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西瓜糖の日々 (河出文庫)
 
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西瓜糖の日々 (河出文庫) (文庫)

by リチャード ブローティガン (著), Richard Brautigan (原著), 藤本 和子 (翻訳)
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Product Description

出版社/著者からの内容紹介

コミューン的な場所アイデス〈iDeath〉と〈忘れられた世界〉、そして私たちと同じ言葉を話すことができる虎たち。澄明で静かな西瓜糖世界の人々の平和・愛・暴力・流血を描き、現代社会をあざやかに映した著者の代表作。


内容(「BOOK」データベースより)

コミューン的な場所、アイデス“iDeath”と“忘れられた世界”、そして私たちとおんなじ言葉を話すことができる虎たち。西瓜糖の甘くて残酷な世界が夢見る幸福とは何だろうか…。澄明で静かな西瓜糖世界の人々の平和・愛・暴力・流血を描き、現代社会をあざやかに映して若者たちを熱狂させた詩的幻想小説。ブローティガンの代表作。

Product Details

  • 文庫: 209 pages
  • Publisher: 河出書房新社 (2003/07)
  • ISBN-10: 4309462308
  • ISBN-13: 978-4309462301
  • Release Date: 2003/07
  • Product Dimensions: 5.9 x 4.2 x 0.5 inches
  • Average Customer Review: 4.6 out of 5 stars  See all reviews (9 customer reviews)
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11 of 13 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 詩的で、不思議にリアルな寓話, 2003/12/2
20年以上も前に単行本で読み、それ以来、ずっとマイ・オールタイム・ベスト20の1冊。どんな具合に好きだったのか忘れていたが、文庫化された本を読んですぐにわかった。

「いま、こうしてわたしの生活が西瓜糖の世界で過ぎてゆくように、かつても人々は西瓜糖の世界でいろいろなことをしたのだった。あなたにそのことを話してあげよう。わたしはここにいて、あなたは遠くにいるのだから」

これが本書の始まりの文章。見事だと思う。そうかもしれない、と思う。ぼくも、かつては西瓜糖の世界で暮らしていたのかもしれない、と。それはとても素敵なことだったのかもしれない。そして、いまは遠くにいるのかもしれない、と。自分にとって大切なことを思い出させてくれる本、だと思います。

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12 of 16 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 何だかわからないけれど、素敵, 2004/10/4
By ADELANTE (東京都新宿区) - See all my reviews
~四半世紀ぶりに、(そして今度は初めて日本語で)読み返してみて、やはり、「何だかわからないけれど、素敵」だとおもってしまいました。

当時私がこの本を、そして著者の書いた他の本をとったのは、英語が簡単、そして長くない、というのがその理由だったけれど・・・、非常に平易な文章でこれだけの世界を作り上げられるのか、とびっくりしたものです。$N~~$
彼がこの本での書いた世界を無理に例えて言えば、モロッコのマラケシュや、ネパールのカトマンドゥ、はたまたペルーのクスコなどでしばらく沈没して、その街の物語にとけこんでしまったときの感覚と言えば、言えるのでしょうか。

村上春樹、村上龍の両村上をはじめとして、日本の現代文学にさりげなく大きな影響をあたえているリチャード・ブローティガ~~ンの本を是非読んでいただきたいとおもいます。しかし、初期の代表作である「Trout Fishing in America(アメリカの鱒釣り)」、「Abortion(愛のゆくえ)」とこの「In Watermelon~~ Sugar(西瓜糖の日々)」以外の作品は、日本でもアメリカでもあまり読むことができない現状はさびしい限りです。やはり、80年に登場したレーガン以降の強きアメリカを無理でも標榜する時代と確執があるのかもしれません。(さて、半日かけてでも、押し入れのなかにねむっている、彼の書いた作品たちをひっぱりだしてくるかな・・・。すでに黄ばんではいるだろう~~けれど)

この作品は中沢新一氏の「緑の資本論」など一連の対称・非対称を論じた本とあわせ読むと面白いかもしれないと感じました。~

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13 of 18 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars そんな場所は存在しない, 2003/12/14
まずは藤本和子さんの訳が素晴らしい。日本語の文章としてとても美しい。ブローティガンの作品の中では物語の比重が大きい作品のように思うが、この文体を味わうだけでも十分に快楽を得られる。

『アメリカの鱒釣り』が有名だが、今ならばこの小説が一番支持されるのではないかと思う。村上春樹の小説を読んでいる人ならばこの小説の孕む憂鬱の心地よさにはすぐに馴染むことができるだろう。

幻想的な美しさを湛えた作品だが、底流を流れるのは作者の深い絶望感だ。一見ユートピアのような舞台で紡がれる日々の出来事は、結局は疎隔感ばかりを浮き彫りにする。尽きない逃避への誘惑が、記憶の隅々までを甘い絶望で染め上げる。きっとブローティガンは主体の死んだユートピアを否定しながらも、なおその場所に惹かれつづけていたのだろう。

ユートピアという言葉は「そんな場所は存在しない」という意味のギリシア語である。存在しないことを知っているからこそ、西瓜糖の世界は一層その暗い輝きを増す。

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