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存在の耐えられない軽さ (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-3)
 
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存在の耐えられない軽さ (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-3) (ハードカバー)

ミラン・クンデラ (著), 西永 良成 (翻訳)
5つ星のうち 4.7 レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介
妻か愛人か、仕事か思想か、人生は常に選択を迫る。
優秀な外科医トマーシュは女性にもてもて。しかし最初の妻と別れて以来、女性に対して恐怖と欲望という相反する感情を抱いている。彼は二つの感情と折り合いをつけ、複数の愛人とうまく付き合うための方法を編み出し、愛人たちとの関係をエロス的友情と呼んで楽しんでいた。そんな彼のもとにある日、たまたま田舎町で知り合った娘テレザが訪ねてくる。『アンナ・カレーニナ』の分厚い本を手にして。その時から彼は、人生の大きな選択を迫られることとなる──「プラハの春」賛同者への残忍な粛正、追放、迫害、「正常化」という名の大弾圧の時代を背景にした4人の男女の愛と受難の物語は、フランス亡命中に発表されるや全世界に大きな衝撃を与えた。今回の翻訳は、クンデラ自身が徹底的に手を入れ改訳を加えて、真正テクストと認めるフランス語版からの新訳決定版である。

〈ぼくがこの作品を選んだ理由 池澤夏樹〉
静かな生活に政治が暴力的に介入する。満ち足りた日々は抑えきれない欲望に乱される。派手なストーリーに人生についてのしみじみと深い省察が隠れている。これが現代に生きる知的な人間の姿だ。ぼくはテレザともサビナとも暮らしてみたい。

内容(「BOOK」データベースより)
優秀な外科医トマーシュは女性にもてもて。しかし最初の妻と別れて以来、女性に対して恐怖と欲望という相反する感情を抱いている。彼は二つの感情と折り合いをつけ、複数の愛人とうまく付き合うための方法を編み出し、愛人たちとの関係をエロス的友情と呼んで楽しんでいた。そんな彼のもとにある日、たまたま田舎町で知り合った娘テレザが訪ねてくる。『アンナ・カレーニナ』の分厚い本を手にして。その時から彼は、人生の大きな選択を迫られることとなる―「プラハの春」賛同者への残忍な粛正、追放、迫害、「正常化」という名の大弾圧の時代を背景にした4人の男女の愛と受難の物語は、フランス亡命中に発表されるや全世界に大きな衝撃を与えた。今回の翻訳は、クンデラ自身が徹底的に手を入れ改訳を加えて、真正テクストと認めるフランス語版からの新訳決定版である。

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5つ星のうち 5.0 哲学的な部分がもっと理解できれば・・・, 2008/3/2
By ringmoo (愛知県高浜市) - レビューをすべて見る
(TOP 100 REVIEWER)   
この物語自体は、1988年に公開されたフィリップ・カウフマン監督の映画で知っていました。
映画では、プレーボーイの医者トマーシュに田舎娘テレザと画家のサビナの奇妙な三角関係が、<プラハの春>からソ連軍の侵攻という時代を舞台に描かれていました。

今回本書を読んで驚いたのは、題名の通り非常に哲学的な部分が多々あったことです。この部分への理解があってこその作品だとは思うのですが、なかなか完全に理解するところまでは行きませんでした。
従って、トマーシュとテレザの二人の主人公の物語として読み進んだという結果になりました。

何人もの女性を相手にしているトマーシュは、テレザを「特殊」な存在として認識し、その領域には他の女性は入りえないという風に感じています。従って、二人の関係は相思相愛のように見えながら、互いにそうした関係に疑問を持ちながら暮らしています。
そして、ソ連軍の侵攻からプラハを立ち去りスイスへ。しかし、又プラハに戻り、更に田舎へ。
チェコという国が、大国に翻弄された歴史の中に存在したように、彼らの人生も翻弄されます。
ただ、そこには彼らの「決断」も介在しています。この「決断」が、人生の「軽き」に向かったのか、「重き」に向かったのかは、一度しかない人生にとって、結果論でしょう。
ただ、この二人の関係は傍から見れば、魅力的な関係に見えます。本人たちがどう思っていようとも。

