出版社/著者からの内容紹介
カフカ初級クラス・十二回講義。しめくくりは終了祝いのプラハ旅行つき。
カフカというと、イメージがきまっている。大きな目。そげた頬、悪魔のように尖った両の耳、かたくむすんだ唇。
その顔だけでも、ただならぬ雰囲気がある。何やら恐ろしげだ。そういえば、実にへんてこな小説を書いた。ある朝、目を覚ましたら虫になっていた男の話。あるいは、同じくある朝、目を覚ましたら、何も悪いことをしたおぼえがないのに逮捕されていた。
あのカフカである。悪い夢に出てきそうだ。小説そのものが悪夢じみている。(中略)
しかしそうではない。イメージがまちがっている。まるっきり、ちがうのだ。(第1章より)
名前は聞いたことがあり、顔写真のようなものを見たこともあって、難しい小説を書いたといったことはなんとなくイメージにある。でもカフカってどんな人?
友人、知人の伝えるところによると、フランツ・カフカは物静かで、謙虚な人だった。半官半民の役所に勤め、女性を愛するたびに誠実に悩んだ。結核に冒せれても我慢強く苦痛に耐えた。勤めから帰ると仮眠を取り、夜中にせっせとノートに小説を書いた。書き続けるために独身を選び、家庭の幸せをそっくり捨てた。
一見謙虚だが、背中合わせに野心家のカフカがいた。いずれ自分の時代が来るとかたく心に期していた男--。カフカ初級者に送る「カフカの全貌」。
著者は1940年兵庫県生まれ。ドイツ文学者、エッセイスト。神戸大学、都立大学東大でドイツ語、ドイツ文学の教師を経て文筆業へ入る。主な著書に『諷刺の文学』(白水社、亀井勝一郎賞)、『海山のあいだ』(マガジンハウス・角川文庫講談社エッセイ賞)、『ぼくのドイツ文学講義』(岩波書店)、『ゲーテさん こんばんは』(集英社、桑原武夫学芸賞)など。訳書はゲーテ『ファウスト』(集英社毎日出版文化賞)、『カフカ小説全集』(全6巻白水社、日本翻訳文化賞)など。旅のエッセイも多数。
内容(「BOOK」データベースより)
カフカ初級クラス・十二回講義。しめくくりは修了祝いのプラハ旅行つき。
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