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庭、灰/見えない都市 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集2)
 
 

庭、灰/見えない都市 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集2) (単行本)

イタロ・カルヴィーノ (著), ダニロ・キシュ (著), 米川良夫 (翻訳), 山崎 佳代子 (翻訳)
5つ星のうち 3.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

第二次大戦中にアウシュビッツで父を失った作家が、精緻な入れ子細工のように仕立てた自伝的長篇初訳と、伊文学の巨匠が幾何学的な形式に沿って象徴的に描く仕掛けに満ちた都市の物語。


内容(「BOOK」データベースより)

『庭、灰』―少年に多くの謎を残し、アウシュヴィッツで消息を絶った父。甘やかな幼年時代が戦争によってもぎとられ、逃避行を余儀なくされる一家の悲劇を、抒情とアイロニーに満ちた筆致で描く自伝的長篇。初邦訳。『見えない都市』―ヴェネツィア生まれのマルコ・ポーロが皇帝フビライ汗に報告する諸都市の情景。女性の名を有する55の都市を、記憶、欲望、精緻、眼差というテーマで分類し、見えない秩序を探る驚異の物語。

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5つ星のうち 5.0 破壊的大傑作, 2009/9/16
戦慄を覚えた。この「庭、灰、」に…これはユダヤ文芸史上最高傑作かも…。
冗談ではない。私はマジでそう思っている。
淡々とした語り口、もの不思議そうなシチュエーションに…かなしそうでユーモアがあり…。
フランツ・カフカを思い出した。
いや、カフカを持ち出すなんて、キシュに失礼にあたるかも…マジでそう思ってしまった。
こんな優れた長編がなぜ今まで日本語になっていなかったのか。カフカ、ホフマンスタールにヨゼフ・ロートを引き合いに出してもまったく違和感がないほどの作品。「死刑宣告」「城」に匹敵…いやそれ以上であろう。
無知をさらけ出すようだが、今までダニロ・キシュなんて殆ど知らなかった。この優れたシリーズに入っているから読んでみよう、と思い、読んで…自爆。
この長編の特徴に「読みにくくない」というのがあるだろう。私がカフカばっかり読んでいるからか、こういう類の本は読むのが面倒だ、という偏見を抱いていた。それも見事に自爆。
ただ、美辞麗句を並べて誉めるのは相応しくない。ダニロは父をアウシュヴィッツで失ったもので…ダニロも運命の悪ふざけがあれば同じ道をたどっていたかもしれないから。というわけで、センセーショナルに売り出されるたぐいのものでもないと思う。
カルヴィーノの本は以前に読んでいたので知っていた。おもしろいなあ。
ともかく…「庭〜」のごとき爆弾を日本語にしてくれたことにひたすら感謝。
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5つ星のうち 2.0 マルコ・ポーロもフビライもはたして実在したのか?, 2009/11/14

これは池澤夏樹編集による河出書房新社の世界文学全集の1冊です。

ユーゴスラビアのキシュが書いたのは現実と幻想がごった煮になった父親の思い出とそれに付随するビルダングスロマン。ユダヤ人の父親はアウシュビッツで帰らぬ人となりましたが、誰にせよ父にまつわるさまざまな記憶と物語はあるわけで、それらと比べてこの小説が格別劣るわけでもすぐれているわけでもありません。

イタリアのカルヴィーノが書いたのはこれとは正反対の幻想小説です。マルコ・ポーロの「東方見聞録」を下敷きにした偉大なる旅行者と偉大なる征服者フビライ・ハーンとの世界の都市をめぐる対話です。

それらすべて女性の名前がつけられた都市はベネツイアをのぞいて実在しない空想の都市であり、したがってそれらの都市をめぐってさまざまな視点から繰り返される対話自体も空想的な性質のものです。

第7部に至って、フビライはポーロが一歩も静謐な庭を動いて形跡がないにもかかわらず、いつそれらの数多くの都市を訪問する暇があったのかと疑い、「朕もまたここにおるということが確かなこととは思えないのだ」と自問します。

万里の長城やヴェネツィアははたして本当に実在していたのか? マルコ・ポーロもフビライもはたして実在したのか? 歴史的事実も人物もその存在の根底が激しく疑われたままこのいかにももっともらしい小説は終わりを告げるのです。


♪われ描くゆえに都市ありカルヴィーノ語りき 茫洋
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5つ星のうち 4.0 読者の力量が問われる作品(自分は勉強不足でした), 2009/9/20
池澤夏樹責任編集の世界文学全集の1冊。

今回は、セルビアのダニロ・キシュ、イタリアのイタロ・カルヴィーノといいうともに初めて読む作家。カルヴィーノは名前は聞いたことがありなじみもあるが、キシュは全く未知の作家のため、どんな作風なのかも知らなかった。

キシュの『庭、灰』は展開がよく分からず、少年の回想だということぐらい。作品の背景も解説を読んで初めて分かった。

それに比べて、カルヴィーノの『見えない都市』は、マルコ・ポーロがフビライ汗に、世界中の都市の話を聞かせるという筋は分かりやすい。内容もマルコ・ポーロの語る都市の物語と彼とフビライ汗との会話で成り立っていて、幻想的だ。

ちょっとこの本を読むには勉強不足だったかな。
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