この本も魅力は、登場人物たちの魅力と、アイロニーに溢れる文章、そして、行きつ戻りつしながらも、リズミカルな物語の展開でしょう。
話だけを楽しむのであれば、哲学的な部分は邪魔かも知れませんが、それでも楽しめる小説であり、哲学的な部分がもっと理解できれば、その分、楽しみも大きくなるような、そんな小説のような気がします。
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13 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 異形の小説、面白いが難解, 2008/2/28
冒頭から作者とおぼしき話者の哲学的な省察が延々と述べられて、その語りのスタイルにまず面食らいました。

内容紹介には「派手なストーリー」とありますが、その言葉からからいわゆる冒険小説のようなストーリー展開を期待してしまうと、失望されるでしょう。また性的な内容を扱っているからといって、よこしまな期待で手にしたならば、やはりはぐらかされてしまうでしょう。確かに性描写は少なくありませんが、決して扇情的ではありません。
時間軸も直線的ではないし、その結果主人公にからまない主要登場人物がいたりと、小説としてはかなり「異形」な作品です。

世界の学者の半分はマルクスの研究をしている、といわれたかつての時代なら、この作品は充分衝撃的だったでしょう。しかし、社会主義の矛盾が色々露呈してしまった現代では、その衝撃は味わえません。それでも、主人公たちを見舞う峻厳な運命は、耐えられない重さの感覚で読者の胸に迫るはずです。

これは読者を選ぶ小説です。基本の語り口は哲学的、ストーリー展開も一筋縄でないし、小説のスタイルとしてはかなり異形・・・
これらを覚悟した上でなお選択するならば、登場人物の魅力、奔放なイメージ、哲学的で深い省察、緊迫したエピソード等々、この小説はつきない魅力を開いて見せてくれるでしょう。
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13 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0 自分はトマーシュ好き, 2008/2/16
名前だけ知っていて、読んだことはありませんでした。楽しみに読んでみたのですが、うーん、これまた不思議な味のする物語でした。
頭を使います。登場人物と作者が思索を重ねながら進んでいくお話でした。
その思索は、話術や演出が上手いのか、理解は出来るんですよ、でも、自分の頭の中の思考力を沢山動員する必要があって、ゆっくりと読んじゃいますね。

演出といえば、この本の末尾の解説に書かれた小説技法についての解説、これが良かったです。「こんな話題の詰まった本、よく読めたなぁ」と読みきった後、自分にビックリしていたのですが、作者の話術が素晴らしかったんだなぁと納得しました。
解説の、「小説の知恵と技法」「小説の音楽的統一性」の2文です。特に後者は感服。
そして、それを成し遂げる作者の体力が一番凄いということですね。

あ、内容について書いてないや。しかしこれの内容を書くのは難しい。具体的な出来事に依っている(と自分には思えた)小説なので、実際に読んでもらって、具体的な出来事を体験してもらってからじゃないと、どんな感想も伝わらないのじゃないかしらと不安で、頭が上手く働いてくれません。

そうだ、月報があった。今回の池澤氏の月報は面白かった。あれを参考にしよう。以下、あれから初めて連想した感想。

うーん、登場人物では自分はトマーシュが一番好きです。人生の大決断をその場で決めていかねばならない事態が続くのですが、その都度その都度の選択に共感と敬意を感じました。この選択を巡って度々トマーシュは思い悩むのですが、読んでて励ましてやりたくなりましたよ。

そこまで書いて思い出しました。「愛」の無意識に沈む情動、過ぎ去った後ではすぐに忘れたくなるような快不快をふんだんに含んだ感情のことを、理性の枠外に飛び出してしまうその性質の事を、これほど思い出させられた本はないと思いながら読んでたんでした。

最終章、前までとの断絶が強いのですが、なぜだか凄く好きな話です。静謐な感じ。この章、私の好きなトマーシュからの視点がテレザから見えるものしかわからないようになっているのがじれったいですが、不安定な社会の中のひと時の静けさを二人でいとおしんでいたと思いたい出来です。
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