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神去なあなあ日常
 
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神去なあなあ日常 (単行本)

by 三浦 しをん (著)
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Product Description

内容(「BOOK」データベースより)

美人の産地・神去村でチェーンソー片手に山仕事。先輩の鉄拳、ダニやヒルの襲来。しかも村には秘密があって…!?林業っておもしれ~!高校卒業と同時に平野勇気が放り込まれたのは三重県の山奥にある神去村。林業に従事し、自然を相手に生きてきた人々に出会う。

Product Details

  • 単行本: 290 pages
  • Publisher: 徳間書店 (2009/05)
  • ISBN-10: 4198627312
  • ISBN-13: 978-4198627317
  • Release Date: 2009/05
  • Product Dimensions: 7.5 x 5 x 0.9 inches
  • Average Customer Review: 4.5 out of 5 stars  See all reviews (19 customer reviews)
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10 of 10 people found the following review helpful:
4.0 out of 5 stars 勇気が語る勇気の1年。, 2009/8/1
なんとも奇妙なタイトルだが、内容は至って気持ちのいいお仕事系青春小説。
三浦しをんさんは『仏果を得ず』でも、こういった、仕事に打ち込み、
恋にめざめ、する主人公の内面を丁寧に描いていた。
今回はまた、林業というアウトドアな仕事をするはめになった主人公・勇気
自らが自分の歩んだ1年を文章に書き表すといった体の小説である。

横浜の高校を卒業と同時に放りこまれた未知の世界。
読み手の多くの人にもなじみのない仕事とその世界なのに、
しをんさんはまたまたうまく引きこんでくれる。
読売新聞の記事によると、しをんさんの父方の祖父が
三重県中西部の人だったそうだ。

「なあなあ」とは造語だそうだが、まったく神去村の人と情を言い得て妙である。
よそ者に対する興味と排除。
山奥の村のありがちなようすが余すところなく描かれる。
しかし、仕事を覚える過程が、村の人々と心を交わし、仲間と認めてもらえる
道筋となってゆくところが、温かくていい。
切ない恋心もスパイスとして効いている。
与喜を始めとする山仕事のベテランの男たち、一人一人のキャラが濃くておもしろい。
林業という時間も手間もかかる仕事の奥深さから、
今の日本の「山」の姿も垣間見える。
こういうところをきっちり描けるのがしをんさんだと思う。

“神隠し”や“祭り”をエピソードに描くことで、山の神秘性を
読み手に伝える演出もうまい。
奥深い山の自然のパワーを、そこで暮らす人々は今も神代さながら
感じ、崇めながらの「林業」なのだ。
勇気の恋の行方も仕事の熟練も、もう少し読みたいなあと思うところで
物語を終わらせるのもうまいなあと感じた。
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4 of 4 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 「神が去った」村?さにあらず, 2009/8/29
林業にゆる〜くかける青春と自然を相手に生きる人々をユーモラスに描いた逸品。
主人公が、パソコン上に綴る日記の形式で書かれているから、ブログみたいなものだろう(ただし、環境はないから、インターネット上に、ではない)。
「勝手に」山村の林業会社に就職させられていた、人生に目的も目標ももたない若者(主人公)が、とまどい、反発しながらも、徐々に村の生活と林業に慣れていくという内容。もっとも、実際を考えると、わずか1年そこそこで「慣れた」というのは、いささか言い過ぎの気がするが、少なくとも小説の中では、主人公が村の人たちに受け入れられ、自らも村の一員という自覚が生まれたあたりで小説が終わる。
山仕事や村の生活には、かなりデフォルメされている。さらに、十分に取材をした上で書かれているのであろうが、山仕事の説明に不十分な点も見受けられる。
しかしながら、そんなことは些細なことである。さらに、話のスパイスのように付け加えられている、とある魅力的な女性と主人公の関係などは、文字どおり物語に彩りを添えているに過ぎない。
おそらく、この小説の真価は、実際のところ、通奏低音のように一貫して鳴り続ける、人々の山や自然に対する敬虔な気持ちではないだろうか。「神が去った」村?さにあらず、舞台の中には、到るところに「神」はいる。それが、村の人々の口癖、そしてタイトルの「なあなあ」に現れている。
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15 of 18 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 林業小説…山や木に興味が無くても読めてしまう傑作!, 2009/5/26
By ハンカチ王女 (東京都) - See all my reviews
(TOP 1000 REVIEWER)   
三浦しをんは人間関係を描くのがうまい作家だ。この関係は良いとか良くないとか
決めつけず、ただ、その関係性を読者に楽しく読ませ、酔わせてくれる。故に
駅伝や文楽という一見親しみにくい題材も人間ドラマとして多くの読者の支持を得るし、
前作「光」のように、暴力を介した救われようのない運命を背負った人々の物語にも
ずぶずぶと読み手を引きこむ。


さて、そんな三浦しをんの新作は、人間関係がとても限られた山奥の村で
林業を営む人々の物語。今回は、人と人との話に限らず、木や山などの
自然と人間の関係性も描きこまれ(すなわちそれは、ある意味、自然に宿る
人間を超えた力≒神様的なものとの邂逅も含むわけで)
大変読み応えのあるチャーミングな小説だった。

高校卒業後も進路が決まっていなかった主人公の勇気(18歳男子)は
興味も知識もまったくない状態で、ひょんなことから神去という土地で
林業の研修を受けることに。頑固そうな老人に、荒っぽい先輩の木こり、なぜか
美人の多い女性陣・・・個性豊かなキャラクターに囲まれ、慣れない肉体労働を
強いられ、更に、山の神様を信仰する彼らとのカルチャーギャップに戸惑いながら
勇気はしだいに、働くということ、自然とともに生きることを覚え、この村や
木を伐採する仕事、山を育む仕事を愛しはじめるのだった・・・と、あらすじを書くと
なんとも平凡になってしまうのですが、本当に面白い。語り手に、山に暮らす
人々から見たら異分子的な存在である勇気を据えることにより、読んでいる側も
林業に携わる人々の特殊性に一緒に戸惑い、村の田舎ぶりにびっくりし、
困った人たちに翻弄され、山の神様の祝福を受け…なんともハッピーな
読後感を味わうことができます。特に、48年に1度の祭りのシーンは
読んでてゾクゾクしました。

林業にも大自然にも興味がまったく湧かない私ですが、作家の名前につられて
読んでよかった、と思える小説でした。まるで主人公が山に魅せられたかのように。
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