ星のうち 5.0 サヨクもウヨクもこれを読め!, 2006/9/18
あまりに簡略化しすぎているのでやや?なところもあるが、基本的には非常に分かりやすい「右翼−左翼」原論である。

著者は、2005年の日本の選挙をまず俎上に挙げる。自民党と民主党、われわれは、この両者で、いったい何を選べばいいのか?どっちも基本にあるのは「小さな政府」であり、その点では何ら異なるところはない。細かな言い回しをごちゃごちゃ言い争っているだけなのである。

左翼が真に高福祉政策を採るのであれば、そこではやはり「大きな政府」を標榜するべきであり、それでこそ、ネオリベ系の(現在の)自民党とガチンコ勝負ができるのである。もちろん先の選挙で「大きな政府」を掲げても勝てはしなかっただろうが、しかしそれでも、「自民党の2軍」的な(なにせ、党首があの人だし)現在の民主党よりは、よっろど先に繋がっていたと思うが。

変に有権者に媚びて「公務員リストラ」やら「市民運動」やらに肩入れするのではなく、左派は素直に、「大きな政府」を叫べ!という著者の主張には、120%同意である。
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25 人中、20人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 変である故に消滅した日本の左翼, 2006/8/22
By 革命人士 - レビューをすべて見る
(TOP 500 REVIEWER)   
減税の一方で福祉サービス拡大を求める左翼政党の主張はどこか変だ。日本人の多くがそう感じていたに違いない。だから、退潮傾向が止まらないのだろう。本書は平等と自由は両立せず、世界の政治勢力はどちらかを志向しているとはっきり言い切る。そして、左翼=平等を志向する勢力が世界の潮流となっているのに、今の日本は平等を求める政治勢力がないに等しく、選択肢が自由しかないともいう。

また、国民を国家に強くつなぎ止め、上からの平等実現を目指す左翼の立場から、左翼が権力と対立するのはあり得ないという。だから、フランスの左翼は国民統合の手段として徴兵制に賛成する。論理的だ。それと比べ、いかに日本の左翼が情緒的で、有権者に聞こえの良いことしか言わないかと感じた(著者は「自由」を信奉する勢力にも厳しい指摘をしているが)。

また、世襲政治を打破した民主主義革命の生んだ自由こそが、世襲議員を生む逆説的な状況。それを打破するには、自由を制限するしかないという論考も卓越。後半フランスの下りが冗長な感もあるが、前半はユニークで刺激的な思考があふれていて、格差社会の克服が盛んに叫ばれている現状、その答えの手がかりが本書に求めることができると思う。
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