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異体字の世界―旧字・俗字・略字の漢字百科 (河出文庫 こ 10-1)
 
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異体字の世界―旧字・俗字・略字の漢字百科 (河出文庫 こ 10-1) (文庫)

小池 和夫 (著)
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内容紹介

牛丼の吉野家の「吉」はなぜ「士」冠でなく「土」冠なのか、デパートの高島屋の「高」はなぜ「鍋ぶた」の下が「目」なのか。渡辺さんの「辺」には十八もの異体字がある……! 異体字とは、正字、俗字、古字、別体、譌字、
略字などの総称。常用漢字がどのように決まり、人名用漢字などでいつも混乱しているのは何が原因なのか。印刷文字の変遷から、現代の携帯やパソコンの文字まで、最近の漢字騒動も含めて異形の文字たちをめぐる奥深く驚きに満ちた文庫書き下ろし。


内容(「BOOK」データベースより)

異体字とは、正字、俗字、古字、別体、譌字、略字などの総称。常用漢字がどのように決まり、人名用漢字などでいつも混乱しているのは何が原因なのか。印刷文字の変遷から、現代のケータイやパソコンの文字まで、最近の漢字騒動も含めて異形の文字たちをめぐる奥深く驚きに満ちた初めての本。

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5つ星のうち 2.0 JIS 的「異体字の世界」観, 2007/7/11
著者が JIS 改正委員会などで符号化文字集合の策定に携わっている小池和夫氏ということもあって、軸足は文字コード...それも JIS(JIS X0208 - JIS X0213:2004)に置かれているようです。『康煕字典』や開成石経といった中国の古典籍や、Unicode(ISO/IEC 10646)や Adobe Japan といった JIS 以外の符号化文字集合の話題も一応 出てはきますが、明らかに "日本の"(もしくは JIS 改正委員としての小池氏の)異体字の世界観で閉じています。俗字・譌字・本字といった異体字の「ラベル分け」についても、お茶を濁したような説明で終わっており、本書によって「異体字の世界」を体系的に理解するのは、残念ながら非常に難しいといわざるを得ません。

あくまで個人的な印象になりますが、大部分が異体字で占められる JIS X0213 の第3・第4水準漢字を、選に漏れたものや第1・第2水準の異体字も交えて可能な限りたくさん、雑学っぽく紹介することが本書の真の目的のように感じられました。個別の異体字の解説も、根拠が明示されていることは稀で、一貫性、体系なども見られないので、本当に『JIS 異体字手冊』みたいな感じです。

本書に代わる異体字に関する良書は残念ながら思い浮かびませんが、JIS X0213 の改正をめぐる話なら、小形克宏氏の連載「文字の海、ビットの舟」(INTERNET Watch)の方をオススメしたいです。
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38 人中、30人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 1.0 最低の駄本, 2007/8/25
著者は阿佐ヶ谷美術専門学校講師。JIS第3・第4水準の制定に関わったとのこと。
漢字1字1字についての由来や意味といった具体的知識は確かに豊富である。
が、ただそれだけ。
この人の最大の欠点は、「見識」というものを全く欠いている点で、乱暴にいうなら
ただの漢字オタクでしかない。異体字というものをどのように考えるべきか、そして
混乱している現状をこれからどのようにしてゆけば良いのかという規範的意識は
全く見られない。
こんな人によって漢字コードが決められているのかと思うと、背筋が寒くなる。

最初から最後までひたすら具体例で埋められているだけで、何を主張したいのか
さっぱり解らない。大雑把な構成としては、正字とは何かを「篆書・隷書」「康煕字典」
「手書き(楷行草)と活字」などのお決まりのパターンで述べた後、「明治維新から
当用漢字表ができるまで」「JISの拡張」「Windows Vista」「人名用漢字」という流れに
なっており、その中での様々な異体字の扱われ方を述べたいようだ。
しかし、要となるべき枠組みがしっかり提示されないまま、今まで見たこともなく、
これからも一生見ることのないであろう漢字ばかりを、これでもかとばかり羅列されても
普通の人はついてゆけない。

出てくる漢字には句点番号が振ってあるのだが、句点番号とは何かという説明はなく、
JISの話が始まっても、JISの「水準」とは何か、JISとユニコードの違いは何か、
情報機器でそれらをどのように利用できるのか、といったことについては一切書かれて
いないというありさま。一般の読者は訳が解らないだろう。
だからといって、それらの知識を前提とした高度な話題になっているのかといえば
別にそういうことでもない。

「異体字ネタ帳」という以上のものではないので、漢字検定1級を持っていて
漢字が好きで好きでたまらないという人以外は、買うと後悔することになると思う。
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30 人中、23人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0 問題を拡大し混乱させるだけのような気が・・・, 2007/7/15
By ぶーのん (千葉県千葉市) - レビューをすべて見る
日本語処理ソフト開発メーカー勤務なので、漢字問題に悩まされない日はない。最近もVistaで字形が変わる問題で右往左往させられた。

一般に異体字の問題は、昔は画数の多い複雑なものを簡略化したあたりに根源があった。しかしコンピュータ社会の現在は、書き間違いやクセ字などにまで範囲が広がっている。
その最たるものが戸籍だ。戸籍はつい最近まで、書き間違いであってもいったんそう登録されてしまった以上は容易に直しが効かなかった。それ故にニセ字ウソ字のオンパレードになってしまっている。そして、これらを可能な限り救おうとしたところに、現在の日本語ソフトの悲劇がある。JIS水準分けやUNICODEなど、世界中に混乱を伝播させた張本人である、と断言してもいい。

そうした問題点への根本的な解決策なしに、単なる興味関心だけで異体字を論じるのは、いいかげんやめにできないだろうか。
本書も、「こんな字がありますね」と紹介するのはまだいい。が、話の基準がJISに偏っており、漢字こそがユニヴァーサルな問題の大部分を占めていることを認識しつつも、JISの都合や勝手で「しょうがないでしょ」「こんなのやめましょうよ」的なニュアンスの意見披瀝に終始している。ニッポンの政策主導のJISで世界が納得するわけがなかろうに。

小生の本名は極めて単純な漢字3個(総画数も20しかない)なので深刻ではないが、「ワタナベ」さんや「サイトウ」さんなどにとっては、イライラを募らせることにしか役立たないのではなかろうか。
仕事の都合で漢字とは一蓮托生の立場なので、参考になる話もあったから2つ星は進呈するけれど、1つ星に極めて近い評価であると承知いただきたい。
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