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暗号化 プライバシーを救った反乱者たち
 
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暗号化 プライバシーを救った反乱者たち (単行本)

by スティーブン・レビー (著), 斉藤 隆央 (翻訳)
4.7 out of 5 stars  See all reviews (6 customer reviews)
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Product Description

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   ハッカーに関する本などで有名なサイエンスライターのスティーブン・レビーが、インターネット時代の暗号技術を取り上げて、一般の読者向けに解説した、全体で500ページ近い大部な本である。

   巻末に短い用語集をつけて専門用語を解説しようと試みているが、これは中途半端なものにとどまり、あまり役に立たない。本文は、アメリカ人に見られるやや冗長な書き方をしている。行きつ戻りつしないで読み進めることができるように書いた、こうしたスタイルを読みやすいと思うかどうかは、読者によって個人差があるだろう。小さい文字で長々と書いたものよりも、もっとすっきり簡潔に要点をしぼった書き方を好む読者も多いのではないか。

   だが、さすがにレビーの書いた本だけあって、大切なツボはしっかり押さえてある。技術的な内容だけでなく、アメリカが政策として暗号技術をどう扱ってきたかにも、かなりのページ数を割いている。レヴィの取材はしっかりしていて、取り上げている事例は質も量も豊か。内容も一定の水準に達しているのではないだろうか。(有澤 誠)



日経BP企画

暗号化 プライバシーを救った反乱者たち
 ここ数年、暗号に関する一般書が増えている。本欄でもこれまで何冊か取り上げてきた。それだけ社会における暗号の重要性が増しているということだ。

 本書は、古代以来連綿と続いてきた暗号技術において最大の革新といえる公開鍵暗号の開発と、その実用化を巡る人間ドラマを追ったものだ。現在ネット商取引ではこの方式が大々的に使われている。公開鍵暗号は、まさに現代のネット社会を実現した暗号なのである。

 1970年代、米政府の国家安全保障局(NSA)は、暗号技術が国家安全保障に不可欠と考え、その自由な研究を制限していた。その一方で未来のネットワーク社会に暗号が不可欠と考えた一部の人々が、市民生活を守るという意識から新しい暗号の開発に着手する。本書はまず何よりも暗号に魅せられた人々の群像ドラマである。公開鍵暗号という概念を確立したデフィーとヘルマン、実用的な公開鍵暗号の開発に成功したリヴェスト、シャミル、エイドルマン、それをビジネスに仕立て上げたビゾス――それぞれに癖があり有能な人々が事を成していくさまは読みごたえがある。本書後半はできてしまった暗号をなんとか手なづけようとするNSAと、市民の自由を標ぼうしてNSAと戦う人々とのやり取りを追っている。

 本書を読了して気になるのは、同じ時に日本の研究者は何をしていたのかということだ。世界を見渡しても暗号研究は日本ほど自由にできる国は珍しいのに、NTTグループを初めとした日本の研究者集団がいまいち地味な存在にとどまっている理由は何なのだろうか。

 面白い上に考えさせられる、上質のノンフィクションである。

(ノンフィクションライター 松浦晋也)
(日経パソコン 2002/04/15 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)


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12 of 13 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 情熱的「暗号本」?!, 2002/3/6
普段、インタ-ネット接続やメ-ルの送信時、何気なく打ち込んでいる「ID」や「パスワ-ド」に
これほどたくさんの人々の情熱が注ぎこまれているとは、考えもしなかった。
暗号そのものは、非常に高度な数学的知識が要求される学問だが
筆者は数式を避け、数学に親しみのない人にも
分かりやすいたとえ話(アリスとボブと邪魔者のイヴ)で説明をしている。

これは、暗号の本というより
今では常識となったセキュリティ-を、コンピュ-タ利用者が獲得するまでの
熱い人間ドラマ、と呼ぶにふさわしい内容に仕上がっている。
訳文もわかりやすく、瞬時に内容にのめり込める。

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3 of 3 people found the following review helpful:
4.0 out of 5 stars 暗号をめぐる闘争, 2003/3/3
 「暗号」というだけで少しドキドキして、何かミステリアスなものを感じる私は、暗号についてちょっと調べてみようと思って、本書を手にしました。2日で読んでしまいましたから、結構読みやすかったのだと思います。

 暗号の開発・解読とその独占に情熱を注ぐアメリカ政府、暗号を独自に研究し市民のものにしようとする数多くの数学とコンピュータ科学の天才・秀才たち。自らの誇りと利益と安全と理念を守るために、さまざまな人々のさまざまな思いが複雑に絡み合いながら物語は展開していきます。

 当事者の発言を丹念に収集し、社会的背景も織り交ぜながら飽きがこないように緻密に作られていて、著者の能力に圧倒されます。

 ただ、暗号に関する技術的な説明は、私にはあまり理解できませんでした。この点は現代の暗号理論の性質上やむをえないのかもしれません。また、登場人物が非常に多いので、主要な人物しかイメージが持てず、ちょっと困りました。

 でも、読むべき本です。ネットワーク社会のプライバシーと情報の保護を考える上で、有益な情報を提供してくれると思います。

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5 of 7 people found the following review helpful:
4.0 out of 5 stars 暗号と自由との関係について考えさせれる, 2002/5/14
By A Customer
米国で発展した暗号技術発展の歴史をわかりやすく解説しています。

日本にいると暗号というとスパイなどを思い浮かべますが、本書を
読むとそれ以上に米国では兵器と同等の扱いがされていたことに
驚きを感じます。

また、そのような状況で、「暗号技術が人々の自由を確保する技術」
であると今のネットワーク社会との関係を速い段階で見抜き、暗号
技術を発展させ体制と対立してまでも普及させていった人々の卓越
した技術と精神には驚きを禁じ得ません。

内容は具体的な暗号化技術の詳細にまでは立ち入らず、その拝啓や
技術の意義をわかりやすく伝え、それに関わった人を中心に語られ
ています。挿入されるエピソードはもちろん実話ですが、読み物と
しても非常におもしろく興奮させられるものです。

今日、割と一般的に使用できるようになってきた技術ですが、
ほんの数年前クリントン政権時代には、ここに述べられているように
私たち日本では米国と同等の暗号技術、つまりセキュアな機能を
組み込んだ製品を利用さえできなかったのです。 というようなこと
を考えると、非常に身近に感じることができます。

個人情報保護法案などでプライバシーにますます焦点が当たっている
今日この頃ですから是非コンピューターに関わっている人は目を通し
ておくべきでしょうし、読み物としても楽しめることは保証します。

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