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英霊の聲 オリジナル版 (河出文庫)
 
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英霊の聲 オリジナル版 (河出文庫) (文庫)

三島 由紀夫 (著)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

などて天皇は人となりたまいし―天皇に殉じた青年の魂の復権をめざし、天皇制批判の問題作として“イデオロギー小説か、芸術小説か”と騒然たる物議をまきおこした表題作と、「十日の菊」「憂国」を合わせた二・二六事件三部作。エッセイ「二・二六事件と私」を完全復活させた待望久しいオリジナル版文庫。


著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

三島 由紀夫
1925年、東京生まれ。学習院を経て、東大法学部を卒業。16歳で「花ざかりの森」を発表し、天稟を注目される。戦後、「仮面の告白」で作家としての地位を確立。1970年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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5つ星のうち 4.0 危険だが、迫力のある作品, 2007/2/3
 『英霊の声』は、昭和天皇を批判している作品である。三島を右翼思想の塊だと思っている人は、これを読んでからものを言うべきだ。処刑された将校と特攻隊の言葉はかなり迫力がある。三島自身、死へ向けて進発していたから書けたのだろう。
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9 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 三島の癒しがたい観念, 2007/4/7
By New JJ-K 72 (Tokyo since Mar. 28, 2009) - レビューをすべて見る
(TOP 1000 REVIEWER)   
本書は、二・二六事件に絡んだ1.英霊の声、2.憂国、3.十日の菊(戯曲)と4.二・二六事件と私、で構成されています。

1.二・二六事件で処刑になった将校と第2次大戦の死した特攻隊の神格(霊)が、神道の儀式で人に宿り、天皇の在り方に関連してその無念をぶちまける「英霊の声」
2.新婚故、二・二六事件を起した仲間から決起に声をかけられず、逆に彼らの討伐を命じられることに憂い、生と性の絶頂で心から信頼できる美しい妻とともに自刃する「憂国」
3.二・二六事件で命を狙われた時にその人生の最高点を迎えた大臣の2度と最高点を味わえない喪失感を引きずった生きる屍と化した隠居生活とその再起をかける醜さ、そして、彼を守るために息子を失った家政婦のその業による変わらぬ気性が描かれた「十日の菊」

どれも非常に読み応えがありますが、本書で最も重要なのは4.各作品の三島による解説も含んだ「二・二六事件と私」だと思います。三島はその中で以下のように述べています。

「私の癒しがたい観念の中では、老年は永遠に醜く、青年は永遠に美しい。老年の知恵は永遠に迷蒙であり、青年の行動は永遠に透徹している。だから、いきていればいるほど悪くなるのであり、人生はつまり真逆様の頽落である。」

その氏の観念は「憂国」、豊饒の海の第2部「奔馬」へと繋がり、やがて国体のあり方を世間に知らしめる等の思いも交わり、彼自身の自刃に繋がったのだろう想像でき、そういった氏の観念・思想等が知れるという意味でも非常に価値のある本だと思います。
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5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 三島自身が天皇制の欺瞞を一番知っていた, 2009/3/24
三島由紀夫というと単純に「右翼」、「保守反動」、「天皇制讃美者」というイメージがありましたが、本書を読んで、逆の意味でこれほど凄い天皇批判の書はないと感じました。三島自身が皇室を敬愛していたことは事実です。しかし、彼は天皇制の持つ神話的虚構性を知った上で、その物語を遂行して行くことが天皇の責任であると信じていたのです。天皇には、個人の意思を越えて、皇国日本の「神」として役割を担って行く「責任と義務」があったのです。けれども、昭和天皇は「人間宣言」することによって、その責任を放棄しました。昭和天皇は殉教の死を回避してしまったのです。これは「天皇制・皇国日本」という神話的物語の継続にとって致命的です。物語の主人公たる昭和天皇自身によって、物語が否定されてしまったのですから・・・。つまり物語の虚構性を明らかにしたのは、GHQではなく、まさに昭和天皇自身だったのです。物語に殉じて死んでいった英霊は、この時点で消滅したのです。

しかし物語の虚構性が明らかになってしまったにも関わらず、戦後もある意味でその物語が続けられています。しかし、三島にとってそれは耐えられない茶番であったのではないでしょうか。だからこそ彼は死を持って、神話的物語としての意味を失った天皇制という茶番劇の終わりを、世に示したのではないか。そして、本書はまさにそのことを強く訴える三島由紀夫の怨念のようなものを感じる書であります。

 
 

 
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